2017年09月07日

『週刊 ニッポンの国宝100』創刊

国宝という言葉が生まれて120年の今年。『週刊 ニッポンの国宝100』を創刊。

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創刊号は国宝2大スーパースター「風神雷神図屏風」と「阿修羅」を特集。
特別付録は「国宝の旅トラベルケース」付き。
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2017年09月02日

文學界の特集記事

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「文學界」9月号掲載の短篇小説「漸然山脈」(筒井康隆)の挿入歌「ラ・シュビドゥンドゥン」が作詞作曲と歌を筒井康隆、ピアノ演奏山下洋輔で実現。

筒井康隆さんtwitterより

「久しぶりに新たな小説の着想を得た。絵画や音楽の世界に小説は追いついていないのではないかと思ったのが最初である。絵画には抽象絵画が五万とあるし、音楽にはジョン・ケージをはじめ日本では武満徹を嚆矢とする現代音楽が沢山ある。しかしこれに相応する小説というのは、確かにだいぶ近づいていると思えるものもあるにはあるが、小説のほんの一部分であったりして、完全に絵画、音楽に肩を並べたと言えるものはない。

ではわしが書いてやろうではないかと思いついたのである。これを小説でやるには完全なディコンストラクションが必要である。文章のみならず言語すべてにわたって再構築しなければならぬ。」


「…山下洋輔が綺麗な楽譜を送ってきてくれた。前奏ができたので送っておいたのだ。…」


「六本木のスタジオへ。ここはいつも山下洋輔が練習に使っているところで、グランドピアノがある。すでに山下氏や武藤旬編集長や、村松Gはじめ顔なじみのジャムライスの面面、それに文藝春秋の動画撮影班が来てくれている。稽古らしきもの一回と本番らしきもの三回で終ってしまった。…思い返せば山下氏のピアノで歌ったのは初めてだったのだ。」

https://youtu.be/6MduyOCa36M

 
《「ラ・シュビドゥンドゥン」がYouTubeで公開された。朝日の大上朝美に見せたところ吃驚して、新聞のコラムと朝日デジタルで記事にしてくれるらしい。「漸然山脈」が好評なので、次回作にとりかかる。》筒井康隆

この映像を見て「ラ・シュビドゥンドゥン」って、一体何だ?と思ったら、筒井康最新作「漸然山脈」を読んでみたくなる。作品挿入歌なので「漸然山脈」を読んだら、音楽アイディア真の凄さが漸然脈々と伝わる名曲となっている。

こうして掲載された「文學界」9月号の購買もとんとん上がっていく。メディアミックスに作者自身が発想して、音楽創作を演じる試み。

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2017年09月01日

鈴木邦男『天皇陛下の味方です』

いま流行の右翼本ではありません! 

アベ政権およびアベまわりの似非右翼や似非保守主義者に象徴される反天皇主義者たちを撃つ384ページ、 著者の代表作ともいえる渾身の大エッセイ。 

新右翼と呼ばれた天皇主義者が近現代4人の天皇の考察を通して提起する、破邪顕正の新国体論。 


【目次】 

第一章 右向け右! 

一 反日分子をやっつけろ 

二 右曲がりのニッポン 

三 権力と大衆 

第二章 愛国を叫ぶ反天皇主義者たち 

一 愛国政権登場 

二 愛国憲法 

三 人は右翼というけれど 

第三章 天皇と日本人 

一 永きもの皇統 

二 明治天皇と日本の青春 

三 皇太子裕仁親王 

第四章 戦争と昭和天皇 

一 テロの季節 

二 亡国戦争 

三 聖断 

第五章 新しい国体 

一 マッカーサーの時代 

二 戦後日本の明暗 

三 今上天皇の祈り 

第六章 私、天皇主義者です 

一 皇室の危機 

二 天皇リベラリズム 

三 結語 

内容(「BOOK」データベースより)


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「日本人が一番エライというのが右翼なら、軍拡せよというのが右翼なら、そして愛国を強制するのが右翼なら、私は右翼ではありません」 


鈴木邦男 

1943年福島県生まれ。早稲田大学政経学部卒。学生時代から民族派運動にのめり込む。大学卒業後、産経新聞社に入社。三島事件を契機に1972年民族派運動グループ『一水会』を設立し、過激な民族派運動を展開。防衛庁での乱闘、逮捕により産経新聞社を解雇される。その後一水会専従となり運動と並行して執筆活動を始めるが、東アジア反日武装戦線「狼」の三菱重工ビル爆破事件に衝撃を受け、1975年に初の著書『腹腹時計と“狼”』を上梓(三一書房)、大きな話題となる。


《愛国の作法》

http://salitote.jp/people/interview014-1.html


『腹腹時計と“狼”』(三一書房)

http://kunyon.com/shucho/120116.html


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2017年08月27日

ストーンズ71年リーズ大学公演のライヴ音源を英BBCサイト公開

ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)が1971年にリーズ大学で行ったコンサートのライヴ音源1時間を英BBC Radio 6 Musicの番組『6 Music Classic Concert』がオンエア。ネットでも同局のサイトにて聴けます。

期間限定公開以下のURLのページで聴けます
http://www.bbc.co.uk/programmes/b092518l

The Rolling Stones recorded at Leeds University in 1971.
収録曲
1 Dead Flowers
2 Stray Cat Blues
3 Love In Vain
4 Midnight Rambler
5 Bitch
6 Introduction
7 Honky Tonk Woman
8 (I Can't Get No) Satisfaction
9 Little Queenie
10 Brown Sugar
11 Street Fighting Man
12 Let It Rock

Presented by Chris Hawkins.

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2017年08月22日

豚は太るか死ぬしかない 夏のマドリード、鰻の稚魚を思う 作家 矢作俊彦

矢作俊彦 @orverstrand

8月13日

『長期不定期連載という日本語を初めて見た。週刊新潮のHP。思わず苦笑いも出るけど長期とあるので目出度いことには違いなく、買って読もう。』と、いうようなご意見多数。こっちも初めて聞いたが、昨日その意味がやっと分かった。しかしここで説明するとまたまた世間を(うんと)狭くするので沈黙。


「週刊新潮」長期不定期連載

豚は太るか死ぬしかない 夏のマドリード、鰻の稚魚を思う

作家 矢作俊彦


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2017年08月14日

「エドガー賞全集」上下巻ビル・プロンジーニ編〈ハヤカワ・ミステリ文庫〉

アメリカ探偵作家クラブが主催するエドガー賞(MWA賞)を受賞した、短篇小説を一冊に収めたアンソロジー。

上巻には短篇小説部門が創設された1947年から62年までの作品が収録。
本格推理篇は案外少なく、サスペンス小説が主体の構成で意外なオチが用意され読み応えたっぷり。「夢見るなかれ」「虎よ」「その向こうは―闇」など、 いずれ劣らぬ名手たちが織りなす多彩なミステリーの世界を堪能できる。
 
上巻に収録されている作品。
◆エラリイ・クイーン「気ちがいティー・パーティ」 ◆ウイリアム・アイリッシュ「晩餐後の筋書」 ◆ローレンス・G・ブロックマン「なまず物語」 ◆ジョン・コリア「夢判断」 ◆フィリップ・マクドナルド「おそろしい愛」 ◆ロアルド・ダール「おとなしい兇器」 ◆スタンリイ・エリン「パーティの夜」 ◆フィリップ・マクドナルド「夢見るなかれ」 ◆スタンリイ・エリン「ブレッシントン計画」 ◆ジェラルド・カーシュ「壜の中の謎の手記」 ◆ウイリアム・オファレル「その向こうは――闇」 ◆ロアルド・ダール「女主人」 ◆ジョン・ダラム「虎よ」 ◆エイヴラム・デイヴィッドスン「ラホーア兵営事件」 ◆デイヴィッド・イーリイ「ヨット・クラブ」 ◆パトリック・クエンティン「不運な男」

コリア「夢判断」は高層ビルから落ちていく男を扱った、短篇ミステリとして
忘れがたい作品。
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MWA(アメリカ・ミステリ作家協会)の最優秀短篇賞(1963〜1980)を受賞した短篇ミステリが下巻に、収録されています。

下巻に収録されている作品。
◆ローレンス・トリート「殺人(ホミサイド)のH」 ◆シャーリイ・ジャクスン「悪の可能性」 ◆リース・デイヴィス「選ばれたもの」 ◆エドワード・D・ホック「長方形の部屋」 ◆ウォーナー・ロウ「世界を騙った男」 ◆ジョー・ゴアズ「さらば故郷」 ◆M・F・ブラウン「リガの森では、けものはひときわ荒々しい」 ◆ロバート・L・フィッシュ「月下の庭師」 ◆ジョイス・ハリントン「紫色の屍衣」 ◆ハーラン・エリスン「鞭打たれた犬たちのうめき」 ◆ルース・レンデル「カーテンが降りて」 ◆ジェシ・ヒル・フォード「留置所」 ◆エタ・リーヴェス「恐ろしい叫びのような」 ◆トマス・ウォルシュ「最後のチャンス」 ◆バーバラ・オウエンズ「軒の下の雲」 ◆ジェフリイ・ノーマン「拳銃所持につき危険」 ◆クラーク・ハワード「ホーン・マン」

ウォーナー・ロウの「世界を騙った男」では、作家のサマーセット・モームと、画家のポール・ゴーガンにまつわる途方もない物語。無類の面白さを持つ海外短篇の逸品。
《絶版本》につき新たな作品を追加して、続刊が望まれている。

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エドガー賞全集 1990~2007 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

1990〜2007年までのエドガー賞最優秀短編賞を受賞した17作品が収録(2005年度受賞作、ローリー・リン・ドラモンド著「傷痕」は「あなたに不利な証拠として」に収録。)

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<収録作品一覧>

「悪党どもが多すぎる」ドナルド・E.ウェストレイク 9−34

「エルヴィスは生きている」リン・バレット 35−64

「九人の息子たち」ウェンディ・ホーンズビー  65−86

「メアリー、メアリー、ドアを閉めて」 ベンジャミン・M.シュッツ  87−128

「ケラーの治療法」 ローレンス・ブロック 129−181

ダンシング・ベア ダグ・アリン  183−219

「判事の相続人」 ジーン・B.クーパー  221−250

「赤粘土の町」 マイケル・マローン 251−284

「ケラーの責任」 ローレンス・ブロック  285−325

「密猟者たち」 トム・フランクリン 327−404

「英雄たち」アン・ペリー  405−430

「ミッシング・イン・アクション」 ピーター・ロビンスン 431−467

「ペテン師ディランシー」 S.J.ローザン  469−514

「」 メキシカン・ギャツビー」 レイモンド・ステイバー 515−543

「メイドたち」 G.ミキ・ヘイデン  545−571

「隠れた条件」 ジェイムズ・W.ホール  573−604

「銃後の守り」チャールズ・アルダイ 605−646頁


いわゆる推理エンターテイメント一辺倒ではなくて、幻想作家エドガー・アランポーを意識した短編が選ばれている。
それはそれで夏休みの読書として、相応しい内容とも言える。季節はずれのポー関連文庫本が思わず、個人的にヒットした!
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2017年07月29日

手塚治虫『ザ・クレーター』

17本の読み切り漫画からなる連作短編シリーズ。1969年から1970年に『少年チャンピオン』(秋田書店)連載。

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創刊まもない『少年チャンピオン[1]』の1969年8月10日号から連載が開始され、1970年4月1日号で連載終了した。単行本は1970年10月及び12月に新書版の少年チャンピオン・コミックスとして全2巻が発売されたが、この時は収録可能ページ数の問題[2]で3作品(後述)が未収録となる。その後、1977年から刊行が開始された講談社手塚治虫漫画全集には17作品全てが収録された(通し番号218/219/220、全3巻とも1982年発行)。2009年に刊行が開始された手塚治虫文庫全集(講談社)第一期でも、同じく17作品全てが全1巻(BT-045)として収録されている。


執筆された17作品は、描かれた内容、舞台、登場人物など全てが異なっており、それぞれが独立した作品になっている。オクチン=奥野隆一という少年が複数の作品で登場しているが、それぞれ別作品の中のオクチンとは無関係な別の人物として描かれており、幾つかの作品では名前や人種も変わっている。連載時の謳い文句は『人間の心をテーマにした物語[3]』というものだったが、手塚は講談社全集のあとがきの中で、「連載開始当初は一貫したテーマも決めておらず、『ザ・クレーター』という表題にも別に意味は無いのです」「オクチンという少年を登場させたり、統一感を持たせようと苦心したものです」と述べている[4]。また、同書の同あとがきでは、「この『ザ・クレーター』は他の連作シリーズより出来の差が激しくなく、一応のレベルを保っていると思います」[4]とも述べている。

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【収録作品】


二つのドラマ 
1969年8月10日号掲載[5]。29ページ[6]。
スラム街に住むジムと、そのガールフレンドのナンシーは、貧窮した生活から抜け出したいと願っているものの、その方法を手にすることができずにいる毎日だった。ある日、道路でひったくりをしたジムは、逃げる途中でトラックにはねられて意識を失う。気がついた時、ジムは東京の資産家の息子である隆一という少年に変わっていた。その後、頭痛が起こるたびに身体が入れ替わるジムは、隆一となってシカゴの大学に留学した時、スラム街でナンシーと知り合い、隆一の財力でナンシーをスラムから連れ出そうとする。だがその時、もうひとりのジムが2人の前に出現した。


八角形の館 
1969年8月27日号掲載。29ページ。
進学するか漫画家になるか悩んでいた熊隆一の前に、不思議な老婆が現れ、コインを渡してその出目で将来を決めろと勧める。コインの出目は漫画家を示していたが、隆一は不安そうだった。それを見た老婆は、「もし漫画家でいることが嫌になったら、八角形の館に来い。そうすれば一度だけもうひとつの人生に変わることができる。ただし二度目は許されない」と言い残して消えた。漫画家になった隆一は多くの連載を抱える人気作家として成功したが、一度だけファンの好みを無視した作品を描き、それがきっかけで人気が落ちてしまう。漫画家に失望した隆一は八角形の館で人生を切り替えた。別の世界では隆一はボクサーになっていたが、ここでも意に添わない試合をする結果となり、ボクサーにも失望する。その時、隆一に破滅が訪れた。


溶けた男 
1969年9月10日号掲載。29ページ。
学生運動が行われているR大学で、佐藤栄作という科学者が、米軍から依頼を受けて死体を溶かす薬を研究していた。ある夜、その日の研究を終えて帰ろうとした佐藤は、見慣れない古ぼけた教室で、岡田四郎という学生と知り合う。岡田の様子が気になった佐藤は後日に調査し、岡田とその教室が現在は実在しないこと、第二次世界大戦時に実在して軍命令で人間の身体を溶かす能力を持つ薬を研究していたこと、その薬を軍に渡さない為、受け取りに来た軍人の目の前で自ら薬をかぶって骨だけになったこと、そしてその骨が骨格標本として、改装された教室に展示されていることを知った。佐藤はその出来事が、自分の研究に対する岡田のメッセージだと考え、研究の中止を決意する。だがその時、研究室に学生運動の集団が突入した。


風穴 
1969年9月17日号掲載。32ページ。新書版少年チャンピオン・コミックス未収録作品。
同居する2人のレーサーの話。そのうちのひとり(オクチンの顔だが、名前は書かれていない)が等身大のマネキン人形をマスコットにし、レースで車にまで乗せていた。もうひとりのレーサーである酒井はそれが気に食わず、日頃から人形を傷つけたり捨てようとしたりしていた。ある日遂に全面衝突し、富士山麓にある風穴で話し合ったものの決裂。酒井は無理やり人形を捨てたが、その後2人は風穴の出口を見失ってしまう。人形を捨てられたレーサーは絶望を口にするが、酒井はそれを詫びながらはげましつづけ、ようやく病院にたどりつく。翌朝、助けてくれた酒井に礼をいおうと病室から玄関に向かったレーサーだったが、そこに酒井の姿は無く、代わりに泥だらけで手足がバラバラになったマスコットのマネキン人形の残骸が散らばっていた。


墜落機 
1969年10月1日号掲載。31ページ。
架空の国。戦闘機のパイロットである奥野隆一は、空戦中に被弾し無人島に不時着した。1年以上かけてようやく島から脱出した奥野は、自分が軍の思惑によって「胸に被弾しながら最後の力を振り絞って敵軍の司令塔に突入した英雄」に祭り上げられていると告げられた。戦意高揚の収束と捏造の発覚を恐れた軍上層部は、再度出撃して英雄伝と同じ死に方をしろと奥野に命じた。奥野はそれを嫌がるが、あらかじめ胸を撃たれて無理やり戦闘機に搭乗させられる。だがそのダメージによって基地上空で意識を失い、味方の軍の司令塔に突入してしまう。


双頭の蛇 
1969年10月15日号掲載。30ページ。新書版少年チャンピオン・コミックス未収録作品。
1990年代。黒人と白人の比率がほぼ均等となっていたアメリカ。シカゴのギャングの帝王で双頭の蛇と呼ばれるキケロという白人の男がいた。キケロは黒人の実力者を次々と暗殺し、自分を裏切った部下も容赦なく殺す男だったが、一人息子のアーティは大切にしていた。まだ幼いアーティは父親の正体を知らなかったが、その友達で黒人のリュウがキケロに自分の父親を殺され、そのこととキケロの正体をアーティに知らせた。アーティは父親に絶望して家出し、それを知ったキケロは全力で息子を探すが見つけられずにいた。そして黒人の警察官に協力を約束し息子の捜索を願い出たが、キケロはそのことによって幹部から裏切り者とされてしまう。


三人の侵略者 
1969年11月5日号掲載。30ページ。
3人の宇宙人が、偵察目的で地球に降り立った。宇宙人たちは、その時発生していた脱獄囚の逃走事件を隠れ蓑にしようと、あらかじめ入手していたフィルムや本から得た知識に基づいて犯罪者の風体をまとい、ある3人家族の家に押し入ってそこを根城にしつつ、情報源として最適な人物を探し始めた。そのリーダーが、一人の漫画家を「一日中机に向かって図面を引いている優秀な学者」だと思い込んで部下とともに襲い、その脳を吸って知識を奪い取ったが、その途端、彼らは締め切りに追われる気分を感じる様になってしまう。一方、根城にしていた家の3人家族こそが、実は本物の脱獄囚であり、宇宙人の目の前で逮捕され連行されたが、彼らには締め切りが迫っており、それを気にする時間も無くなっていた。


鈴が鳴った 
1969年11月19日号掲載。30ページ。
山奥の温泉ホテルに、3人の客が別個に宿泊していた。3人は素性も経歴も異なるが、唯一、「鈴の音に対して恐怖を感じる体験」を有するという共通点を有していた。露天風呂でそれぞれ鈴の音を聞いた3人は、ホテルの主人にそれを訴えるが、いくら調べても何も出てこなかった。宿の主人は妻が飼っている猫を嫌っており、ある日遂に我慢できずに捕獲、ホテルの熱帯植物園で飼っていたニシキヘビの餌にしてしまった。だがその直後、ニシキヘビから鈴の音が聞こえ始めた。


雪野郎 
1969年12月3日号掲載。29ページ。
奥野隆一と佐々木は全日本スキー選手権で優勝を争うライバルであり、同時に友人でもあった。毎年、大会直前に旧知のロッジで落ち合い、お互いの腕を確かめ合うことを恒例としており、その年も2人で山奥にスキーに出かけた。しかし突如として濃霧が発生し、しかもその濃霧の中から一台のトラックが出現して2人を襲い始めた。逃げ惑う中、奥野は崖から転落し、雪の反射光で目を傷めてしまう。


オクチンの奇怪な体験 
1969年12月17日号掲載。30ページ。
新聞で、被爆症の少女が苦しんでいることを知ったオクチンは、名前も知らないその少女の治療代の為に自分で30万円を稼ごうと決意するが、少年の力では中々貯まらない。そんな時、ジョーダンという変わった身なりの男が現れ、死ぬ予定ではなかった北田悠子という少女が突然死んでしまったので、天国で受け入れるまで北田悠子の魂を預かってくれるようオクチンに依頼した。男の身体に男女2人分の魂を宿すことになったオクチンは悪戦苦闘しながらもなんとか1ヶ月を乗り切り、ジョーダンから報酬を受け取った。北田悠子の魂を見送ったオクチンは、喜び勇んで記事を載せた新聞社に出向いて寄付を申し出たが、その新聞社の人間は、その少女が1ヶ月以上前に突然死んでおり、名前は北田悠子だとオクチンに告げた。


巴の面 
1970年1月7日号掲載。27ページ。
長宗我部家に双子の娘がいた。妹の伏見姫は容姿は美しいが歪んだ性格を有している。逆に姉の巴姫は素直で優しい心と、美しいとは言えない容姿を有していた。2人は共に土佐の本條忠道を愛していたが、忠道は心の美しい巴を選び妻にした。ただしこれは忠道が極度の近眼であったことも作用していた。一方伏見はその本性を現し、巴を鬼女に仕立て上げる策略を巡らした。その策略に乗せられた忠道は刀を振るって巴を追い出そうするが、近眼ゆえ手元が狂い、巴の顔面を切り取る様にして殺してしまう。その直後、巴の顔は風に乗って実家に飛び、伏見の顔に張り付いた。巴の顔になった伏見はそのまま狂い死にし、巴の顔は恐ろしい面として後世に遺された。時は変わって現代、マンガ家の手塚は、巴の面と同じデザインでおもちゃのお面を作れと依頼され、巴の面の現物を押し付けられる。恐ろしい逸話を持つ巴の面と一晩過ごす羽目になった手塚は伏見姫と同じように巴の面に取り殺されてしまい、巴の面は行方知らずになった。さらに時が流れて21世紀、巴の面は或る古美術商の家に飾られていた。その時代、女性の美しさの基準は大きく変わってしまっており、古美術商は息子(オクチン)が付き合う女のあまりの顔の酷さにあきれかえるほどだった。そして古美術商とその息子のやりとりを前に、巴の面は笑うような音をたてながらドロドロに溶けて崩れ去ってしまったのだった。


大あたりの季節 
1970年1月21日号掲載。29ページ。
オクチンに幸運の連続が訪れた。中でも学校で一番美人のクミという少女と恋仲になったことは学校中で話題となり、密かにクミを好きだった番長の井戸井は、嫉妬も絡めてオクチンの運の良さの秘密を子分に探らせた。子分はオクチンを尾行するうちに、土管の中にある不思議な川を発見した。その報告を受けた井戸井は直接オクチンを締め上げ、川の秘密を白状させる。その川は時間を逆行することができる川で、オクチンはその川を使って何度も過去に戻り、失敗した出来事をやり直して成功に変えていた。クミへの告白も、実は数回ふられた後の成功だった。井戸井はさらに過去に戻ってオクチンより先にクミに告白しようとするが、オクチンもそれを阻止するために川に入った。2人の川泳ぎはいたちごっこになり、徐々に年単位の過去に戻っていくようになるが。


ブルンネンの謎 
1970年2月4日号掲載。29ページ。
P中学校の陸上競技部が、有名な正月明けの富士山一周マラソンを行った。みどりという名の美しい娘がいることで部員から人気があるブルンネンという街道際の喫茶店で小休止し、その後マラソンが再開されたが、もともと発熱して体調が悪かったオクチンがこの時倒れてしまった。しかし休むことは許されず、後からでも付いてくるよう命じられた。ひとりフラフラになりながらも少しずつ進んでいたオクチンの目の前に、またブルンネンが現れた。疑問を感じる気力も無くブルンネンに救いを求めたオクチンは、みどりが森にある湖の底から集めたコケで作った万能薬を与えられた。そしてブルンネンの主人である青年は、みどりが人間ではなく湖に住んでいたニンフであること、みどりの父親に黙って連れてきてしまったこと、そして今日、みどりがオクチンのための薬を作る苔を取りに行って父親に発見されてしまったことを告げた。


紫のベムたち 
1970年2月18日号掲載。29ページ。
紫色のベム型宇宙人が、地球の情報を手に入れようとしていた。彼らは山村に住むカン太郎という知能の低い少年を選んでおびき寄せ、情報を得る時だけ知能を飛躍的に高めて話をさせた。カン太郎が話していたのはおとぎ話である桃太郎だったが、宇宙人たちはそれを実際の戦争と勘違いして真剣に分析していた。カン太郎の兄である隆一はそれを知り、桃太郎の話を作り変えることによって宇宙人をうまく追っ払う方法を思いつく。


オクチンの大いなる怪盗
1970年3月4日号掲載。28ページ。新書版少年チャンピオン・コミックス「やけっぱちのマリア」第2巻収録。
担任の教師に反抗しているオクチンは、未来にも過去にも希望を感じていない少年だった。そのオクチンの前に泥棒と名乗る青年が現れ、「未来」を盗もうと誘う。青年は不思議なメガネをオクチンに渡し、そのメガネをかければ、普段は見えない人間の尻尾を見ることができると説明した。青年が言うには、人間の尻尾の中には「未来」が入っていて、幸運な人間の尻尾を奪って自分の尻尾に付け替えれば幸運になれるという。青年はスイスにいるジャクリーヌ・オナシスの尻尾を盗もうと言いだした。


生けにえ 
1970年3月18日号掲載。29ページ。
2000年前のメキシコ。マヤ帝国の祭壇では、チクワナという少女が神への生けにえとして首をはねられる直前にあった。チクワナは、死ぬ前にあと10年生きて結婚し、子供を作りたいと神に願った。神はその願いを聞き入れ、チクワナから記憶を消し去って現代の日本に転生させる。名前も何もかも忘れたチクワナはオクチンという少年と出会い、やがて結婚して普通の家庭生活を営むことになったが、記憶を失くしたはずの彼女が「首切り」や「生けにえ」に異常な反応を示すことを、周囲もチクワナ自身も不思議に感じていた。そして10年後、メキシコへの栄転をオクチンに聞かされたチクワナは記憶を取り戻し、生けにえにされた少女へ祈りを捧げることを彼に願うと、その場から消失した。愕然とするオクチンをよそに気が付いた時、チクワナは祭壇で首をはねられる直前に戻っていた。


クレーターの男
1970年4月1日号掲載。29ページ。
197X年、アポロ18号の乗組員であるウイリアム・フロスト・ウイリーは、月面のクレーターの1つであるアルフォンズス火口(英語版)へ調査に向かい、その付近で地球から時折観測される雲の正体を探ろうとしていたが、成果を得られぬまま帰途につこうとした際、崖から落ちて宙吊りになるという不幸に見舞われる。連絡手段も自力での脱出方法も絶たれたウイリアムは、酸素が尽きるとともに死亡した。やがて、ウイリアムの身体がミイラ化するほどの時間が過ぎた後、周囲で始まった火山活動によって発生したガスを浴びた彼は、死の眠りから揺り起こされた。ウイリアムはガスが衰えると死亡し、ガスを浴びると生き返るということを繰り返した果てに、月面を訪れた新たな宇宙船に遭遇する。宇宙船内で最初の死亡から130年が経過していることを知らされたウイリアムは、ガスを調査してくれと乗組員たちに訴えるが、彼らは世界を分断する戦争の最中にあり、それに必要なウラニウムを採掘するためだけに訪れていたため、ウイリアムの願いは叶わなかった。ガスの効果が切れかかってきたこともあってアルフォンズス火口へ戻っていくウイリアムをよそに、ウラニウムを積載した宇宙船は地球への帰途につく。それから数日後、天空に浮かぶ地球は核爆発の光に包まれる。それを眺めながら、ウイリアムは自分が最後の人間になってしまったことを自覚するのだった。



併録作品 


講談社手塚治虫漫画全集の『ザ・クレーター』第3巻には、同巻第5話として『ジャムボ』という短編が併録されている。『ジャムボ』の初出は旺文社が発行していた学習誌『中一時代』の1974年1月号で、『ザ・クレーター』のシリーズとは出自が異なるが、便宜的に本稿にて概略する。


ジャムボ 
『中一時代』1974年1月号掲載。31ページ。
航行中の旅客機の中で、乗客の一人が持ち込んだ大型の蜘蛛が逃げ出し、機内は大騒ぎになる。あるものは宝石の密輸が露見し、あるものは蜘蛛に怯えて恋人を見捨て、あるものは人種差別的な考えから無実の黒人を吊るし上げようとし、果ては乱闘のなか死人まで出す事態になる。姿の見えぬ毒蜘蛛に怯えつつ、人々は何とか蜘蛛を捕まえようとするのだが…。


【脚注】[ヘルプ]
1.『ザ・クレーター』連載当時は月2回刊行誌で、誌名は『少年チャンピオン』だった。『ザ・クレーター』の連載が終了した直後の1970年6月24日号から週刊化され、誌名も『週刊少年チャンピオン』に改称された。詳細は週刊少年チャンピオン#創刊期を参照のこと。
2.手塚治虫文庫全集版の解説(森晴路)より。
3.本作連載時の第一回作品冒頭部のナレーションより。文庫版解説に再掲載。
4. a b 手塚治虫漫画全集MT220『ザ・クレーター』p196 あとがきより。大意。
5.日付は講談社全集および手塚治虫文庫全集の掲載データより。
6.ページ数は講談社全集より。いずれも扉のページ(小題の表題ページ)を除く。
【Wikipedia】より

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手掛けたジャンルは、SF、歴史物、少女向け、4コマ、ピカレスクなどがある。 だが、熱血・スポ根物は好まず、これらを題材にした作品はまず無い。

戦時中に多くの死人を目にしたことなどから「生命の尊厳」 を作品のテーマとしていた。
昆虫マニアであり、中学生の時に作った細密な昆虫図も残っている。
自身のペンネーム「治虫」も、甲虫のオサムシから名付けたもの。虫の習性などを題材にした作品も描いている。
ただし、虫でも蜘蛛は大嫌い。子供の頃に蜘蛛の巣に突っ込んだら卵が破け、沢山の蜘蛛の子が体を這い回る地獄を経験をしたため。
キャラクターを役者のように使い、色々なキャラクターが、 別作品のモブや脇役として出演している。顕著なのが『ブラック・ジャック』)。 いきなりヒョウタンツギやスパイダー(おむかえでごんす)などの名物キャラが登場したり、 雰囲気ぶち壊しなギャグを挟んだりするが、これはこっ恥ずかしいラブシーンやシリアスな場面を描いてしまった時の息抜き・照れ隠しらしい。

神様だけあって、常識では考えられないようなエピソードを山ほど持っている。
幾つか挙げるだけで人外ぶりがまざまざとわかるほど。
?他人の漫画作品を見せてもらったとき「これなら僕にも描けるよ」といって 本当にそっくりの絵をその場で描いてみせた。
?揺れる列車や自動車の中で フリーハンドで直線を引く 。
?円を描くのに コンパスなど要らない。
?うろ覚えで描いた野球場のスケッチがライトの数に至るまで 写真で取ったかのように全くいっしょ という記憶力。
?別々の漫画を1ページづつ並行して描いて締め切りに間に合わせた。

漫画家としての40余年間で描いた漫画は全604作700タイトル以上、原稿の枚数は非公式だが15万枚とも言われる。
こち亀が160巻で3万弱ということを考えると凄まじい量である。
この膨大な作品数はいつもギャラは二の次三の次で限界まで、というか限界以上に仕事を引き受けていたためで、 「漫画を描くなと言われたら死ぬと同じ」
「アイデアはバーゲンセールできるくらいあるんだ」 と後年語っていたくらいであり、しゃにむに漫画を描き続けた。
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2017年07月25日

李下に冠を正さず

李下に冠を正さず

【読み】りかにかんむりをたださず

【意味】李下に冠を正さずとは、誤解を招くような行動はすべきではないといういましめ。

【李下に冠を正さずの解説】

【注釈】スモモ(李)の木の下で曲がった冠をかぶり直すと、スモモの実を盗んでいるのではないかと誤解を招く恐れがあることから。

「正さず」は「整さず」とも書く。

【出典】『古楽府』君子行

【類義】瓜田に履を納れず/瓜田李下/李下の冠瓜田の履


【英語】He that will do no ill, must do nothing that belongs thereto.(悪事をすまいと思う者は、悪事と思われることをしてはならない)

【用例】「あの業者の接待を受けるのは遠慮したほうがいいだろう。李下に冠を正さずだ」


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『瓜田(かでん)に履(くつ)を納れず、李下(りか)に冠を整さず』
―瓜田不納覆、李下不整冠―


<文選>

「疑わしきは罰せず」は法律の世界だが、個人のモラルとしては、「疑わしきは為さず」ぐらいの心構えが必要なのかもしれない。それを語っているのが、このことばである。

「瓜畑(うりばたけ)では靴をはきかえてはならない。李の木の下では、手を上げて冠を直してはならない」というのだ。なぜなら、そんなことをすれば、瓜や李を盗み取ろうとしたのではないかと疑われるからである。

誰しも、人から疑われるのは気持ちのよいことではない。なかには、濡れ衣を着せられて、腹立たしい思いをした人も、たくさんいるにちがいない。

だが、人から疑われる原因を自らつくっているケースもあるように思う。たとえば、不注意な言動とふしだらな行為などは、人の疑いを招きやすい。それを避けるためには、ふだんから厳しく自分を律する必要がある。


加計の計画認識時期 首相、過去の答弁修正 「急な質問で混同」【東京新聞 】より

https://www.google.co.jp/amp/amp.tokyo-np.co.jp/s/article/2017072590135941.html

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2017年07月15日

『おそめ』石井妙子(新潮文庫)

かつて銀座に川端康成、白洲次郎、小津安二郎らが集まる伝説のバーがあった。その名は「おそめ」。マダムは元祇園芸妓。小説のモデルとなり、並はずれた美貌と天真爛漫な人柄で、またたく間に頂点へと駆け上るが―。

私生活ではひとりの男を愛し続けた一途な女。ライバルとの葛藤など、さまざまな困難に巻き込まれながらも美しく生きた半生を描く。隠れた昭和史としても読める一冊。

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〔本文より〕

両手を押し開けた扉につけたまま、いかにもドアが重たかったと言いたげに身体をわずかに預けて、ただ立っている。しかし、その立ち姿には隙がなく、しかも、人を誘い込むような柔らかさであった。

茄子紺の薄絹がやさしい線を描いて、ほっそりとした姿態を包んでいた。襟元は深く合わされ、襟を詰めて少しもき崩れたところがない。透けるように白い顔、昔はさぞやと思わせるつややかな髪は、左右にきっちりと分けられ後ろで小さく髷にされていた。顔は能面のように表情がなかったが、不思議と冷たさは感じさせない。

おそめ、その人に違いなかった。

それにしても、なんと小柄で可憐であることか。いや、何より私を強くとらえたのは彼女の全身に漂う透明な空気だった。少女のよう、という言い方では不満が残る。友が言った「何かの精のよう」という言葉が、まざまざと思い出された。

  • 序章 出会い おそめ―伝説の銀座マダム (新潮文庫)より
  • 読んでいて人が生きた時へ、すんなりと入れる安心感あるドキュメントだった。著者の代表作を全て読書したくなったのでAmazonで注文した。

石井妙子  1969年、神奈川県茅ヶ崎市生れ。白百合女子大学卒。同大学院修士課程修了。’97年より、毎日新聞囲碁欄を担当。囲碁の記事を書く傍ら、約5年の歳月を費やして『おそめ』を執筆。綿密な取材に基づき、一世を風靡した銀座マダムの生涯を浮き彫りにした同書は高い評価を受け、新潮ドキュメント賞、講談社ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞の最終候補作となった。


「おそめを歩く 京都編」

昭和20年代から昭和40年前半に京都木屋町、東京銀座にあったバー。京都祇園出身の上羽秀ママが経営して、文化人、政治家、経済人に絶大な人気があった。

http://www.tokyo-kurenaidan.com/osome1.htm

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2017年07月14日

『小池百合子研究 父の業を背負いて』

ノンフィクション作家の石井妙子さんが注目するのは、父・勇二郎の小池氏への影響。「意外なほど家族については語られていない。『山師』『嘘とはったりの人』と呼ばれた破天荒な父のもとでいかに育ったのか。」

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〈関西にはいたくない。破産するかもしれない親がいる。その波をかぶらないように、自分で自分を養い、生きていかなくてはならない。そう考えたとき、彼女は決断し、カイロへと渡ったのではないだろうか(略)彼女のサバイバルな、挑戦し続ける人生はここから始まっている〉『小池百合子研究 父の業を背負いて』本文より


『小池百合子研究 父の業を背負いて』「新潮45」1月号掲載

https://www.dailyshincho.jp/article/2016/12270810/?all=1


『文藝春秋』今月掲載の石井妙子さん「男たちがみた小池百合子という女」が素晴らしいドキュメント作品になっております。


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なかなか優れたドキュメントです。この記事のために『文藝春秋』を買いました!

http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/75944/74549/114908810

posted by koinu at 10:58| 東京 ☀| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月10日

『不合理ゆえに吾信ず』埴谷雄高〔現代思潮社〕

――私が ≪自同律の不快≫

と呼んでいたもの、それをいまは語るべきか。

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――さて、自然は自然において衰退することはあるまい。

(p14-15)


――薔薇、屈辱、自同律――
つづめて云えば俺はこれだけ。

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埴谷雄高が同人誌『構想』(昭和14(1939)年〜昭和16(1941)年発行)に発表したアフォリズム集。『死霊』の原型となる諸観念が其処に早くも既にして、描出されているという。


これはアフォリズム集ではなく、散文詩集ではないかという見解もあるが、《自同律の不快》の発芽が示されている濃厚な発案プログラムといえる。輝かしい原石となる必須の一書。

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私はしばしば想いなやむのであるが、不快の裡に棲むものは論理と詩学のみであろうか。
翅よ、翅よ、誰がここから飛びたつであろう。(p16-17)


『不合理ゆえに吾信ず』埴谷雄高〔現代思潮社〕
posted by koinu at 13:00| 東京 ☀| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『埴谷雄高作品集』のすすめ

長編小説『死霊』は作者が生涯のライフワークとされた作品であるために、年代ごとに様々なバージョンがある。現在は全集として完行未然に近く、講談社版は高価であるために、書店や図書館にも全巻閲覧は困難となっている。


すでに刊行された『埴谷雄高作品集』(河出書房新社)は、比較的に埴谷書物では文庫本より安価入手となっている。政治論文やエッセイなど多すぎるとおもわれるが、代表作はこれで読めば充分な読書となるだろう。

第2巻『短篇小説集』は『死霊』以外の文学作品から、『不合理ゆえに吾信ず』と密度の高い小説が選ばれている。目次を見ると驚愕する内容。Amazonで300円以下から販売されている、単品オススメの一冊。



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『埴谷雄高作品集』全15巻・別巻1巻(河出書房新社、1971.3〜1981.1)

*第10巻は未刊。



第1巻 死霊 1971.3.25

 

死霊…………………………………………… 7

*『死霊』考(吉本隆明)……………… 295

*解題(白川正芳)……………………… 313

 



第2巻 短篇小説集 1971.8.15

 

不合理ゆえに吾信ず………………………… 7

虚空……………………………………………93

意識………………………………………… 123

深淵………………………………………… 149

闇のなかの黒い馬………………………… 171

宇宙の鏡…………………………………… 179

夢のかたち………………………………… 187

神の白い顔………………………………… 195

影絵の世界………………………………… 205

*意識を主題とする小説(秋山駿)…… 357

*解題(白川正芳)……………………… 377

 



第3巻 政治論文集 1971.6.30

 

序詞―権力について……………………… 7

政治のなかの死………………………………17

憎悪の哲学……………………………………29

敵と味方………………………………………42

組織と闘争と敵………………………………62

目的は手段を浄化しうるか…………………65

暴力考…………………………………………80

暗殺の美学……………………………………87

沈黙について……………………………… 101

デモについて……………………………… 103

選挙について……………………………… 109

棄権について……………………………… 115

反議会主義について……………………… 117

埴谷雄高氏への公開状(吉本隆明)…… 120

自立と選挙………………………………… 125

党と大衆団体について…………………… 131

六月の《革命なき革命》………………… 136

自己権力への幻想………………………… 147

死者の哀悼者へ…………………………… 152

象徴のなかの時計台……………………… 156

永久革命者の悲哀………………………… 165

革命的志向なき革命的人間について…… 191

指導者の死滅……………………………… 204

革命の意味………………………………… 221

抑圧の武器と反逆の武器………………… 235

死滅せざる「国家」について…………… 246

戦争と革命の変質の時代………………… 260

革命の変質………………………………… 266

*埴谷雄高の政治観(鶴見俊輔)……… 279

*解題(白川正芳)……………………… 293

 



第4巻 文学論文集 1971.12.20

 

序詞―寂寥………………………………… 9

存在と非在とのつぺらぼう…………………15

夢について……………………………………27

可能性の作家…………………………………38

不可能性の作家………………………………53

夢と想像力と…………………………………65

存在と想像力…………………………………68

思索的想像力について………………………74

夢と人生………………………………………79

観念の自己増殖………………………………83

還元的リアリズム……………………………94

迷路のなかの継走者……………………… 105

何故書くか………………………………… 110

あまりに近代文学的な…………………… 117

カントとの出会い………………………… 124

現実密着と架空凝視の婚姻……………… 128

『散華』と《収容所の哲学》…………… 140

埴谷雄高氏へ(高橋和巳)……………… 145

埴谷雄高氏への手紙(真継伸彦)……… 150

論理と詩の婚姻について………………… 159

「政治と文学」について………………… 165

決定的な転換期…………………………… 171

椎名麟三…………………………………… 177

武田泰淳…………………………………… 184

梅崎春生の挿話…………………………… 191

踊りの伝説………………………………… 195

『崩解感覚』の頃………………………… 203

三島由紀夫………………………………… 206

詩人の或る時期…………………………… 212

酒と戦後派………………………………… 217

異常児荒正人……………………………… 239

本多秋五…………………………………… 246

原民喜……………………………………… 250

原民喜の回想……………………………… 255

絶望・頽廃・自殺………………………… 260

大井広介夫人……………………………… 268

「近代文学」創刊まで…………………… 277

「近代文学」同人拡大の頃……………… 306

「近代文学」と「中国文学」…………… 311

終章―想像力についての断片…………… 315

*見てしまつた男の夢(井上光晴)…… 325

*解題(白川正芳)……………………… 339

 



第5巻 外国文学論文集 1972.5.15

 

序詞―隕石………………………………… 7

ドストエフスキイと私………………………10

ポオについて…………………………………24

サドについて…………………………………34

ドストエフスキイの方法……………………48

ドストエフスキイの位置……………………54

ドストエフスキイに於ける生の意味………67

ドストエフスキイの二元性…………………75

三冊の本と三人の人物………………………85

一冊の本『白痴』……………………………88

私の古典………………………………………91

読者と作中人物………………………………93

若者の哲学……………………………………96

ラムボオ素描……………………………… 105

ニヒリズムとデカダンス………………… 122

メフィストフェレスの能動性…………… 135

モンテーニュとパスカル………………… 139

ルクレツィア・ボルジア………………… 142

二十世紀文学……………………………… 165

二十世紀文学の未来……………………… 168

証人エレンブルグ………………………… 175

権力の国境………………………………… 188

悲劇の肖像画……………………………… 198

転換期における人間理性………………… 215

自由とは何か……………………………… 233

自閉の季節………………………………… 256

宇宙のなかの人間………………………… 269

黒いランプ………………………………… 284

*埴谷雄高の「場所」(大江健三郎)… 291

*解題(白川正芳)……………………… 301

 



第6巻 随想集 1972.2.20

 

序詞―アンケート………………………… 9

あらゆる発想は明晰であるということについて……12

平和投票………………………………………26

即席演説………………………………………41

内界の青い花…………………………………49

叔父の心臓……………………………………52

闇のなかの神仙………………………………58

緑いろのヴェニュス…………………………64

心臓病について………………………………68

煙草のこと……………………………………75

論理と詩との婚姻……………………………87

闇………………………………………………93

或る時代の雰囲気………………………… 104

農業綱領と『発達史講座』……………… 112

雑録ふうな附記…………………………… 119

歴史のかたちについて…………………… 135

戦争の時代………………………………… 146

海鼠塀の想い出…………………………… 168

潔癖症……………………………………… 174

断崖病……………………………………… 177

断崖病について…………………………… 179

精神病型…………………………………… 184

臓器感覚…………………………………… 186

闇のなかの甘美な推理…………………… 191

アンドロメダ星雲………………………… 194

光速者……………………………………… 199

仰寝………………………………………… 201

腕組み……………………………………… 204

うえ谷とむこう坂………………………… 207

安吾と雄高警部…………………………… 209

無言旅行…………………………………… 212

講演嫌い…………………………………… 216

野球の悲劇性……………………………… 219

ファン気質………………………………… 222

ニヒリスティックな選手………………… 224

無記憶型…………………………………… 226

短波放送…………………………………… 230

ハイマートロス…………………………… 232

古い映画手帖……………………………… 234

映画の無気味さ…………………………… 255

冬の扇……………………………………… 259

単性生殖…………………………………… 261

ファウストの実現………………………… 263

ベビー・ママ……………………………… 266

裸体の世紀………………………………… 269

乳房について……………………………… 273

性的人間…………………………………… 277

文学者の性理解…………………………… 280

箴言の記憶………………………………… 300

パネルの上の黒いランプ………………… 304

*「反埴谷雄高」論(倉橋由美子)…… 313

*解題(白川正芳)……………………… 329

 



第7巻 戦後文学論集 1 1978.9.30

 

序詞―アンケート 戦後の小説ベスト5……11

自然と存在……………………………………13

廃墟からの出発………………………………30

廃墟の頃………………………………………43

新しい価値転換………………………………52

椎名麟三の歩み………………………………62

椎名麟三のアイロニイ………………………65

椎名麟三の心臓病……………………………67

ドラマの原型…………………………………70

飢えの季節……………………………………72

ニヒリズムの双生児…………………………81

野間宏小論……………………………………84

『青年の環』第一部…………………………94

『青年の環』第二部……………………… 101

『青年の環』……………………………… 105

武田泰淳…………………………………… 110

見えすぎる洞察者………………………… 119

未知を見るもの…………………………… 132

武田泰淳小論……………………………… 136

『異形の者』……………………………… 142

『風媒花』………………………………… 144

『森と湖のまつり』……………………… 148

『貴族の階段』…………………………… 153

『「愛」のかたち』の頃………………… 159

武田泰淳の変化…………………………… 162

武田泰淳の苦行…………………………… 165

『俘虜記』………………………………… 167

大岡越前探偵と私………………………… 173

感覚人、島尾敏雄………………………… 176

はじめの頃の島尾敏雄…………………… 178

島尾敏雄を送る…………………………… 181

『われ深きふちより』…………………… 183

『硝子障子のシルエット』……………… 185

中村真一郎について……………………… 187

中村真一郎のこと………………………… 189

匂いと色と響き…………………………… 192

結核と私達………………………………… 193

水平志向の成熟…………………………… 196

『禁色』を読む…………………………… 204

三島由紀夫『私の遍歴時代』…………… 209

花田清輝『復興期の精神』……………… 211

『錯乱の論理』…………………………… 213

ショック療法……………………………… 214

中村光夫と戦後派………………………… 216

中村光夫『想像力について』…………… 219

「ツクエ」探偵…………………………… 221

平野謙の円熟……………………………… 224

本多秋五…………………………………… 230

売れない賞………………………………… 232

『物語戦後文学史』……………………… 235

強い芯を備えた隠者……………………… 237

純粋日本人、藤枝静男…………………… 239

無言の業…………………………………… 241

荒正人……………………………………… 243

荒エレクトロニクス……………………… 247

ストゥルトゥス、ポリティクス………… 250

十九年間の変遷…………………………… 252

「近代文学」の思い出…………………… 256

お喋り族兼推理族………………………… 259

還暦祝い…………………………………… 263

想像力について…………………………… 266

記録型の芸術と渇望型の芸術…………… 280

「難解」と私……………………………… 288

宇宙型と神人型…………………………… 290

竹内好……………………………………… 293

国士竹内好………………………………… 295

竹内好『魯迅』…………………………… 297

*〈戦後文学の党派性〉の底に(桶谷秀昭)…… 299

*解題(白川正芳)……………………… 311

 



第8巻 戦後文学論集 2 1978.11.25

 

序詞―事実と真実についての断片………13

招かれざる酒客………………………………20

田村隆一の姿勢………………………………22

田村隆一『言葉のない世界』………………24

黒田喜夫頌……………………………………29

安東次男『澱河歌の周辺』…………………34

木下順二『ドラマの世界』…………………37

加藤周一『ある旅行者の思想』……………43

長谷川四郎の四季……………………………45

不思議な哲学者………………………………47

古賀剛のこと…………………………………50

中薗英助のこと………………………………53

石川淳の顔……………………………………57

安部公房のこと………………………………60

安部公房『壁』………………………………64

『第四間氷期』………………………………68

存在のどんでん返し…………………………70

吉本隆明の印象………………………………72

安保闘争と近代文学賞………………………76

『芸術的抵抗と挫折』………………………80

江藤淳『作家は行動する』…………………83

『小林秀雄』…………………………………86

現代的知性の構図……………………………89

江藤淳のこと…………………………………95

堀田善衛と開高健………………………… 114

龍の法螺…………………………………… 119

開高健『過去と未来の国々』…………… 122

抵抗のなかの自立………………………… 125

全身小説家、井上光晴…………………… 128

井上光晴の「最高!」…………………… 131

井上光晴『書かれざる一章』…………… 134

『虚構のクレーン』……………………… 136

『死者の時』……………………………… 138

『地の群れ』……………………………… 140

立原正秋の印象…………………………… 142

中井英夫『虚無への供物』……………… 144

推理小説と探偵小説……………………… 145

いいだ・もも『斥候よ 夜はなお長きや』…… 147

闇のなかの一本の蝋燭…………………… 149

森崎和江と第三の性……………………… 152

辻邦生のこと……………………………… 153

青年辻邦生………………………………… 155

木星人、北杜夫頌………………………… 158

百の顔と百の心…………………………… 160

北杜夫の「びつくり顔」………………… 162

『夜と霧の隅で』………………………… 164

『楡家の人びと』………………………… 169

小川国夫の人徳と文徳…………………… 172

倉橋由美子『人間のない神』…………… 174

渋沢龍彦…………………………………… 176

『黒魔術の手帖』………………………… 178

『毒薬の手帖』…………………………… 180

『神聖受胎』『犬狼都市』……………… 182

『サド侯爵の生涯』……………………… 185

『夢の宇宙誌』…………………………… 187

栗田勇のコレスポンダンス……………… 190

苦悩教の始祖……………………………… 193

『悲の器』の頃…………………………… 199

『憂鬱なる党派』の時代………………… 204

『憂鬱なる党派』………………………… 207

真継伸彦の苦渋…………………………… 209

現代の六無斎……………………………… 212

現代の行者、小田実……………………… 215

石堂淑朗のこと…………………………… 217

青年大江健三郎…………………………… 221

大江健三郎『ヨーロッパの声・僕自身の声』…… 224

『個人的な体験』………………………… 226

対立者の論理……………………………… 228

ロビンソンの読書………………………… 234

批評基準の退化…………………………… 241

長篇の時代………………………………… 248

灰色の人生………………………………… 252

自己消費の情熱…………………………… 256

政治の周辺………………………………… 260

闇のなかの思想…………………………… 266

価値転換への試み………………………… 272

多様さの傾向……………………………… 275

私小説との距離…………………………… 278

微笑と残虐の謎…………………………… 281

堅固な実体感……………………………… 284

現実と観念………………………………… 287

二つの傾向………………………………… 290

構成と思想の図式………………………… 293

インテリゲンチャ論……………………… 296

短篇への要望……………………………… 299

《なし崩し》の季節……………………… 301

社会主義のなかの「罪と罰」…………… 306

純文学の建設見積書……………………… 311

*一冊の書物(日野啓三)……………… 317

*解題(白川正芳)……………………… 327

 



第9巻 戦後文学論集 3 1979.5.10

 

序詞………………………………………… 9

太宰治、追悼…………………………………11

堀辰雄…………………………………………13

癌とそうめん…………………………………17

高見さんのサーヴィス………………………20

伊藤さんの予言………………………………24

二人のドン・キホーテ………………………28

大井広介………………………………………32

『文学者の革命実行力』……………………34

梅崎春生をいたむ……………………………36

梅崎文学碑と椎名麟三………………………37

椎名麟三君を悼む……………………………40

宗教と政治と文学と…………………………42

戦後文学の党派性……………………………59

戦後文学の党派性、補足……………………70

はじめの頃の椎名麟三………………………87

「夜の会」の頃………………………………92

椎名麟三の昇華………………………………97

強力な原子核……………………………… 100

花田清輝との同時代性…………………… 102

花田清輝の弁証法………………………… 108

「序曲」の頃……………………………… 115

日沼倫太郎君を悼む……………………… 120

村上一郎君追悼…………………………… 122

高橋和巳君をいたむ……………………… 124

小さな生の焔……………………………… 126

高橋和巳をしのんで……………………… 132

破局への参加……………………………… 148

目に見えぬものを伴侶として…………… 157

精神のリレー……………………………… 170

妄想、アナキズム、夜桜………………… 179

断片的な回想……………………………… 183

最後の二週間……………………………… 185

初期の頃…………………………………… 206

「お花見会」と「忘年会」……………… 215

武田泰淳と百合子夫人…………………… 222

最後の四個月……………………………… 228

落日の夢…………………………………… 243

竹内好の追想……………………………… 250

二つの大患………………………………… 258

戦争中のこと……………………………… 265

敏感な直覚者……………………………… 273

*始源へ到る夢(真継伸彦)…………… 279

*解題(白川正芳)……………………… 289

 



第11巻 紀行文集 1979.8.20

 

姿なき司祭―ソ聯・東欧紀行……………… 7

姿なき司祭………………………………… 9

ドストエフスキイと運転手………………19

《民衆》の顔………………………………47

セルゲイ君…………………………………65

ワルソー・ゲットー………………………91

レーニン・ブールヴァール…………… 116

魔法の町………………………………… 135

町のなかの国境………………………… 154

欧州紀行…………………………………… 179

見知らぬ空港で………………………… 181

キルケゴールの墓……………………… 189

身分制の壁……………………………… 195

ハイデルベルクの花火………………… 206

スイスでの遺失物……………………… 214

ヨーロッパの記念碑…………………… 218

「魔法の森」の啓示…………………… 222

首のない像……………………………… 226

三組の花嫁……………………………… 232

米の味…………………………………… 249

*自我の復活(小川国夫)……………… 267

*解題(白川正芳)……………………… 275

 



第12巻 映画論集 1979.11.30

 

I 闇のなかの思想―形而上学的映画論……11

死の意味……………………………………13

心のなかの国境……………………………19

二つの明暗…………………………………25

創造と記録について………………………32

無自覚な汚れ………………………………39

記憶の不思議さ……………………………45

戦争と革命のあいだ………………………52

白と黒のなかの物体感……………………59

無責任の体系………………………………64

奇妙な過渡期………………………………66

永遠の裸体…………………………………71

感動と恐怖の二重構造……………………78

慣習からの離脱……………………………81

悪魔観の退歩………………………………89

暗さの魅力…………………………………96

裁きの論理…………………………………98

未来への恐怖…………………………… 103

事実の内的過程………………………… 106

動と静のリズム………………………… 111

州境いの川……………………………… 118

死の上の生……………………………… 126

II…………………………………………… 135

二つの射殺……………………………… 137

革命の墓碑銘―エイゼンシュテイン『十月』…… 143

『私に殺された男』…………………… 150

二重操作の顔…………………………… 154

『ロベレ将軍』………………………… 158

暗黒の一体感…………………………… 160

外と上からの解放―『パリは燃えているか』…… 163

政治における共感の難かしさ―アラン・レネ『戦争は終つた』…… 170

悪徳と美徳の組合せ―『アルジェの戦い』…… 174

『この目でみたソ連』………………… 180

魂の二重性―『マドモアゼル』……… 183

巨大な無関係―『欲望』……………… 190

白夜のなかの表情……………………… 197

生物の進化と想像力と―『ローズマリーの赤ちやん』…… 202

頷きあいの彼方―『テオレマ』を観て…… 207

一枚のエルンストの絵に―塙書房『文学読本』…… 210

エルンストの《物霊》………………… 215

クービンの絵に寄せて………………… 218

一杯の魔女の図に……………………… 222

ロバート・フランクの写真集に……… 225

記念すべき小説と絵画の婚姻………… 227

映画のなかの日本―木下恵介の映画を見て…… 230

事物の変化の瞬間―『忍者武芸帳』… 236

真実の多面性―『絞首刑』をめぐつて…… 242

映画と国家意識………………………… 246

苦渋の勝利―『審判』………………… 249

フォークナーの映画…………………… 252

『崖』…………………………………… 255

飢えのなかの鶏………………………… 257

『白痴』………………………………… 260

『白痴』寸感…………………………… 263

三つの映画『白痴』…………………… 268

生かされた「重い味」―『カラマーゾフの兄弟』…… 271

*金魚鉢のなかの金魚(渋沢龍彦)…… 275

*解題(白川正芳)……………………… 283

 



第13巻 回想 思索集 1980.3.31

 

I ……………………………………………… 7

裂け目の発見―文学的小伝……………… 9

『資本論』と私……………………………17

平田さんの想い出…………………………22

伊東三郎の想い出―「農民闘争」時代のこと……29

或る時代の背景……………………………38

II 影絵の時代 ………………………………51

発足の日……………………………………53

政治と文学と………………………………61

戦後の畸人達………………………………86

「夜の会」のこと…………………………96

「近代文学」の存続…………………… 104

戦後の病歴……………………………… 141

回復期の仕事…………………………… 157

III ………………………………………… 163

宇宙型と神人型………………………… 165

思想の幅………………………………… 168

IV 薄明のなかの思想―宇宙論的人間論…… 171

生誕について…………………………… 173

意識について…………………………… 179

存在について…………………………… 187

愛について……………………………… 196

性について……………………………… 203

政治について…………………………… 207

革命について…………………………… 216

芸術について…………………………… 227

死について……………………………… 239

宇宙について…………………………… 245

*あとがき………………………………… 256

*〈のつぺらぼう〉と〈仏〉(森川達也)…… 261

*解題(白川正芳)……………………… 273

 



第14巻 対談 1 1980.8.5

 

序詞………………………………………… 7

文学創造の秘密(秋山駿,森川達也,埴谷雄高)……11

私の文学を語る(秋山駿,埴谷雄高) ……38

『闇のなかの黒い馬』を語る(古屋健三,埴谷雄高)……64

革命と死と文学(大江健三郎,埴谷雄高)……87

夢と想像力(高橋和巳,埴谷雄高) …… 128

私と『罪と罰』(上総英郎,埴谷雄高)…… 151

ドストエフスキイと現代(秋山駿,埴谷雄高)…… 181

文学の論理と政治の論理(真継伸彦,埴谷雄高)…… 207

戦後文学と思想性(白川正芳,埴谷雄高)…… 226

自由と存在(野間宏,埴谷雄高) ……… 243

*埴谷さんの宇宙圏の中で(辻邦生)… 275

*解題(白川正芳)……………………… 283

 



第15巻 対談 2 1981.1.9

 

序詞………………………………………… 7

思索的渇望の世界(吉本隆明,秋山駿,埴谷雄高)……11

意識 革命 宇宙(吉本隆明,埴谷雄高)…… 128

「意識 革命 宇宙」注釈……………… 187

〈少年〉と〈夢魔〉(大岡昇平,埴谷雄高)…… 230

原点としての「南」(島尾敏雄,埴谷雄高)…… 261

文学の世界と学問の世界(丸山真男,埴谷雄高)…… 287

*政治と風俗の遠景(磯田光一)……… 321

*解題(白川正芳)……………………… 329

 



別巻 埴谷雄高論 1972.11.30

 

“あつは”と“ぷふい”(武田泰淳)…… 7

埴谷雄高論(吉本隆明)……………………11

逸脱の論理(高橋和巳)……………………25

小説は改変する(秋山駿)…………………58

『死霊』入門(本多秋五)…………………75

死者もまた夢をみる(遠丸立)………… 103

『死霊』論(桶谷秀昭)………………… 127

ロマネスクの反語(菅谷規矩雄)……… 143

『不合理ゆえに吾信ず』論・覚え書(藤一也)…… 181

原初に自発するもの(日野啓三)……… 197

虚無主義の形成(鶴見俊輔)…………… 216

永久革命者とは何か(吉本隆明)……… 244

国家と存在の告発(伊藤成彦)………… 254

死滅せざるアナーキズム(宮内豊)…… 274

埴谷雄高の想像力(竹内泰宏)………… 291

潜行と飛翔(森川達也)………………… 314

非在と意識(粟津則雄)………………… 334

「論理の忌まわしさ」について(白川正芳)…… 349

闇へ(諸田和治)………………………… 386

自殺の形而上学(磯田光一)…………… 406

*埴谷雄高年譜白川正芳〔編〕………… 425

*参考文献一覧白川正芳〔編〕………… 443


☆ 全国図書館でも『埴谷雄高作品集』(河出書房新社)は閲覧可能だとおもわれる。現金正価格で全巻購入する価値はないだろう。埴谷雄高の真の読者なら、作品以外は閲覧読書で把握できる内容。

 

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2017年07月09日

埴谷雄高 独白「死霊の世界」

わが国初の形而上小説、今世紀最大の実験小説、『死霊』。この未完の作品で、作者は何を語ろうとしているのか。


NHK・ETV特集のために埴谷氏は、作品『死霊』の自己解説とともに、文学や哲学、戦争・政治・革命、さらに人間存在と宇宙について、70時間にわたり熱烈に語った。1997年2月19日、埴谷氏逝去。われわれと宇宙に向けて放たれた「遺書」となった。


埴谷雄高の独白した重要と思える言葉は、全て筆記してノートか頭脳へ記憶しておきたまえ。そうしないと《自同律の不快》などは録画しても、意識する深部へは届かない。さもなければ、「死霊の世界」一切を記憶から消してしまう共犯者となるのだ。

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再発見 日本の哲学 埴谷雄高――夢みるカント (講談社学術文庫)

埴谷雄高は、『死霊』という難解なことで有名な小説の作者として知られています。一方で、『死霊』は、みごとな情景描写もちりばめられた、きわめて魅力的な小説でもあります。
埴谷の有名な言葉に「自同律の不快」があります。埴谷の哲学を象徴する言葉と言っていいでしょう。
では、これは、いったいどういう意味なのか。そして、小説の形で表現された、埴谷の哲学とは、どのようなものなのか。
伝記的な事実を持ち出せば、戦前の日本共産党の非合法活動に参加し、逮捕されたあと、未決囚の独房の中で、天野貞祐訳、カント『純粋理性批判』と出会います。そこから、埴谷は、終生、哲学的思索を続けるわけです。
本書は、自身、カント『純粋理性批判』をはじめとするいわゆる「三批判書」のきわめて優れた翻訳を世に問うた哲学者による、渾身の埴谷雄高論です。
『死霊』によりそいながら、「私はほんとうに私なのか」という埴谷の「存在の哲学」を読み解き、戦後日本を代表する哲学的思索の全貌を、端正な文体で明らかにする力作です。

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熊野 純彦 1958年生まれ。東京大学人文科学研究科博士課程修了。現在、東京大学教授。専攻は、哲学、倫理学。主な著書に、『レヴィナス』(岩波書店)、『西洋哲学史』(岩波新書)、『ヘーゲル』(筑摩書房)、『マルクス資本論の思考』(せりか書房)など。また、訳書にカント『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』(作品社)、ハイデガー『存在と時間』(岩波文庫)などがある。


《死霊の世界》は独房でのカント哲学から始まり、構想されたと埴谷雄高さんは語っていた。この底辺の押えは必須だろうと思える。


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2017年06月28日

電子図書

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さすがに現在は、上図版のような貸本劇画などを収集して読む気力はない。

デジタル図書は過去の大作を手軽に見るに適していると感じる。

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少年向け雑誌に長期連載されていたことに、時代を感じる長編劇画の世界である。
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2017年06月27日

『デビルキング』さいとうたかを

自然原理主義とでも呼ぶべき、アンチ・近代科学技術・思想を持つ天才生物科学者が、科学的、生物学的に人間を巨大化させて、「神」を人工的に作り出し、その「神」の力によって愚昧な現代人を覚醒・啓蒙することを試みる。

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巨人は某国の秘密機関に「デビルキング」と命名される。自分の意思に反して巨大化させられた男の葛藤と変化、男の弟の兄弟愛も大きなウエイトを占める。


大きな支配力を有する宗教団体、某国の秘密機関、私利私欲のためにデビルキングの秘密を独り占めしようとする反社会的な一団、様々な勢力がデビルキングを巡って、暗闘する壮大なスケールのSF劇画。 


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『デビル・キング』20世紀ファンタジー・S F劇画

[作並構成]さいとう・たかを.

 作画 さいとうプロ


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貸本版が1964年から4部まで刊行、本来は5部完結予定。雑誌版は『週刊少年サンデー』に1969年31号から1970年17号まで連載された。雑誌版のほうは「貸本版のリメイク版」として、少年向けに描かれたが、人気作品とはならなかったが、続編を望むコアなファンもいる。貸本版はその後復刊も再録もされていない。雑誌版のほうは単行本の入手が容易で、電子版も流通している。

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2017年06月11日

『夜のガスパール レンブラント、カロー風の幻想曲 アロイジウス・ベルトラン散文詩集』風の薔薇 1983/岩波文庫 1991


シュールレアリストに評価された怪奇と幻想の詩人ベルトラン。詩集夜のガスパール』後半を破棄しようとしていたが、散文詩の理想として「第一の書」があった。死の翌年にサントブーヴとダヴィット・ダンジュにより夜のガスパール』は出版されたが、世に知られることはなかった。後にボードレール、マラルメに称賛され、モーリス・ラベルが「オンディーヌ」「絞首台」「スカルボ」の三編をテーマとしたピアノ曲を作曲するにいたってようやく名声を得た。
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ロマン派全盛の時代にあって、散文形式の叙述による詩という新しい形式、そして、客観的な幻想性というシュールレアリストに受け継がれる表現を創始した作品。

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夜のガスパール』原典は65編の詩と序文からなるが、ラベルがとり上げた三編と比較的親しみやすい二編を抜粋し「夜のガスパール 抄」として訳出。

庄野 健氏による新訳夜のガスパール』もあり、読み比べをお勧めします。

https://www.amazon.co.jp/%E5%BA%84%E9%87%8E-%E5%81%A5/e/B00AWOPZKO

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2017年06月03日

静かに、我意を捨て、深い本当の自己の充溢とともに他人に近づく

 生はとても優しく、静かで、捕まえることができない。力づくでは手に入らない。力づくでものにしようとすれば、生は消えてしまう。生を捕まえようとしても、塵しか残らない。支配しようとしても、愚か者の引きつり笑いをする自分の姿が見えるだけ。

 生を欲するのなら、生に向かって、木の下にやすらぐ鹿の親子に近づくように、そっと、歩を進めなくてはいけない。身振りの荒さ、我意の乱暴な主張が少しでもあると、生は逃げていってしまい、また探さなくてはならなくなる。そっと、優しく、かぎりなく繊細な手と足で、我意をもたない自由で大きな心で、生にまた近づいていって初めて、生と触れあえる。花はひったくろうと手をのばすだけで、人生から永遠に消えてしまう。我意と貪欲に満ちた気持で他人に近づいてゆくと、手の中に掴むのは棘だらけの悪魔で、残るのは毒の痛みばかり。

 しかし、静かに、我意を捨て、深い本当の自己の充溢とともに他人に近づくことができる。人生で最上の繊細さを、触れあいを知ることができる。足が地面に触れ、指が木に、生き物に触れ、手と胸が触れ、体全体が体全体と触れる。そして、燃える愛の相互貫入。それこそが生。わたしたちは皆、触れることで生きている。
『チャタレー夫人の恋人』ロレンス
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2017年05月29日

ジョン・ル・カレの自伝

静かな怒りが造型する世界
《映画「裏切りのサーカス」でゲイリー・オールドマン演ずるスマイリーのモデルは、恩師だったと明かされる。作品中でスマイリーが最も魅力的に造型されたのもうなずける》

地下道の鳩 ジョン・ル・カレ回想録』新聞書評


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「地下道の鳩 ジョン・ル・カレ回想録(THE PIGEON TINNEL)」刊行

http://d.hatena.ne.jp/honyakumystery/touch/20170314/1489448581


無料試し読みサイト

https://note.mu/hayakawashobo01/n/n3baad5a0f6ef


ジョン・ル・カレ(John le Carré、1931年10月19日 - )英語ドーセット・プール出身。秘密情報の収集と情報工作を、在ボン大使館や在ハンブルク領事館で任務。外交官として働く傍ら、経験を元に小説を書き始めて、『死者にかかってきた電話』で小説家デビュー。1963年の『寒い国から帰ってきたスパイ』でエドガー賞 長編賞を受賞、世界的に評価を得る。映画化された原作の作品が多い。息子は作家ニック・ハーカウェイである。


posted by koinu at 11:36| 東京 ☀| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする