装置をはずした舞台にまだ
二つ三つ星がころがっているからといって
睫毛の塵を星雲とこころえることもあるまい
みずからの美貌にみとれた神に
むかしの台詞を思い出させるなどは
どんな賢い人にもできなかったことだ
欲望を耕すのをやめれば
髪の毛はひとりでにしずかに枯れてくる
神は捨てもしないし拾いもしない
これという今がないので
時間はみみずに似てくる
あやしげな足場の上で
人は未完の背景を描くのに疲れた
(多田智満子「疲れ」)
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |