2021年09月01日

レオ・レオーニ 「6わのからす」

原題「Six Crows」邦訳版は谷川俊太郎さんの訳で、佑学社の改訂版。


敵だと思いこんでいた相手とだって、ちゃんと話せば、きっとわかりあえる!大切なことをやさしく教えてくれる、レオ・レオーニの名作絵本。

農民たちはカラスに麦を食べられるので困っています。いろいろ防御してもカラスはそれに対抗手段する。

疲れ果てて農民は農作業を放棄すると、麦ができないのでカラスは困まる。両者困ったところで、フクロウが知恵を出してくる。

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【本書より】

 バルバドゥールの おかの ふもとの しずかな たにま。

 むぎを めぐって、6わの からすと ひとりの のうふが あらそいます。

 たがいに ちえくらべを している あいだに、むぎは ほったらかされ しおれていきます。

 そんなようすを みていた 1わの ふくろうが・・・

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 不毛な争いを続ける農夫とカラスたち。ただ相手に勝つことだけに夢中になって、現実的な解決や改善からはどんどん遠ざかります。

 そんな農夫とカラスの知恵比べを見て、ふくろうは、「のうふと からすと、ばかなのは どっちかね」と思います。

 

ふくろうは静かに語る。

「はなしあいに ておくれは ないよ」

「ことばには まほうの ちからが ある」

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作者:レオ・レオーニ(Leo Lionni

19101999年)

1910年、オランダのアムステルダムに生まれる。

イタリアで広告関係の仕事をした後、1939年に渡米。

絵本作家として、また国際的なデザイナーとして活躍。

主な絵本に『あおくんときいろちゃん』(至光社)、『スイミー』『フレデリック』(好学社)、『いろいろ1ねん』 『どうするティリー?』 『チコときんいろのつばさ』(あすなろ書房)など。

posted by koinu at 20:19| 東京 🌁| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする