2021年10月08日

『猿と女とサイボーグ ―自然の再発明』ダナ・ハラウェイ

ポリティクス‐サイエンスの分析のために必要な前提は3つの境界の崩壊によって起こったという。

〈人間と動物の境界の崩壊〉
人間は動物=自然とは唯一異なる存在であると考える西欧的な思考がある。これは主に創造説に由来すると考えられる。この支配的な思考は生物学と進化論によって覆された。

〈動物−人間(生体)と機械との間の境界の崩壊〉
生体である動物や人間と機械との間には主体/客体、能動/受動、書くこと/書かれること、の区別があったが、それはもはや言えない。

「我々の機械は不穏なほどに元気がよいし、その一方で我々自身はといえば、驚くほど活気がない。」(p.292)

〈物理的なものと物理的ならざるものとの境界の崩壊〉
今の社会ではどこに機械・物理学が物質的・政治的に存在しているか不明瞭である。物理的なものはどこに存在し、我々を支配しているのか分からない。
=ポリティクスとしてのサイエンス(フーコーの権力・知の政治をより拡張)
 
以上のような3つの境界の崩壊にもかかわらず、アメリカの社会主義者やフェミニストの大半が一層深い二元論を想定している(p.295)


『猿と女とサイボーグ ―自然の再発明』内容紹介
ジェンダー/セクシュアリティ/階級/文化を規定する <自然>概念を内破させるために 霊長類学、免疫学、生態学など、生物化学が情報科学と接合される―。 
高度資本主義と先端的科学知が構築しつづける 
<無垢なる自然>を解読=解体し、 
フェミニズムの囲い込みを突破する闘争マニュフェスト。 

著者ダナ・ハラウェイ, 1944年コロラド州デンバー生まれ。イェール大学で実験生物学から科学史に転じ、生物学の博士号を取得。1980年からはカリフォルニア大学サンタクルーズ校で科学技術論とフェミニズム理論を論じ、現在は名誉教授 。
posted by koinu at 13:00| 東京 ☁| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする