2017年07月23日

映画『ボンジュール、アン』

単なる車の移動だったのに!

フランシス・フォード・コッポラ監督の妻であり、『ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録』などを手掛けてきたエレノア・コッポラ監督作。
人生の岐路に立つ女性が旅を通して自らを見つめ直し、新たな喜びや幸せを見いだすさまを描く。
『ボンジュール、アン』予告編

『運命の女』などのダイアン・レインと『恋するベーカリー』などのアレック・ボールドウィンが妻と夫にふんし、監督としても活躍するアルノー・ヴィアールが夫の仕事仲間を演じる。 

映画『ボンジュール、アン』

配給: 東北新社 配給: STAR CHANNEL MOVIES



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2017年07月19日

マーティン・ランドーさんを偲んで


オスカー獲得した「エド・ウッド」は、往年のドラキュラ俳優を演じた。

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2017年07月05日

インド映画『裁き』

冤罪か、犯罪か―インド発、ベネチア受賞の異色法廷劇「裁き」


「世界で最も将来が期待されている30歳以下の映画監督」インドのチャイタニヤ・タームネー監督による異色の法廷劇。自殺を扇動する歌を歌ったという不条理な容疑で逮捕された歌手と、彼の運命を握る裁判官、検事、弁護士が織りなす法廷の攻防、そしてそれと並行する人々の私生活を、独特の視点とカメラワークで描く。


ある下水清掃人の死体がマンホールの中で発見された。ほどなく、年老いた民謡歌手カンブレが逮捕される。扇動的な歌が、下水清掃人を自殺へと駆り立てたという容疑で、カンブレの裁判が下級裁判所で始まる。理論的で人権を尊重する若手弁護士、100年以上前の法律を持ち出して刑の確定を急ぐ検察官、何とか公正に事を運ぼうとする裁判官、そして偽証をする目撃者や無関心な被害者の未亡人といった証人たち。インドの複雑な社会環境の中で、階級、宗教、言語、民族など、あらゆる面で異なる世界に身を置く人間のそれぞれの私生活と、法廷の中での一つの裁きが多層に重なっていく。

映画「裁き」は7月からユーロスペースほかで全国順次公開。

http://sabaki-movie.com/

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2017年07月04日

映画『ありがとう、トニ・エルドマン』

ヨーロッパ映画賞を総なめし、アカデミー賞外国語映画賞にノミネート。マーレン・アデ監督最新作。
 悪ふざけが大好きな父と、故郷を離れて働くキャリア志向の娘。一筋縄ではいかない父と娘の関係に、世界が涙し、笑った。

『ありがとう、トニ・エルドマン』公式⇒www.bitters.co.jp/tonierdmann/

ジャック・ニコルソンが引退宣言を撤回し、ハリウッドリメイクも熱望される話題作らしい。熱苦しい要望かもしれない。


藤原帰一 NHKのBS1、朝7時のニュース番組で映画コーナーを担当しております。毎月一回なんですが、7月は7日と28日の二回。7日にはドイツから不条理なコメディ「ありがとう、トニ・エルドマン」、それにインドから不条理な裁判もの「裁き」をご紹介します。
posted by koinu at 13:05| 東京 ☀| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月12日

映画『セールスマン』メイキング映像


監督脚本 アスガル・ファルハーディー
製作
アレクサンドル・マレ=ギィ
アスガル・ファルハーディー


出演者
シャハブ・ホセイニ(英語版)
タラネ・アリシュスティ(英語版)
音楽 サタール・オラキ(ペルシア語版)
撮影 ホセイン・ジャファリアン(英語版)
編集 ハイェデェ・サフィヤリ
製作会社 Memento Films Production  Asghar Farhadi Production   Arte France Cinéma
配給   Filmiran  Memento Films 

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2017年06月04日

映画『ザ・ダンサー』公開

ダンスに魅了された映画「ザ・ダンサー」舞台は19世紀末で、絵画世界ではキュビズムと印象派が花を咲かせていた頃で、そこに登場したのがモダンダンスの先駆者としてヨーロッパで一世を風靡した女性ロイ・フラー。


ドレス、光、鏡を用いた新しい創作ダンス。ベル・エポック伝説のダンサー、時代の変わり目に花開いたアヴァンギャルドなダンサーの実話を、写真家ステファニー・ディ・ジューストが、エネルギッシュかつスタイリッシュに映画化した、念願の初映画監督作品。「ロイは力強さと繊細さをあわせ持っている人で、そういう人間性に感動したの。それに、彼女はとくに美人でもスタイルがいいわけでもなく、裕福な家庭に生まれたわけでもないのに、熱意と努力だけで海を渡り、ダンスを発明して舞台芸術に革命を起こしたのよ。そうやってハンデを魔法に変えたところは、わたしが彼女に興味を抱いた理由でもあるわね」(監督)

映画『ザ・ダンサー』公式サイト
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2017年05月18日

映画「ARRIVAL」は「ばかうけ」にそっくり


映画『ブレードランナー 2049』が期待されているドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の今週公開『メッセージ』について。
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「親愛なる日本のみなさん。ご推察の通り、宇宙船のデザインは“ばかうけ”に影響を受けた」という。

テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」を原作にした、ハリウッド映画「ARRIVAL」(邦題:メッセージ)のポスターが、「ばかうけ」にしか見えない。
栗山米菓「ばかうけ」は、新潟県の方言である「ばか」=「とても、すごく」ヒットして欲しいという願いをこめて付けられた菓子。


posted by koinu at 11:16| 東京 ☁| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月03日

映画『メッセージ』(Arrival)

ネビュラ賞受賞作テッド・チャン「あなたの人生の物語」の映画化。

突然、世界各地に宇宙人が到来。宇宙人は何かを伝えようとしているものの訳が分からない。そこで、解読を頼まれたのが言語学者のルイス。未確認飛行物体の異星人の言語を解析解読すること。


https://youtu.be/r4LTqFM7chY


地球に来た異星人は、非常に協力的で研究はどんどん進んでいく。研究の途中で異星人から、特殊な能力を身に着けてしまう。そして「未来が見えてしまう」能力を身に着けてた女性は、自分の子供である娘の人生も見えてしまう。これから出会う父親になる男性もわかってしまう。子供が亡くなるときの事故の様子、ホテルのラウンジで結婚する相手の男性からプロポーズされるて、当然イエスと答えるのも事前に知ってるし、子供もほしいかと聞かれて、事故で亡くすのも知っていながら、「ええほしいわ」と答える自分も知っている。


「あなたの人生の物語」は自分の娘に語り掛ける物語である。特殊な未来予知能力を身に着けた女性が、生まれてこない娘に語り掛ける。


『3000年後、我々宇宙人は人間の協力が必要になる。そのために今ここに来た』未来の自分が宇宙人の言葉を大学で教えている姿を見て、今の自分も宇宙人の言葉も既に完璧に理解していることに気づいていく。

テッド・チャンの短編小説を基にエリック・ハイセラー脚本、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督担当した、2016年アメリカSFドラマ映画。2017年5月19日公開。


http://www.hayakawa-online.co.jp/smartphone/news.html?date=20160909120623
posted by koinu at 09:43| 東京 ☀| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月25日

『トンネル 闇に鎖された男』

映画『クラウド アトラス』『ジュピター』、Netfilxドラマ「sense8/センス8」に起用したペ・ドゥナに「私が惚れ込んだ女優の1人」とラナ・ウォシャウスキーは語り「監督の技が光る素晴らしい映画だった」らしい。

『トンネル 闇に鎖された男』は5月13日(土)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて順次公開。

「(ハリウッド作品では通常)アジアの俳優たちって英語ができるかどうかを試されるんですが、ウォシャウスキー監督は、俳優がそのキャラクターにちゃんとなりきっていれば、外的な要因は気にしない。また、即興性があって、現場で色々変わります。現場や俳優、あちこちでインスピレーションを得ているようです」ペ・ドゥナ


ドラマ「sense8/センス8」シリーズ


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2017年04月13日

映画『ムーンライト』

脚本を担当したタレル・マクレイニーの半生を投影した内容。黒人貧困層の生まれから演劇学校を出て、映画界へと登りつめて描かれた。心底キャラクター内部に奥深く入っていく、同性愛の演技と画面構成された。


監督はバリー・ジェンキンス、脚本はマクレイニーとジェンキンスの共作で執筆。
人種問題、貧困、LGBTであること、家族の姿ー数々の重いテーマに新鮮な切り込みを入れた話題作。環境や性別や生きる国が違っても、親子でもすれ違うし叶わぬ恋もあるだろう。 「初めての海水浴」は、ドラッグ売人の手引きによるパブティズム。
『ムーンライト』は普遍的な愛の話で、シャロンの人生を追体験して、自分が何者で在りたいかを問う魔法のような映画。

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2017年03月23日

東宝映画『クレイジー学園・その土地買います!』

矢作俊彦‏ @orverstrand ・ 3月13日 
日本映画が元気なあの時代なら明日にも映画化されて封切られていただろう。松竹映画『喜劇・ああ、教育勅語』伴淳三郎主演、森崎東脚本監督とか。たとえば東宝映画『クレイジー学園・その土地買います!』ハナ肇主演、佐々木守脚本、須川栄三監督とか。



posted by koinu at 11:20| 東京 ☀| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月11日

「残されし大地」

ジル・ローラン初監督にて遺作映画『残されし大地 LA TERRE ABANDONEE』

福島の自然や人々の暮らし、犬や猫、ダチョウなどの生き物。すべての生命の細やかな動きや静かな息遣い。そこに残るひと、離れるひと......。サウンドエンジニアのキャリアから、言葉数は少なく視覚と聴覚で様々投げかける。


原発事故後の福島を舞台にドキュメンタリー映画を撮り、母国ベルギーで編集作業中の3月22日にテロの犠牲になった音響技師ジル・ローランさん(享年46歳)の遺作「残されし大地」が仲間の手によって完成した。7月に仏・マルセイユ国際ドキュメンタリー映画祭で発表。

2017年3月中旬、東京・渋谷 シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー予定。

【「残されし大地」は「福島について」だけの映画ではありません。土地に愛着を持つとはどういうことか、伝統と我々はいかに結びついているのか、そして福島やチェルノブイリといった惨事が起きた時に、我々は市民として自分たちをどんな立場に置こうとするのか、といったことを問いかける映画なのです。】Cyril Bybas プロデューサー
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2017年03月06日

水野晴郎のDVDで観る世界名作映画

感動の全210タイトル 映画史に輝く傑作をあなたに

M1:三十九夜
M2:レベッカ
M3:誘惑の影
M4:ロープ
M5:西部戦線異状なし
M6:グランドホテル
M7:第3の男
M8:市民ケーン
M9:白い恐怖
M10:嵐が丘

M11:怒りの葡萄
M12:地上最大のショウ
M13:哀愁
M14:ジェーン・エア
M15:黄色いリボン
M16:アフリカの女王
M17:日のあたる場所
M18:名犬ラッシー〜家路〜
M19:花嫁の父
M20:カサブランカ

M21:バグダットの海賊
M22:アラビアンナイト
M23:アリババと40人の盗賊
M24:宝島
M25:オペラの怪人
M26:ハムレット
M27:カルメン
M28:赤い河
M29:真昼の決闘
M30:キングコング

M31:ノートルダムのせむし男
M32:船乗りシンドバットの冒険
M33:バルカン超特急
M34:汚名
M35:太平洋戦争
M36:硫黄島の砂
M37:頭上の敵機
M38:嵐の三色旗〜二都物語〜
M39:クォ・ヴァディス
M40:アパッチ砦

M41:駅馬車
M42:荒野の決闘
M43:白昼の決闘
M44:若草物語
M45:ロビンフッドの冒険
M46:誰がために鐘は鳴る
M47:マルタの鷹
M48:三つ数えろ
M49:黄金
M50:郵便配達は二度ベルを鳴らす



D1:シャレード
D2:風と共に去りぬ
D3:赤ちゃん教育
D4:アラバマ物語
D5:三人の名付親
D6:仔鹿物語
D7:雨に唄えば
D8:キリマンジェロの雪
D9:雨の朝パリに死す
D10:オズの魔法使い

D11:オリバー・ツイスト
D12:コレヒドール戦記
D13:砂漠の鬼将軍
D14:素晴らしき哉、人生
D15:三銃士
D16:或る夜の出来事
D17:モロッコ
D18:イヴの総て
D19:わが谷は緑なりき
D20:フィラデルフィア物語

D21:片目のジャック
D22:恐喝(ゆすり)
D23:ガス燈
D24:自転車泥棒
D25:緑園の天使
D26:戦艦バウンティ号の叛乱
D27:巴里のアメリカ人
D28:紳士協定
D29:失われた週末
D30:椿姫

D31:アンナ・カレニナ
D32:サハラの戦車隊
D33:武器よさらば
D34:三人の妻への手紙
D35:我等の生涯の最良の年
D36:毒薬と老嬢
D37:黄金の腕
D38:サムソンとデリラ
D39:オール・ザ・キングスメン
D40:別離

D41:巨星ジーグフェルド
D42:ミニヴァー夫人
D43:邂逅(めぐりあい)
D44:欲望という名の電車
D45:ブロードウェイ・メロディー
D46:キング・ソロモン
D47:復讐の谷
D48:サンセット大通り
D49:我が道を往く
D50:黒水仙



K1:見知らぬ乗客
K2:地獄への道
K3:深夜の告白
K4:ベンガルの槍騎兵
K5:バターンを奪回せよ
K6:山羊座のもとに
K7:山河遥かなり
K8:ジャンヌ・ダーク
K9:三十四丁目の奇跡
K10:美女ありき

K11:拳銃無宿
K12:老兵は死なず
K13:黄昏
K14:群衆
K15:リオ・グランデの砦
K16:フライング・タイガー
K17:肉弾鬼中隊
K18:桑港(サンフランシスコ)
K19:西部の王者
K20:心の旅路

K21:フランケンシュタインの花嫁
K22:三人の狙撃者
K23:愛のアルバム
K24:奥様は魔女
K25:コロラド
K26:ネプラスカ魂
K27:無敵艦隊
K28:静かなる男
K29:海外特派員
K30:マクリントック

K31:スター誕生
K32:南部の人
K33:リトル・プリンセス
K34:ロイヤル・ウエディング
K35:雨の欲情
K36:痴人の愛
K37:悪魔をやっつけろ
K38:謎のストレンジャー
K39:凱旋門(完全版)
K40:悪魔のような女


G41:禁じられた遊び
G42:栄光何するものぞ
G43:シェーン
G44:地上(ここ)より永遠に
G45:私は告白する
G46:円卓の騎士
G47:百万長者と結婚する方法
G48:紳士は金髪がお好き
G49:ナイアガラ
G50:ローマの休日


水野晴郎のDVDで観る世界名作映画
DVD各巻¥500円

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「ルネ・クレール私見」伊丹万作

ルネ・クレール私見

伊丹万作




        前書

 ルネ・クレールに関する一文を求められたのであるが、由来クレールに関してはほとんどもう語り尽された観がある。しかし考えてみると私には別な見方がないでもない。それを書いて見ようというのであるが自分の仕事のことなどを考えると気恥ずかしくてクレール論などは書けないのがほんとうである。今日はひとつ批評家になつて書いてみようと思う。

        ルネ・クレールと喜劇

 ルネ・クレールについてまつたく何も知らない人から「ルネ・クレールとはどんな人だ」ときかれたならば、私は「非常に喜劇のうまい人だ」と答えるにちがいない。
 少しいい方を変えるならば、ルネ・クレールは私に喜劇を見せてくれるただ一人の映画芸術家だともいえる。
 正直な話、私のクレール観は以上でおしまいなのであるが、これでやめてしまつたのでは『キネマ旬報』の印刷所がひまで困るだろうから、もう少しルネ・クレールをもてあそんでみるが、それにつけても残念千万なのはルネ・クレールが日本の雑誌を読まないことである。

        ルネ・クレールとチャップリン

 ルネ・クレールとチャップリンとの比較はいろんな意味で興味がある。
 ルネ・クレールの喜劇の最も重大な意味は俳優の手から監督の手へ奪い取つたことにあるのだと私は考えている。
「ル・ミリオン」を見た時に私はそれを痛感した。こういう人に出てこられてはチャップリンももうおしまいだと。
 最後の喜劇俳優、チャップリン。最初の喜劇監督、ルネ・クレール。
 悲劇的要素で持つている喜劇俳優、チャップリン。喜劇だけで最高の椅子をかち得たクレール。
 ゲテ物、チャップリン。本場物、クレール。
 世界で一番頑迷なトーキー反対論者、(彼が明治維新に遭遇したら明治三十年ごろまでちよんまげをつけていたにちがいない)チャップリン。世界中で一番はやくトーキーを飼いならした人間、ルネ・クレール。
 感傷派代表、チャップリン。理知派代表、クレール。
 これでは勝負にならない。
 しかし、と諸君はいうだろう。チャップリンはいまだに世界で一番高価な映画を作つているではないか、と。だからしにせほどありがたいものはないというのだ。

        ルネ・クレールと諷刺

 ルネ・クレールの作品にはパリ下町ものの系列と諷刺ものの系列との二種あることは万人のひとしく認めるところである。
 そしてそれらの表現形式は下町ものの場合は比較的リアリズムの色彩を帯び、諷刺ものの場合は比較的象徴主義ないし様式主義的傾向を示すものと大体きまつているようである。
 しかして二つの系列のうちでは、諷刺もののほうをクレール自身も得意とするらしく、世間もまた、より高位に取り扱い、より問題視しているようである。事実、彼の仕事がパリ下町ものの系列以外に出なかつたならば、彼は一種の郷土詩人に終つたかもしれない。すなわち公平なところ、彼が一流の地位を獲得したのは一にその諷刺ものの系列によつてであると見てさしつかえなかろう。つまり喜劇によつてである。
 元来クレールの喜劇は諷刺あるがゆえに尊しとされているのである。
 しかし、少し物事を考えてみたら、いまさらこういうことをいうのははなはだ腑に落ちぬ話である。なぜならば、いまの世の中で諷刺のない喜劇などというものを人が喜んで見てくれるものかどうかを考えてみるがいい。
 つまり喜劇に諷刺があるのは、あるべきものがあるべきところにあるというだけの話で別にありがたがるにはおよばんではないかというのである。人を笑わせるだけのことならからだのどこかをくすぐつてもできるのである。芸術だの何だのという大仰な言葉を使つて人さわがせをするにはあたらないのである。問題は諷刺の有無ではない。問題は諷刺の質にある。諷刺の質を決定するものは何かといえば、それは思想にきまつている。ではクレールの思想は?

        クレールと思想

 最も面にしてかつ倒なる問題に逢着してしまつた。白状すると私にはクレールの思想はわからない。少なくともいままで私の見た彼の作品(日本にきたものは全部見たが。)をつうじては彼の思想はつかめない。彼は何ごともいわないのかあるいは彼にははつきりした思想がないのか、どちらかである。彼は世間のできごとを観察する。そして判断する。こういうことは愚劣だ。あるいはこつけいである。たとえばそれはこういうふうなこつけいに似ている。見たまえ。これが彼らの姿だ。そういつて彼は私たちにこつけいな画面を示す。そこで我々はそれを見て笑う。
 クレールのすることはそれだけである。
 これも思想だといえば思想なのであろう。なぜならば思想なしには判断もできないから。
 しかし、クレールの示したものよりもさらに愚劣なもの、さらにこつけいなものはいくらでもある。
 しかしクレールはあえてそれらを指摘しようとはしない。また、彼の指摘するところの愚劣やこつけいは何に原因しているのか、そしてそれらを取り除くにはどうすればいいのか、等々の問題については彼はいつこうに関心を示そうとしない。
 もしも思想というものが現われるものなら、それは彼の関心を示さない、これらの部分にこそその姿を現わすはずのものである。したがつて私は彼の思想をどう解釈していいかほとんど手がかりを発見することができないのである。
 私がいつかある場所において、クレールの作に現われているのは思想ではなくて趣味だといつたのはこのゆえである。
 あれだけ多量の諷刺を通じてなおかつその思想の一端に触れることができないような、そんな諷刺に人々はなぜあれほど大さわぎをするのであろうか。

        クレールの本質

 私たちがクレールにとてもかなわないと思うのは多くの場合その技巧と機知に対してである。
 クレールほどあざやかな技巧を持つており、クレールほど泉のように機知を湧かす映画作家を私は知らない。
 彼が最もすぐれた喜劇作者であるゆえんは一にこの技巧と機知にかかつている。
 彼が持つ精鋭なる武器、斬新なる技巧と鋭角的な機知をさげて立ち現われると我々はそれだけでまず圧倒されてしまう。
 技巧と機知を縦横に馳駆する絢爛たる知的遊戯、私はこれをルネ・クレールの本質と考える。

        クレールの個々の作品

 以上の本質論からいつて彼の技巧と機知が目も綾な喜劇を織り上げた場合に彼の作品は最も完璧な相貌を帯びてくる。
 たとえば「ル・ミリオン」である。「幽霊西へ行く」である。
「自由を我等に」「最後の億万長者」のほうを上位に置く人々は、彼の本質を知らぬ人であり、その諷刺を買いかぶつている人であろう。
「自由を我等に」は作の意図と形式との間に重大なる破綻があり、「最後の億万長者」の場合は思想のない諷刺のために息切れがしているのである。ことにあのラストのあたりはつまらぬ落語の下げのようで私の最も好まぬ作品である。作全体の手ざわりもガサツで、絶えずかんなくずの散らばつているオープン・セットを見ている感じが去らないで不愉快であつた。
 そこへ行くと「ル・ミリオン」「幽霊西へ行く」の二作は、彼が彼の本領に即して融通無碍に仕事をしているし、形式と内容がぴつたりと合致して寸分のすきもない。完璧なる作品という語に近い。
 なお彼の作品に現われた様式美についても論ずる価値があるが、これは別の機会に譲ろう。
(『キネマ旬報』昭和十一年六月二十一日号)












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2017年02月28日

2017年アカデミー賞受賞結果発表

第89回米国アカデミー賞が2017年2月26日開催
※★が受賞。
 http://www.elle.co.jp/culture/feature/cfe_oscar_award_winner_170227

●助演男優賞
★マハーシャラ・アリ 『ムーンライト』
ジェフ・ブリッジス 『最後の追跡』
ルーカス・ヘッジズ 『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
デヴ・パテル 『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』
マイケル・シャノン 『Nocturnal Animals(原題)』
●メイクアップ&ヘアスタイリング賞
 『幸せなひとりぼっち』
 『スター・トレック BEYOND』
★『スーサイド・スクワッド』
●衣装デザイン賞
 『マリアンヌ』
★『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』
 『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』
 『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』
『ラ・ラ・ランド』
●長編ドキュメンタリー賞
 『Fire at Sea(原題)』
 『I Am Not Your Negro(原題)』
 『Life, Animated(原題)』
★『O.J.: Made in America (原題)』
『13th−憲法修正第13条−』
●音響編集賞
★『メッセージ』
 『ハクソー・リッジ』
 『ラ・ラ・ランド』
 『バーニング・オーシャン』
『ハドソン川の奇跡』
●録音賞
 『メッセージ』
★『ハクソー・リッジ』
 『ラ・ラ・ランド』
 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』
『13時間 ベンガジの秘密の兵士』
●助演女優賞
★ヴィオラ・デイヴィス 『Fences(原題)』
ナオミ・ハリス 『ムーンライト』
ニコール・キッドマン 『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』
オクタヴィア・スペンサー 『Hidden Figures(原題)』
ミシェル・ウィリアムズ 『マンチェスター・バイ・ザ・シー』


●外国語映画賞
 『Land of Mine(原題)』(デンマーク)
 『幸せなひとりぼっち』(スウェーデン)
★『セールスマン』(イラン)
 『Tanna(原題)』(オーストラリア)
『Toni Erdmann(原題)』(ドイツ)
●短編アニメ賞
 『Blind Vaysha(原題)』
 『Borrowed Time(原題)』
 『Pear Cider and Cigarettes(原題)』
 『Pearl(原題)』
★『Piper(原題)』
●アニメ映画賞
 『Kubo and the Two Strings(原題)』
 『モアナ』
 『My Life as a Zucchini(原題)』
★『ズートピア』
『レッド・タートル ある島の物語』
●美術賞
 『メッセージ』
 『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』
 『ヘイル、シーザー!』
★『ラ・ラ・ランド』
『パッセンジャー』
●視覚効果賞
 『バーニング・オーシャン』
 『ドクター・ストレンジ』
★『ジャングル・ブック』
 『Kubo and the Two Strings(原題)』
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』
●編集賞
 『メッセージ』
★『ハクソー・リッジ』
 『ラ・ラ・ランド』
 『最後の追跡』
『ムーンライト』
●短編ドキュメンタリー賞
 『最期の祈り』
 『4.1 miles(原題)』
 『Joe's Violin(原題)』
 『Watani: My Homeland(原題)』
★『ホワイト・ヘルメット−シリアの民間防衛隊−』
●短編実写映画賞
 『Ennemis Interieurs(原題)』
 『La Femme et le TGV(原題)』
 『Silent Night(原題)』
★『Sing(原題)』
『Time Code(原題)』
●撮影賞
 『メッセージ』
★『ラ・ラ・ランド』
 『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』
 『ムーンライト』
『サイレンス〜沈黙〜』
●作曲賞
 『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』
★『ラ・ラ・ランド』
 『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』
 『ムーンライト』
『パッセンジャー』
●歌曲賞
“Audition (The Fools Who Dream)” 『ラ・ラ・ランド』
★“City Of Stars” 『ラ・ラ・ランド』
“Can't Stop The Feeling” 『Trolls(原題)』
“The Empty Chair” 『Jim: The James Foley Story(原題)』
“How Far I'll Go” 『モアナ』
●脚本賞
 『最後の追跡』
 『ラ・ラ・ランド』
 『ロブスター』
★『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
 『沈黙〜サイレンス』
『20th Century Women(原題)』
●脚色賞
 『メッセージ』
 『Fences(原題)』
 『Hidden Figures(原題)』
 『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』
★『ムーンライト』
  ●監督賞
ドゥニ・ヴィルヌーヴ 『メッセージ』
メル・ギブソン 『ハクソー・リッジ』
★デイミアン・チャゼル 『ラ・ラ・ランド』
バリー・ジェンキンス 『ムーンライト』
ケネス・ロナーガン 『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
●主演男優賞
★ケイシー・アフレック『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
アンドリュー・ガーフィールド 『ハクソー・リッジ』
ライアン・ゴズリング 『ラ・ラ・ランド』
デンゼル・ワシントン  『Fences(原題)』
ヴィゴ・モーテンセン 『はじまりへの旅』
●主演女優賞
イザベル・ユペール 『Elle(原題)』
ルース・ネッガ 『ラビング 愛という名前のふたり』
ナタリー・ポートマン 『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』
★エマ・ストーン 『ラ・ラ・ランド』
メリル・ストリープ 『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』
posted by koinu at 11:34| 東京 ☁| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月27日

映画『たかが世界の終わり』

ジャン=リュック・ラガルスの戯曲『まさに世界の終り』を原作としたフランス・カナダ映画。鬼才グザヴィエ・ドラン監督・脚本・編集作品。


自らの死を家族へ伝えるために、帰郷する人気作家。12年ぶりの再会を祝う感動的な団欒ではなかった。現実に彼を待っていたのは、彼らが全力でぶつけ合う感情。怒りも憎しみも悲しみも、そのすべてが愛だと気付く時、絶望の中にこそ希望があると知る。

ギャスパー・ウリエル、ナタリー・バイ、マリオン・コティヤール、レア・セドゥ、ヴァンサン・カッセルらが出演。


posted by koinu at 13:16| 東京 ☀| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』


ウォール街のエリート銀行員ディヴィスは順調に出世して、リッチで何不自由のない生活をしていた。ある日、交通事故で美貌の妻が他界するが、涙を流せず、感覚を失っていることに気付く。彼は義父の言葉をきっかけに、身近なものを壊し始めるのだった。
posted by koinu at 00:00| 東京 ☀| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月25日

短編映画『合唱』ノミネート中

“Sing (Mindenki)”(ハンガリー/25分) 監督:クリストフ・ディーク(Kristof Deák)

物語:1990年代のブダペスト。10歳の少女Jutkaが転校してくる。彼女は、たくさんの賞を受賞している合唱団に入るが、彼らの名声の陰には醜い秘密があることを知る。実話に基づく物語。
https://antenna.jp/news/detail/3669980/
 リール・ヨーロッパ映画祭2016出品。
 Friss Hús国際短編映画祭2016出品。
 TIFF Kids 国際映画祭2016出品。
 ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2016出品。
 札幌国際短編映画祭2016出品。最優秀子役賞受賞(ドワカ・ガスパーラヴィ、ドロッティア・ハイス)。

posted by koinu at 13:20| 東京 ☀| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月14日

映画『マシュー・ボーンの「眠れる森の美女」』

マシュー・ボーン (Matthew Bourne, OBE, 1960年1月13日 - )
 イギリスのコンテンポラリー・ダンス演出・振付家。


ミュージカルとダンスの境界に位置する作品を1980年代後半より生み出している。
バレエの古典作品に新解釈を加えた作品もあり、“報われない愛” をテーマに扱うことが多い。
友人らと共にコンテンポラリー舞踊団 「アドヴェンチャーズ・イン・モーション・ピクチャーズ」 を設立。
1992年にクラシック・バレエの「くるみ割り人形」をモダンに解釈した作品を発表、
その後、男性ダンサーを中心にした新解釈の「白鳥の湖」で広く注目される
posted by koinu at 10:00| 東京 ☀| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月02日

「巨匠スコセッシ“沈黙”に挑む〜よみがえる遠藤周作の世界〜」

巨匠マーティン・スコセッシが「沈黙」の映画化へ挑んだ。
「神は本当にいるのか。もし神がいなければ、幾つも幾つも海を横切り、この小さな不毛の島に一粒の種を持ち運んできた自分の半生は滑稽だった。」「神は自分が苦しむ姿を見ながら、何故沈黙を続けるのか」遠藤周作



スコセッシ監督、渾身の映像演出ドキュメント。NHK BS1で今夜放送。
http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/2443/2552354/index.html
2017年1月2日(月)  午後9時00分
2017年1月7日(土) 午後7:00〜午後8:50
番組内容巨匠スコセッシ監督が遠藤周作の名作「沈黙」を映画化。
メイキング映像や監督や主演アンドリュー・ガーフィールドなどの話を交え、28年間に及んだ制作の舞台裏に迫る!
【出演】映画監督…マーティン・スコセッシ,俳優…アンドリュー・ガーフィールド,
【リポーター】映画監督・俳優…塚本晋也,【語り】武内陶子
posted by koinu at 15:08| 東京 ☀| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする