2025年04月14日

コッポラ監督、夢の企画映画「メガロポリス」

フランシス・フォード・コッポラ監督が、1980年代より温めてきた夢の企画を、12000万ドル(約186億円)もの私財を投入して作り上げた映画「メガロポリス」が、2025620日より劇場公開されることが決まった。


「メガロポリス」の舞台は21世紀。アメリカをローマ帝国に見立てたニューローマでは、享楽にふける富裕層と苦しい生活を強いられる貧困層の激しい格差が、社会問題化していた。新都市メガロポリスの開発を進める天才建築家のカエサル・カティリナ(アダム・ドライバー)と、財政難の中で利権に固執する市長のフランクリン・キケロ(ジャンカルロ・エスポジート)は、真正面から対立する。また一族の策謀にも巻き込まれ、カエサルは絶体絶命の危機に直面する。

コッポラ監督は、幼少期に見たH.G.ウェルズ原作の映画「来るべき世界」から着想を得て、1980年代より脚本を構想。2001年にはニューヨークで台本読み合わせを実施したが、同時多発テロによって企画は中断した。2007年には支援も途絶え、一度は断念の危機に立たされたが、約300回にも及ぶ脚本の書き直しをへて、自身のワイナリーの一部を手放して作った私財12000万ドル(約186億円)を投じ、映画製作を再始動させた。

【予告編】

https://youtu.be/z3XllQF8KkY


古代ローマの叙事詩を現代のアメリカと重ね合わせたことについて、コッポラ監督は「アメリカが共和制ローマの再来であることは明らかだ。ニューヨークに行けば、ローマ時代の建物で埋め尽くされていることに気づかされるだろう。私の意図は、古代ローマを模倣した現代のニューヨークを舞台にしたローマ叙事詩を書くことだった」と語っている。

天才建築家の主人公・カエサル・カティリナを演じるのはアダム・ドライバー。カエサルと対立する新市長フランクリン・キケロ役をジャンカルロ・エスポジートが務めている。キケロの娘・ジュリアをナタリー・エマニュエルが演じるほか、オーブリー・プラザ、シャイア・ラブーフ、ジョン・ ヴォイト、ローレンス・フィッシュバーン、タリア・シャイア、ジェイソン・シュワルツマン、ダスティン・ホフマンらが脇を固めている。


映画メガロポリス
2025
620日(金)IMAXR他全国劇場にて公開
配給:ハーク、松竹

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「アパートの鍵貸します」NHK BSでOA、 出世のため部屋を貸すサラリーマンのロマコメ。シャーリー・マクレーン主演映画。

米ニューヨークにある保険会社で働く独身社員・バクスターを主人公にしたロマンティックコメディ。バクスターは情事の場所として自室を上司に貸し出し、出世の足がかりにしていた。ところが上司の愛人が、バクスターの片思い相手だったということがわかる。

ジャック・レモン、シャーリー・マクレーン、フレッド・マクマレイが出演。「昼下りの情事」「お熱いのがお好き」でもコンビを組んだビリー・ワイルダーとI・A・L・ダイアモンドが再び手を取った。
製作・監督をワイルダーが担い、脚本をワイルダーとダイアモンドが執筆している。第33回アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、美術賞を獲得した。

プレミアムシネマ「アパートの鍵貸します」
NHK BS 2025年4月16日(水)13:00〜15:06

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2025年04月04日

押山清高監督の短編アニメーション『赤のキオク』YouTube公開

押山清高が監督を務めた完全オリジナル短編アニメーション『赤のキオク』がYouTubeで公開された。 

福島県の今と魅力を詰め込んだ総合情報誌『ふくしままっぷ』を、多くの人へ届けるために202412月に発足した「ふくしままっぷ友の会」の特別企画として誕生。

327日(木)の公開直後から話題を呼び、41日(火)の時点で再生数は260万回を突破している。

https://search.app/AWDxSunqUDddsk926

posted by koinu at 10:00| 東京 ☀| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

映画『けものがいる』

近未来、人間は〈感情の消去〉を余儀なくされていた− 100年以上の時を超え、転生する女と男の愛と運命をスリリングに描く。


2044年、AI中心の社会において人間の感情は不要とされ、重要な仕事を得るためには感情を消去しなければならなかった。孤独な女性ガブリエルは感情の消去に疑問を抱きながらも、仕事に就くため消去を決意する。彼女は、前世のトラウマを形成した1910年と2014年へさかのぼり、それぞれの時代でルイという青年に出会うが……


映画『けものがいる』予告編】

https://youtu.be/Ld2JvFC3kv0?si=RcQXrGZhnntN6eNg


SAINT LAURENT サンローラン」のベルトラン・ボネロ監督が、イギリスの小説家ヘンリー・ジェームズの中編「密林の獣」を大胆に翻案。近未来をクールに映像化した2044年、35ミリフィルムで撮影した1910年、実際の事件に着想を得た2014年と、異なるコンセプトの3つの世界観で描きだす。レア・セドゥがガブリエル、ジョージ・マッケイがルイを演じ、グザビエ・ドランが共同プロデュースおよび声の出演。2023年・第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。「横浜フランス映画祭2024」では「けもの」のタイトルで上映された。


監督・脚本・音楽

:ベルトラン・ボネロ『SAINT LAURENT/サンローラン』 

共同プロデューサー

:グザヴィエ・ドラン

出演

:レア・セドゥ『デューン 砂の惑星 PART2』、ジョージ・マッケイ『1917 命をかけた伝令』、 ガスラジー・マランダ『サントメール ある被告』、グザヴィエ・ドラン(声) 『マティアス&マキシム』

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2025年03月30日

『ダイナマイトどんどん』岡本喜八監督

『ダイナマイトどんどん』大映

配給 東映 公開1978107日 上映時間142

タイトルは、主人公菅原文太が率いる岡源ダイナマイツの掛け声(「ダイナマイトー!」「どんどーん!」)より。


【ストーリー】Wikipedia

舞台は昭和25年。終戦直後、米軍占領下の北九州・小倉。エスカレートする岡源組と橋伝組のヤクザ抗争を解決するため、警察署長の提案で抗争に代えてヤクザ対抗野球大会が(平和的に)開かれることになる。主人公、岡源組の加助は、橋伝組の攻撃を頭を使って抑えるが、痺れを切らした橋伝組は、秘密兵器の銀次を登板させる。彼は女がらみで指を詰めさせられヤクザになった投手であり、彼の投げる魔球に一転岡源組は苦戦を強いられる。

【スタッフ】

製作総指揮:徳間康快

監督:岡本喜八

製作:俊藤浩滋、武田敦

原案:火野葦平『新遊侠伝』

脚本:井手雅人、古田求

企画:佐藤正大

撮影:村井博

音楽:佐藤勝

美術:竹中和雄

録音:田中信行

編集:阿良木佳弘

照明:今泉千仭

助監督:白山一城

記録:梶山弘子

効果:岩藤龍三

製作担当:水野洋介

殺陣:宇仁貫三、伊奈貫太

現像:東映化学

【キャスト】

菅原文太:遠賀川の加助

宮下順子:お仙

北大路欣也:橘銀次

嵐寛寿郎:岡谷源蔵

金子信雄:橋本伝次郎

岸田森:花巻修

中谷一郎:香取祐一

フランキー堺:五味徳右衛門

小島秀哉:留吉

石橋正次:吹原

丹古母鬼馬二:鬼熊

福崎和宏:一六

下馬二五七:百武

鳥巣哲生:牧瀬

兼松隆:陣内

志賀勝:南里

吉中正一:辻

田中邦衛:芦刈の作蔵

赤穂善計:合田

尼子狂児:津上

妹尾琢磨:血桜

鴨てんし:相馬

二瓶正也:犬飼

伊吹新太郎:真崎

大木正司:猿渡

藤岡琢也:岩崎警察署長

大前均:中谷巡査部長

草野大悟:藤崎

長谷川弘:小林部長

伊佐山ひろ子:きん子

桜町弘子:千代竜

小林真美:君春

立枝歩:のり子

岡本麗:特飲街の女郎

ケーシー高峰:和田山の繁蔵

ジャック・デービス:米軍司令官

岡部耕太:賭博屋


製作

【企画】

豊島師範学校時代に野球に打ち込み、後に高校野球部のコーチまで務めた脚本家の井手雅人が、自身が所属していた新東宝の1951年の映画『新遊侠伝』(火野葦平原作・佐伯清監督)の劇中、やくざが野球の試合に目の色を変えるというプロットだけが心に種を残し、静かに醗酵、1975年頃から岡本喜八のための作品を考えていて、この発想と岡本の演出の特徴が重なり、映画のイメージを膨らませた。このため火野葦平が原案としてクレジットされている。井手にとっては25年越しの企画であった。

脚本執筆前のプロット段階だった1975年頃、井手が主役にイメージした菅原文太に人を介して会い映画化を交渉。

ヤクザが野球に取り組む話で、「指を詰めたヤクザが金田正一でも投げられないような魔球を投げる」といったエピソードを話すと菅原は新しい任侠映画になり得ると「そりゃ面白いから是非、やらせてもらいたい」と快諾し、菅原が東映に企画を持ち込んだが、岡田茂東映社長の知らない間に企画部がこれを流した。

【脚本】

即、映画化はならず、製作が決定しない間に、井手は同郷の監督志望である若い古田求を誘い脚本の共作を始めた。終戦直後に北九州でヤクザ同士が野球をやったというのは実話で、火野葦平はそれをネタに『新遊侠伝』を書いたとされているが、本作の脚本は、やくざが野球の試合で決着を付けるというプロットを拝借しただけで、全体はほぼオリジナル脚本である。

古田求は井手から参考にと長谷川伸の戯曲集を渡された。これに様々なやくざの心理や行動のエキスがいっぱい詰まっており、主人公・遠賀川の加助の人物像は、『沓掛時次郎』の時次郎と『雪の渡り鳥』の鯉名の銀平、さらに『関の弥太っぺ』の箱田の森介を参考に造形した。また橘銀次は『暗闇の丑松』を参考に、お仙はひたすら「いい女」、男の郷愁を誘うような女をイメージした。

映画の舞台は北九州だが、古田がイメージしたのは、古田の子どもの頃、1950年代の佐賀。古田の実家は割烹料理屋で、祖父は侠客気質があり、子どもの頃にヤクザ同士の刃傷沙汰を見たことがあった。野球の試合もやはり子どもの頃に見た佐賀商業対龍谷高校のイメージ。

こうした幼少期の記憶に甦る佐賀の人たちと長谷川伸の作品の登場人物を合わせて人物を造形した。古田が古湯温泉で脚本の第一稿が書き上げたのは発想後から二年経った1977年夏。第一稿を読んだ井手は「長谷川先生、ありがとうございました」とおどけて頭を下げた。

【製作の決定】

第一稿を読んだ菅原が「想像した以上に面白い。是非やろうじゃないか。どこで撮るんだ」という話になり、古田と同じ飲み屋の常連だった大映の佐藤正大が古田からこの話を聞いていて、徳間康快大映社長と武田敦に報告し大映で撮ろうとなった。

しかし菅原は東映の専属俳優のため、勝手に大映の映画に出演できない。このため、菅原が当時はフリーのプロデューサーで、一応東映のゼネラルマネージャーという肩書だった俊藤浩滋にプロデューサー担当を頼み、徳間大映社長と岡田茂東映社長とで話し合いが持たれ、大映で製作、東映で配給が決まった。

監督の岡本喜八も最初からの構想で、菅原も「かねがね一度機会があれば組んでみたいと思っていた」と賛成した。


1978727日、後楽園ホールで製作発表会見。同所で会見が行われたのは、これに先立ち、朝9時から後楽園球場で東京映画記者会とスタッフ・役者チームが野球の親善試合を行ったためで、北大路欣也の欠場が響き、記者会チームが222と圧勝した。

会見には、徳間大映社長、岡田東映社長、俊藤プロデューサー、岡本監督、菅原、フランキー堺、金子信雄、宮下順子、小島秀哉らが出席。徳間大映社長は「本作を再スタート大映映画第一弾として製作する」と述べ、「大映の内部整理に一年かかったが、今年からドンドン製作を進める。今はこれだけ野球に人気が集まっているんだから、この映画だって絶対当たる」と強気の発言。これに対して岡田東映社長は「ウチで作るという話もあったが...」と煮え切らない態度。

岡本監督は「昔の愚連隊タッチで大真面目な喜劇を作りたい」と静かな闘志を燃やし、菅原は「脚本を読んで傑作だと直感した。健さんと勝負や」とぶち上げた。封切りを高倉健主演の角川映画『野性の証明』と同じ、1978107日にぶつけると発表した。東映は本作『ダイナマイトどんどん』を主力劇場で、『野性の証明』を東映洋画系で公開するため、どちらに転んでも損はしない。


【スポーツ映画】

アメリカでは『がんばれ!ベアーズ』や『ロンゲスト・ヤード』『スラップ・ショット』など、スポーツを素材にした映画がたくさん作られ、『ロッキー』のような大ヒット映画も生まれたが、日本では映画黄金期の1960年代までは作られていたスポーツ映画も1977年の『ドカベン』『野球狂の詩』『ボクサー』と全て興行が失敗し、定着しないジャンルと見られていた。

スポーツ映画は特に東映の岡田社長が新路線開拓にしたいと1976年に『ラグビー野郎』を製作したが、大コケに終わった。しかし東映はこのスポーツ映画を何とかヒットさせたいという企図があり、1977年に日本で撮影が行われた『がんばれ!ベアーズ 大旋風』(『がんばれ!ベアーズ大旋風 -日本遠征-』)も東映が受注し、菅原の持ち込み企画だった『ボクサー』の製作を決めたのもスポーツ映画をヒットさせて路線化できないかと考えたことが理由の一つだった。

本作も岡本監督自ら「平たく言えば『がんばれ!ベアーズ』のやくざ版、任侠映画の大パロディ映画」、菅原は「これまでのどんな映画ジャンルにもないユニークな作品になる」などと述べ、プレスシートにも「単なるスポーツ映画ではなく、ルールを超えて男の意地をぶっつけ合う面白さは、評判を呼んだ『ロンゲスト・ヤード』『スラップ・ショット』等に比肩される、折りからの野球ブームも、近年まれな大きい期待が集まっている一篇」などとアメリカのスポーツ映画と比較する論調が多かった。当時はまだヤクザ映画のパロディはあまり作られていなかった。


【キャスティング】

主役は脚本段階からイメージに浮かべた菅原文太。菅原は「今まで読んだ脚本の中では『仁義なき戦い』や『人斬り与太』にも勝るとも劣らない傑作」と熱を入れた。その他主要キャストは喜八映画の常連と東映任侠映画の面々で固められた。

【撮影】

19787月末クランクイン。野球の試合のシーンは夏の後半、多摩川土手で行われた。菅原は野球経験者でなかなかの腕前。当然吹き替えなしで撮影も行われた。

【製作費】

5億円強とするものと、6億円とするものがある。

【興行・宣伝】

1978年の映画興行は『スター・ウォーズ』が予想以上のヒットにはならず、洋画の下半期に強力作品がなかったことから、ナリを潜めていた邦画界の逆襲が期待された。特に10月興行は、本作の他、東映、日本ヘラルド共同配給『野性の証明』、松竹『皇帝のいない八月』(107日から『鬼畜』)、東宝『聖職の碑』と全作品を現役、元東映俳優が主演を務めるという珍しい興行争いとなった。菅原は前年の秋に自身が企画して主演した『ボクサー』が配収3億円と同時期公開された角川映画『人間の証明』配収25億円とボロ負けし、一年経ってまた角川と戦うことになり、角川の物量宣伝作戦に背に腹は代えられず。菅原は常々「映画で食えるうちは、テレビの世話になりたくない。もちろんCMはすべて断る。オレは映画俳優だ」と公言していたが、『野性の証明』が書籍も合わせると10億円の宣伝費を使うと聞き、ヘタをするとかすんでしまうという危機感から、何としても『ダイナマイトどんどん』をヒットさせたいと、チオビタ(大鵬薬品工業)のCMにノーギャラで出演した。その代わりにCM中に「ダイナマイトどんどん!」と映画のタイトルを宣伝するという条件を付けた。

菅原は「角川さんだとか、そういう異質な人がね、映画界に殴り込んで来て、その人たちがいままでにない規模で物量を投入しはじめて、今のテレビを主体にした宣伝時代にぴたっとしたもんですから、それなりに成功を収めた。ひとつのプログラムとして映画館に毎週毎週提供していたところへ、異質な形態で入って来た人たちにかき回されて周章狼狽しちゃって、活動屋はみんな右へ倣えしていますね。時代がそうなんだからそれでいいという考えもあるし、しかしやっぱりそれだけじゃ面白くない。映画っていうのは本来、映画館の片隅の暗がりで、青春の憂さの吐けどころといったものが基調にならなければいけないという考え方もある。ボクがそれで来たものだから、今の傾向には多少反発もあるし、ボクはボク流のやり方でそういうものに斬り込んでいくしかない。しんどいですけど。ボクは前売り券が出るような映画には出たくないんですよ。今回も『犬笛』もやむを得ず前売り券を出していますけど、映画というのは長い目で見れば、やっぱりキッチリ作って、もちろんそれなりの宣伝は必要なんですけど、それ以上にお客さんが自分の嗅覚で嗅ぎとって劇場へ観に来て下さるというのが一番まともなんじゃないですかね。だから巨額の宣伝費をかけたり、前売り券を何十万枚も売るなんていうのは、そうそう続かないと思うんです。お客さんも前売り券を買ったから見に行くんじゃなくて、新聞を見るなりして自分の見たい映画をセレクトして見に来てくれるということじゃないと、映画は面白くならないし、ボクはそういうものに流されないでいこうと思っています」などと角川映画を批判した。

【作品の評価】

【興行成績】

期待された邦画秋の大作攻勢は意外に伸び悩み、それぞれの思惑を大きく下廻る結果となった。曲りなりにも成功したといえるのは『野性の証明』だけであったが、これも、前作の『人間の証明』より映画的スケール、知名度は上回ったものの、同じ原作者、同じスタッフによる映画化で観客の食いつきが鈍く、一年以上のパブリシティ、様々な話題作りを積み重ねた結果が予想した30億円をはるかに下回った。

『皇帝のいない八月』はプラマイ0。『鬼畜』も作品の評価は上々だったが興行的には成功に至らず、『聖職の碑』は7週間番組を予定していたが急遽5週間で打ち切られた。最も苦しい興行となったのが本作で、配収は4億円強と予想された。これらの理由として映画人口が増えてないため、夏に観客を大量動員すると、その反動で他のシーズンに影響が出るのではと分析された。

1978年の大作一本立て興行で大成功したのは『柳生一族の陰謀』(東映)と『女王蜂』(東宝)の二本だけで、無闇な一本立ては映画界にとってプラスの方向に向かっていないという論調も出た。夏に出た『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』と『キタキツネ物語』によって勢いをつけてきた邦画が秋の大作攻勢によって邦・洋の比率を引っくり返すのではないかと期待されたが、最終的に洋画55:邦画45に終わり、逆転には至らなかった。


【作品評】

木崎徹郎は「企画に現代が感じられないという一言に尽きる。いくらいい作品が出来ても、その前段階の企画でセールスポイントを定め、多面的なパブリシティを展開させなければ現代にマッチする映画作りは難しい。『ダイナマイトどんどん』は、企画の段階で興行・宣伝分野を見通せなかった典型例といってしまっては厳しすぎるだろうか。資金面でも背水の陣を敷いて取り組んだだけに、この秋に出た作品の中でもっとも大きな痛手を被った一本だ。『ダイナマイトどんどん』のようにたった一回の失敗によって再起不能あるいは再起するまでに相当な時間がかかるようなケースに陥ってしまうものが来年はもっとたくさん出てくることは想像に難くない」と評した。

山根貞男は「やくざが野球で抗争のカタをつける話、と聞いたときには、かなりげんなりした。アチャラカ仕立ての喜劇を予想したのだ。が、予想は見事にはずれた。『ダイナマイトどんどん』は堂々と痛快な映画だ。どのシーンもどの人物も、ぴちぴちと弾んでいる。欲をいえば、野球シーンが少し長すぎるだろうか。しかしそれとて、練ったアイデアの連発で、決してたるんではいない。東映ヤクザ映画の諸要素をこと細かに転倒させている。この映画が東映ヤクザ映画の圏外で作られたからこそ、あっけらかんと爆笑でもって生み出されたに違いない。東映スターの菅原文太・北大路欣也が狂言回しに過ぎず、そのことに徹しているゆえに魅力的だ。いっぽう、東映ヤクザ映画と無縁な役者が痛快な芝居を見せる。いやそれ以上に、やはりここは岡本喜八の世界だ。任侠も暴力もロマンも時代背景も、すべてゲームと見る視点である。人間のあるがままの姿をそのままゲーム性において見るアナーキーな遊戯精神、といってもいい。その精神が映画の遊戯性をよく発揮させている。それにしても気になるのは、これが大作主義的に作られていることだ。並みの作品においてこの映画ほどの活力を示すことが出来ないのだとしたら、大衆映画の力は衰えているといわねばならない」などと評した。

【受賞歴】

52回キネマ旬報ベスト・テン7

映画芸術1978年度ベストテン6

20回ブルーリボン賞助演女優賞(宮下順子)

【逸話】

同日公開の『野生の証明』に完敗したことから、徳間康快が角川春樹をチンピラ呼ばわりして物議を醸した。

【同時上映】

『ギャンブル一家 チト度が過ぎる』

主演:清川虹子 / 監督:臼坂礼次郎

Wikipedia》より


【予告編】

https://youtu.be/FMbn6zuI3sI?si=TzgrC4PMvWl7G4Ib


BS放送】

喧嘩好きの荒くれヤクザたちが、暴力抗争のかわりに野球で勝負をつける痛快娯楽作。菅原文太、北大路欣也出演。岡本喜八監督ノーカット放送


ヤクザが野球で縄張り争い!?

菅原文太主演のもと、実生活で草野球投手の北大路欣也、チームオーナーのフランキー堺等々、野球に一家言ある俳優が集結!ダボシャツに花札の背番号など、ユニフォームも見どころ。

昭和25年、北九州一円ではヤクザ組織の抗争がエスカレート。小倉では昔かたぎの岡谷源蔵の岡源組と新興ヤクザ橋伝組がしのぎを削っていた。小倉警察署長はGHQの勧めで抗争を解決するため野球大会を提案する。

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2025年03月28日

<コラム 筆洗>今年の米アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞に選ばれた映画

今年の米アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞に選ばれた映画『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』を見たパレスチナ自治区ヨルダン川西岸の人々のイスラエルへの抵抗が主題。軍事施設整備を名目にパレスチナ人の村の家を重機で壊すイスラエル軍が無慈悲に映る。西岸はわれらの地と信ずるユダヤ人入植者が村を襲う場面は目を覆いたくなるイスラエルの行為を映像に記録するパレスチナ人青年にイスラエル人記者が協力する話でイスラエルの2人、パレスチナの2人が共同監督を務めたが、親イスラエルの米国の賞をよく取ったものだと思うパレスチナの監督の1人が映画の舞台である自分の村でユダヤ人入植者に暴行され、イスラエル軍に連行されたと報じられた。近所への襲撃を撮影後に帰宅すると兵とともに入植者が現れ、暴行が始まったという。監督は釈放されたが、基地で24時間拘束されたと訴えるイスラエルは監督が他のパレスチナ人と一緒に投石したと主張し、監督は否定している。いずれにせよ、暴力が幅を利かす現実に映画の続きを見るよう。憂鬱(ゆううつ)になる水一滴ではダメでも、しずくが続けば変わる−。現実にくじけそうになりながら映像を撮り続けたパレスチナ人青年が、そんなことを語る場面が映画にあった。しずくとは私たち一人一人のかの地への関心だろう。知らぬふりはできない。

【東京新聞】筆洗い428日より


『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』予告編 https://youtu.be/ULqP4e3W7D0?si=1fxjn8WQ0p9BWiAe


関連記事

「クジャクのダンス、誰が見た?」最終話で、クジャクのダンスを見てしまう。零画報

http://zerogahou.cocolog-nifty.com/blog/2025/03/post-83a207.html

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2025年03月27日

グローバルヒットメーカー ジャパンアニメの革新者たち[字]

327()  20:0021:00 NHK BS

 

番組概要

快進撃のジャパンアニメ。グローバルヒットの立役者が舞台裏を語る。ビジネスと創造の両立、アニメ界の未来を占う。「ルックバック」押山監督の新作、驚異の制作術は必見。

 

番組内容

グローバルヒットを記録したアニメ映画「ルックバック」。

監督の押山清高は宮崎駿や庵野秀明といった名監督の作品を支えた逸材。今回、新作の制作現場にカメラが潜入。何役もこなす驚異の作品づくりは必見。さらに!米国アカデミー賞にノミネート「あめだま」の制作秘話&海外で話題のアニメスタジオMAPPAの代表と実力派監督が本音で語る。ハリウッドの有識者や世界的なレジェンドも登場。アニメ界の今と未来が見えてくる。


https://search.app/q2bA19GgA5yoGhEQA


628日公開 劇場アニメ「ルックバック」藤本タツキが放つ青春物語が劇場アニメ化! 

原作:藤本タツキ「ルックバック」(集英社ジャンプコミックス刊)監督・脚本・キャラクターデザイン:押山清高 

https://search.app/JdMynQZVPkjGwWhe8


●アニメーションの特異性をドキュメントする番組。

「普通はそこまでは、ヤンないわぁねー」

ということが、動作やリアクションでも追求できる。ドラマや実写で要求したら、ノイローゼになるレベルを分担作業して生まれる。

イメージをとことん探求が、不可能ではないことに気がついているスタッフは、少なかったりもする。

現在のアニメ制作について、よく取材をされてる番組でした。

ディズニーのようなフルアニメではなくても、リミテッドアニメの技法でリアルに描写される演出を進化させた。

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2025年03月17日

〈手塚治虫マイベスト10〉

〈手塚治虫マイベスト10

10位「ジャンピング」
9
位「ジャングル大帝」
8
位「海のトリトン」
7
位「鉄腕アトム」
6
位「どろろ」
5
位「リボンの騎士」
4
位「ブラックジャック」
3
位「悟空の大冒険」
2
位「哀しみのベラドンナ」
1
位「千夜一夜物語」

https://search.app/puDTG2cXEUSVSzEHA


日本におけるリミテッドアニメの探求歴史ともいえる。虫プロのアニメがなければ、現在のようなジャパニメーションもあり得なかった。

「マンガは本妻であり、アニメは愛人であった」と正直さは、分かりやすい。

手塚アニメに対して、批判することは容易いが、「ガンダム」のように遺伝子を発展させてきた流れがあることを知る自分は簡単な分析は避けたい。

アニメラマとジャンピングの発想は、唯一無比なもんでした。


一般的な〈手塚治虫マイベスト10

10位「ユニコ」
9
位「三つ目が通る」
8
位「海のトリトン」
7
位「不思議なメルモ」
6
位「どろろ」
5
位「リボンの騎士」
4
位「火の鳥」
3
位「ジャングル大帝」
2
位「鉄腕アトム」
1
位「ブラックジャック」

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2025年03月10日

映画『知らないカノジョ』

恋に落ちてから8年、ケンカした翌朝、二人の出会わなかった世界が始まった。愛はifに試される、最高のファンタジック・ラブストーリー 

【予告編】

https://youtu.be/nG6E3x0lRfg?si=-2_x-MyDl-jaMIb9

中島健人 milet 監督:三木孝浩 


【ストーリー】

大学時代に出会い、お互い一目惚れして結婚した<リク>と<ミナミ>。それから8年、小説家を目指していたリクは、歌手の夢を諦めたミナミのサポートのかいもあり、一気に人気のベストセラー作家となった。

全てがうまくいっている、そう思っていたリクだったが、ある朝目を覚ますとミナミの姿はなく、出版社に打ち合わせに行くも出会う人々と全く話がかみ合わないことに戸惑いを覚える。

なんと人気作家だったはずの自分は文芸誌のいち編集部員になっており、街には天才シンガーソングライターとして活躍する、

自分とは知り合ってもいない前園ミナミの姿と曲が溢れていた――。


原作:『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』(原題:Mon Inconnue)(ユーゴ・ジェラン監督/2021年)

配給:ギャガ

公式サイト:gaga.ne.jp/shiranaikanojo

公式X https://x.com/shiranai...

公式Instagram  

 / shiranai_kanojo  

c2025『知らないカノジョ』製作委員会

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2025年03月08日

映画『知らないカノジョ』

恋に落ちてから8年、ケンカした翌朝、二人の出会わなかった世界が始まった。愛はifに試される、最高のファンタジック・ラブストーリー 

【予告編】

https://youtu.be/nG6E3x0lRfg?si=-2_x-MyDl-jaMIb9

中島健人 milet 監督:三木孝浩 


【ストーリー】

大学時代に出会い、お互い一目惚れして結婚した<リク>と<ミナミ>。それから8年、小説家を目指していたリクは、歌手の夢を諦めたミナミのサポートのかいもあり、一気に人気のベストセラー作家となった。

全てがうまくいっている、そう思っていたリクだったが、ある朝目を覚ますとミナミの姿はなく、出版社に打ち合わせに行くも出会う人々と全く話がかみ合わないことに戸惑いを覚える。

なんと人気作家だったはずの自分は文芸誌のいち編集部員になっており、街には天才シンガーソングライターとして活躍する、

自分とは知り合ってもいない前園ミナミの姿と曲が溢れていた――。


原作:『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』(原題:Mon Inconnue)(ユーゴ・ジェラン監督/2021年)

配給:ギャガ

公式サイト:gaga.ne.jp/shiranaikanojo

公式X https://x.com/shiranai...

公式Instagram  

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2025年03月05日

幽閉者 テロリスト(2007)足立正生34年ぶりの監督映画

【あらすじ】

空港襲撃作戦メンバーのは、林檎の木の下で、ゲリラ基地の仲間たちと肩を抱き合い別れを告げる。

Mは仲間とともにオリオンの三ッ星になることを誓って自爆攻撃を決行した。空港襲撃作戦は成功したが、Mの手榴弾だけが不発となる。

仲間は自決して地獄の現実に、ひとりMだけが取り残されてしまった。捕らえられたMを保安隊員たちが襲う。死に損ねた悔しさに、死を望むMだが、保安情報部の中尉らは精神的、肉体的に痛めつけ、次の作戦計画を吐かせようとしていた。

『なぜだ! なぜ俺だけ生き残ってしまったんだ!』

独房の中のMは、悔しさに叫び続ける。

『殺せ、殺せ、殺してくれ!』

軍事法廷にかけられる。

「弁護は不要、自ら死刑を望む」「俺たちは自爆してオリオンの三ッ星になるはずだった!」とMは叫ぶ。

しかし彼に下された判決は、無期刑だった。

次の作戦計画を自供すれば、死を許すという保安隊員らの言葉を信じて、Mは自白してしまう。

そして渡されたピストルをこめかみにつけ、息を飲み自決した二人の後を追おうとする。だがピストルに、銃弾は込められていなかった。

俺はいつもすぐに信用してしまうんだ。自分の愚かさを責める。犬のように飼育され、人体実験の注射が繰り返される。

独房、水攻め、糞尿地獄。彼らは、それを豚の飼育と呼んだ。独房に次々と訪れるMの破壊者たち。破壊することを楽しむ彼らに、狂気を装って抵抗する。ポツンポツンと真っ暗な狭い箱の中で、水滴の拷問が繰り返される。それが次第に脳をかち割る轟音となり、反復するリズムとともに、自分の原点、情けなかった少年時代の記憶がよみがえってくる。繰り返されるリズムとともに狂気に満ちていくMの前にあらわれるのは、宗教の導師、過去に幽閉された革命家たち、肖像人物 、真面目屋 、マフラー男 の幻影。

彼らはMに、君は君自身だということ。”“自分の原点に還れと助言する。

加速していく豚の飼育の中で、従順になることをおぼえる。マゾヒズムを装い、実行する。果たして、それは本当にMの装いなのか、それとも。 

自分が自分であるとは何か、この装いと繰り返す自問は俺自身の存在を確かめることなのか、自分をめぐる問いかけの中で、徐々に混乱していく。

Mの独房には痩せの囚人 が送り込まれて、調教と観察をする。犬のように振舞うが、狂気に満ちたMの前に出された林檎が、ひとすじの光をもたらす! 

狂気と幻想の中で、自問を繰り返す。だが、怒りと悔しさとともに、否応無く記憶は遠のいてゆく。そして破壊されかけたMの精神と肉体は、ついに本当の狂気へと足を踏み入れてゆく。ある時に檻の鍵が開けられていた。長い長い廊下を進み、一気に外の空気を求めて突き進む。気がつくと後ろには大勢の囚人たちがいる。彼らとともに、精一杯走り続ける。歓喜に満ちて走り続ける。だがまた牢屋の前に戻ってきてしまった。これは隊員たちの企みなのか、それともMの描いた幻影だったのだろうか。


【予告編】

https://youtu.be/nZzuevQ_5DE?si=LruoWaVqCtggIQfO


【キャスト】 

田口トモロヲ ── M 

荻野目慶子 ── 女リーダー・長姉 

PANTA ── 肖像人物 

大久保鷹 ── マフラー男 

赤瀬川原平── 父親

瓜生良介、石橋蓮司、村上淳、梶原譲二、山本浩司、比嘉愛未、柄本時生、岡部尚、平松豊、小林勝也、本多章一、ARATA、仲野茂、流山児祥、大久保鷹、梶原譲二、若松孝二、松田政男、平岡正明


【スタッフ】 

監督・脚本 足立正生

ライン・プロデューサー 清水一夫 

協力プロデューサー 伊藤正治 

スーパーバイザー 長田勇市 

撮影 磯見俊裕 

美術 菊地進平 

録音 鈴木敏明 

助監督 福田伸 

音楽 PANTA 大友良英 

ヴォイス 藤原恵美子 

整音 福島幸雄 

音構成 大重裕二 

編集 スローラーナー 

配給 【製作会社】 『幽閉者』製作委員会光源舎スローラーナークロックワークスオフィスファイン

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映画「幽閉者(テロリスト)」チラシには、(35年の空白を経て足立正生は映画へと帰還する)とある。72年のリッダ空港襲撃事件の主犯の一人である岡本公三がモデルになっている。1972年のテルアビブ空港乱射事件の犯人の一人で、他の2人は自決したが唯一逮捕された。

足立正生の経歴は1971年にはカンヌ映画祭の帰路、若松孝二とパレスチナへ渡り、日本赤軍、並びにPFLPのゲリラ隊に加わり共闘しつつ、パレスチナゲリラの日常を描いた「赤軍PFLP・世界戦争宣言」を撮影・製作。1974年以降、映画活動を一時捨て、一兵卒として重信房子率いる日本赤軍に合流、全世界指名手配される。 

1997年には重信房子や岡本公三ら四人と共にレバノン・ルミエ刑務所にて逮捕抑留。20003月刑期満了、身柄を日本へ強制送還され、再び本国にて創作活動を再開する。

足立正生と岡本公三との接点は「レバノン・ルミエ刑務所」であるらしい。

幽閉状態にあった岡本公三と「現在」をシンクロさせ、その苦悶と痛みを、「魂の幽閉状態」の過酷なファンタジーとして描き出したと、チラシには記載されている。

日本赤軍や学生運動を知らない、若い世代にはこの映画がどのように写るのだろうか。

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2025年01月03日

金曜ロードショー「ライオン・キング」(2019年、米)ノーカット放送

金曜ロードショー(日本テレビ系、金曜午後9時)今回は、ディズニーの名作をフルCGでリメークした「ライオン・キング」(2019年、米)を25分拡大ノーカット放送。


アフリカ・サバンナにある「プライドランド」の王、ムファサ(大和田伸也)に、王子が生まれた。シンバ(熊谷俊輝)と名付けられた王子は、王になる日を夢見ながら暮らしていた。 

ムファサの弟で王位を狙うスカー(江口洋介)は、甥のシンバの存在を疎ましく思っていた。


ある日、スカーの企みにより、シンバはヌーの大群の暴走に巻き込まれてしまう。息子を助けるため峡谷に向かったムファサは、スカーの裏切りによって命を落とす。

父の死が自分のせいだと思い込まされたシンバは、スカーにプライドランドを追放される。

絶望のあまり砂漠で力尽きていたシンバは、イボイノシシのプンバァ(佐藤二朗)とミーアキャットのティモン(亜生)に助けられる。逞しく成長したシンバ(賀来賢人)の前に、若いメスライオンで、幼なじみのナラ(門山葉子)が現れる。スカーによって荒れ果ててしまった「プライドランド」を、かつての平和な王国を取り戻してほしいとナラはシンバに頼み込むが、シンバは父を死なせてしまった自分を許すことができなかった。


◇次週110日の金曜ロードショーは、スタジオジブリ映画「ハウルの動く城」(2004年)をノーカット40分拡大で放送する。

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2024年12月16日

ワンコインDVD📀シリーズ

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2024年12月13日

映画興行2024年間トップ10について

映画興行2024年間トップ10について


『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(157.3億円) 

『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』(116.2億円)

『キングダム 大将軍の帰還』(80億円)

『ラストマイル』(59.3億円)

『変な家』(50.5億円)

「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(45.4億円)



今年の100億円超えは、年間1位と2位の『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(157.3億円)と『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』(116.2億円)となった。

昨年の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(140.2億円)のように、洋画からのスーパーヒットはなかった。


昨年はTOP4までアニメだったが、今年は3位に実写『キングダム 大将軍の帰還』(80億円)がランクイン。昨年5位のシリーズ前作『キングダム 運命の炎』(56億円)から興収を20億円以上アップ。


TOP10内はドラマとリンクした世界線のオリジナル脚本の『ラストマイル』(59.3億円)、YouTube発メディアミックスの映画版『変な家』(50.5億円)、小説投稿サイトから生まれTikTokで火が点いた戦争映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(45.4億円)。


TOP10圏外でも58分という劇場アニメが、20億円を超えた『ルックバック』、1館上映から300館以上に拡大して、8億円を超えるスマッシュヒットとなった自主製作映画『侍タイムスリッパー』など今年の話題作。


邦画アニメは100億円超えヒット本数をはじめ、昨年に勝るとも劣らぬ好成績。今年も社会現象的なヒットが世の中をにぎわせ、映画興行の軸となる。


テレビアニメ総集編となる劇場版『ハイキュー!! 終わりと始まり』『ハイキュー!! 勝者と敗者』(2015年)、『ハイキュー!! 才能とセンス』『ハイキュー!! コンセプトの戦い』(2017年)など公開、10億円を超えるようなヒットはない。

2020年の『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』から続く、一般層がアニメを見に劇場に足を向ける流れとなる。


それ以前は、作品ごとのアニメファンが劇場鑑賞し、それでも大きなヒットになっていたが、2020年以降は同層に加えて、話題作アニメの劇場鑑賞者の裾野がマスに大きく広がっている。

今や100億円を超える劇場版『名探偵コナン』『機動戦士ガンダム』など軒並み人気シリーズが興収規模を拡大している。


邦画実写では『ラストマイル』が残したインパクトは大きい。テレビ局映画はドラマの映画化が定番となり、そのヒット規模が縮小し続けて10億円に届かない作品も増えて、シェアード・ユニバース(単体の作品が同じ世界戦にある)新たな手法をヒットにつなげた。

『ラストマイル』はテレビドラマというコンテンツから、新たなオリジナルIP創出へ向けて、成功事例となった。毎期のように話題作やヒット作を多く生み出すTBSだが、映画にも野心的な取り組んでいる。


今年の邦画の特徴は、映画業界の巨人・東宝が歴代新記録となる年間興収。

最高興収は『君の名は。』『シン・ゴジラ』などが大ヒットした2016年の854億円だが、今年は900億円前後がある。

TOP10作品を見ると、半分以上が東宝配給作品。『名探偵コナン』『ドラえもん』などの定番作品に加えて、『劇場版ハイキュー!!』『ラストマイル』『変な家』などのサプライズヒットが興収全体を獲得。

東宝の興収は、今年の市場全体の45%ほどを占めるだろう。


洋画ではディズニーの2019年以来となる50億円ヒットとなった『インサイド・ヘッド2』(53.6億円)、『デッドプール&ウルヴァリン』『マッドマックス:フュリオサ』がそれぞれ20億円、10億円を超えるヒット、社会的物議を醸した『オッペンハイマー』の15億円超えヒットなど洋画復興ある。


SF映画『デューン 砂の惑星PART2』『猿の惑星/キングダム』など期待された大作シリーズの多くが伸び悩んだ。

『ツイスターズ』『ビートルジュース ビートルジュース』を、作品クオリティに反してとくに数字が上がらなかった。


若い世代は関心の度合いが高まらない。客層が広がらない洋画の問題。

アメリカで酷評され、興行的惨敗となった『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』が、日本では12億円ほどのヒットとなり、世界でも特別とされる日本映画市場の特徴。

「実に興味深い現象です。アメコミ文化が根強いアメリカだから、拒否されたと思います。アメコミ(映画)の系譜を、大きく逸脱してしまった。

日本はもっと作品本位に接した人が多かった。前作『ジョーカー』の衝撃度を期待した人も多かった。日本でも前作より大きく数字を落とした。監督は続編で同じことをやるか、日本の観客は鷹揚だった。同作の興行から、国民性を感じる。映画の多様性が多くの洋画に広がるのを期待される。

感受性が豊かな日本の国民性なのかもしれない。アニメを含めた様々な形のヒットが生まれている。今後の興行を考えるのに重要な点かも知れない。


【関連記事】

2024年映画興行収入ランキング日本国内と世界興収/

https://search.app/TPyk6MvpcveYASSn8


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2024年12月10日

ドキュメンタリー映画『海の奴隷』

水産大国タイでは、意図せずに遠洋漁業船に乗せられて、無給労働を強いられる「海の奴隷」が実在する。

そんな奴隷労働者たちの救出に奔走する女性たちの活動に密着して、タイの水産業を巡る闇を暴く。

【予告編】

https://youtu.be/oTfRqWHGs2A?si=3K1-EOnHpLVb9qbC


東南アジアで賃金のない長時間労働などで「海の奴隷」となった移民労働者ら5000人超を救い、ノーベル平和賞候補に推薦されたタイの人権活動家パティマ・タンプチャヤクルさん(48)が来日して、東京都千代田区の日本記者クラブで会見した。

幅広い漁業問題への取り組みを紹介したほか、能登半島地震の被災地を視察し、漁業関係者に心を寄せる考えを語った。


タイは世界有数の水産大国だが、違法な漁業、資源管理を無視した乱獲が常態化。ミャンマーやラオスなど周辺国からの出稼ぎ労働者が水産業を支え、拉致や酷使される「奴隷労働」が国際問題化した。


パティマさんは2004年に国際非政府組織(NGO)「労働者保護ネットワーク(LPN)」を設立。人身売買が絡む、非人道的な奴隷労働を調査している。水産物輸出先2位の日本では、違法な水産物の流通阻止を啓発している。

「『ぼくの命の値段は、皆さんが食べる魚より安いのかな』という移民労働者の声は、二度と聞きたくない」

「消費者には安全性や価格だけでなく、目の前の魚を誰が取り、どこから来たかを考えてほしい」

「能登の里山里海」として世界農業遺産に日本で初認定された、能登半島の視察を希望した。多種多様な漁法で知られる漁港が地震で壊れた現状に胸を痛め、来日前から東京新聞を通じて情報を集めた。

「遠くから来たけれど、何かできることがある。がれきの片付けを手伝うこともできる」という。

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2024年11月27日

「インサイド・ヘッド2」前作を超える空前のヒット

「インサイド・ヘッド」の続編で、アニメーション映画として歴代No.1ヒットを記録した「インサイド・ヘッド2

映画史を塗り替える大ヒットとなった理由には、大人が動員の中心になっているのに加えて、海外メディアがシンパイ感情にフォーカスを当てた点と分析している。


物語の舞台は、人間が抱く感情たちの世界。少女ライリーを子どもの頃から見守ってきたヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリの感情たちは、転校先の学校に慣れ、新しい友人もできたライリーが幸せに暮らせるよう奮闘する日々を過ごしていた。

高校入学を控え人生の転機に直面したライリーの頭のなかで、謎の警報が鳴り響く。戸惑うヨロコビたちの前に現れたのは、最悪の未来を想像してしまうシンパイ、誰かを羨んでばかりいるイイナー、常に退屈&無気力なダリィ、いつもモジモジして恥ずかしがっているハズカシと、大人になるための新しい感情たちだった。 


「インサイド・ヘッド2」予告編

https://youtu.be/mGCYtUrtnis


 世界興行収入は「ライオン・キング」「ジュラシック・ワールド」を超えて169803965ドル(約2631億円)を突破し、同ランキング歴代8位となる大ヒットを記録。

「アナと雪の女王2」を超えて、アニメ映画史上1位になった。 


日本では興収5349148130円を記録。これは、2024年に公開された洋画作品として、初めて国内興収50億円を突破する大ヒットで、15年公開の前作「インサイド・ヘッド」が記録した興収約40億円を大きく上回る結果。


子どもや親子連れはもちろん、大人世代が劇場に駆けつけた。その背景に米タイム紙をはじめ多くの海外メディアがシンパイという感情にフォーカスを当てた点があると分析している。

 世界が大きく混乱するなかで、シンパイという感情は、国境も世代も越えて誰もが抱えている感情であり、そのシンパイにどう向き合うかはあらゆる人の頭を悩ませる永遠のテーマだ。人生の転機に立ちシンパイという感情に支配され、感情の混乱に悩み葛藤するライリーの姿に、世界中の大人たちが深く共感していることが、驚異の大ヒットを支えた。


プロデューサーであるマーク・ニールセンはプロモーション来日して、映画.comの取材に対し、シンパイについて語った。

 「シンパイは最悪の将来を想像して、あたふたと必要以上に準備をしてしまう。ヨロコビ、それにカナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリを司令部から追い出してしまうのも、ライリーを守りたいからなんだ。もちろん、それは過剰な反応だし、そのときどきにフィットする感情をしっかり味わうことが大事だよね。成長の過程で、自分の感情をいかに手懐けるかっていうのは、大人になっても重要な課題だ。それは一生をかけて、理解していく作業だと思うよ」


『関連記事』

インサイド・ヘッド2 : 作品情報 - 映画.com

https://eiga.com/movie/100829/?cid=smartnews
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2024年11月15日

映画『海の沈黙』11月22日全国ロードショー

世界的な画家・田村修三の展覧会で作品のひとつが贋作だと判明する事件が起こる。 事件の報道が加熱する中、北海道・小樽で女性の死体が発見される。 このふたつの事件をつなぐ存在として浮かび上がったのが、新進気鋭の天才画家と称されながら、ある事件をきっかけに人びとの前から姿を消した津山竜次だった。

竜次の秘めたる想いや、美と芸術への執念、忘れられない過去などを背景に、「美とは何か」を巡る人間ドラマと大人のラブストーリーが描かれる。


【公式サイト】

https://search.app/2q3LXvW1w9pGkesNA


【予告編】https://youtu.be/U5X-kWHfU68

映画『海の沈黙』
公開日:20241122()
監督:若松節朗
脚本:倉本聰
出演:本木雅弘、小泉今日子、清水美砂、仲村トオル、菅野恵、石坂浩二、萩原聖人、村田雄浩、佐野史郎、田中健、三船美佳、津嘉山正種、中井貴一
原作:倉本聰
配給:ハピネットファントム・スタジオ

c2024 映画『海の沈黙』INUP CO.,LTD

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2024年09月23日

「スカッとする映画」ランキング

「気分がスカッとするおすすめ映画」についてのランキングは以下のようであります。

1位 『トップガン マーヴェリック』(14.2%)
2位 『ベスト・キッド』(10.9%)
3位 『ザ・ファブル』(8.3%)
4位 『キル・ビル』(5.9%)
4位 『アウトレイジ』(5.9%)
6位 『クローズZERO』(5.0%)
7位 『エクスペンダブルズ』(3.6%)
7位 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(3.6%)
9位 『イコライザー』(3.0%)
10位 『ジョン・ウィック』(2.6%)
11位 『キングスマン』(2.0%)
12位 『キック・アス』(1.7%)
12位 『アドレナリン』(1.7%)
14位 『アイアムアヒーロー』(1.3%)
15位 『ブレイド』(1.0%)
15位 『300 スリーハンドレッド』(1.0%)
17位 『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(0.7%)
17位 『ベイビー・ドライバー』(0.7%)
19位 『ベイビーわるきゅーれ』(0.3%)
19位 『マグニフィセント・セブン』(0.3%)

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2024年07月12日

映画『夏の終わりに願うこと』

病気で療養中の父の誕生日パーティーを祝う少女の心の揺らぎを繊細に捉えた感動のヒューマンドラマ。


療養中の父を喜ばせるためにピエロのコスチュームを身に纏ったソルや、賑やかな誕生日パーティーの準備を進める親戚たちの姿が映し出される。


映画『夏の終わりに願うこと』予告編

https://l.smartnews.com/ZMz7E


当の父の容態は深刻で、気軽に面会も許してもらえないほど。命の灯火が揺らめく父を想い、「いつ世界が終わるの?」と呟くソルの姿を、青々とした草花や、オウム、ミツバチ、カマキリ、メキシコの地に息づく様々な生命たちが見守る。やがて、生き方も価値観もそれぞれ違う家族が、同じ願いをこめて開催する忘れられないパーティーが始まる

幼いころから自然の中で多くの時間を過ごしてきたという彼女を観たリラ・アビレス監督は、直感的に「この人だ!」と演技未経験ながらソル役に大抜擢したという。同じく演技の経験がない子役たちとの息もぴったりで、「宝石のように私の近くで輝いていた」と、撮影現場をふり返っている。


療養中の父・トナを演じるのは、脚本家・作家としても活躍するマテオ・ガルシア・エリソンド。作家としてのデビュー作「Una Cita con la Lady」がバルセロナ市文学賞スペイン語部門を受賞するなど、文学的才能にあふれる彼は、ノーベル文学賞を受賞したガブリエル・ガルシア・マルケスを祖父に持っている。

『夏の終わりに願うこと』は89日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。

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2024年06月28日

中国SF「三体」映画化決定 巨匠チャン・イーモウ監督がメガホン

中国の作家・劉慈欣(リウ・ツーシン)のベストセラーSF小説「三体」を、『HERO』『LOVERS』などの巨匠チャン・イーモウ監督が映画化することが決定した。


「三体」は人類に絶望した中国人エリート女性科学者が放った電波を発端とする、人類と異星人「三体星人」の長きにわたる戦いを描いたSF巨編。

今年3月には、「ゲーム・オブ・スローンズ」製作総指揮のデヴィッド・ベニオフ&DB・ワイスが手がけたNetflix実写版が配信されている。

https://l.smartnews.com/PwqgN

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