原題「Six Crows」邦訳版は谷川俊太郎さんの訳で、佑学社の改訂版。
敵だと思いこんでいた相手とだって、ちゃんと話せば、きっとわかりあえる!大切なことをやさしく教えてくれる、レオ・レオーニの名作絵本。
農民たちはカラスに麦を食べられるので困っています。いろいろ防御してもカラスはそれに対抗手段する。
疲れ果てて農民は農作業を放棄すると、麦ができないのでカラスは困まる。両者困ったところで、フクロウが知恵を出してくる。
【本書より】
バルバドゥールの おかの ふもとの しずかな たにま。
むぎを めぐって、6わの からすと ひとりの のうふが あらそいます。
たがいに ちえくらべを している あいだに、むぎは ほったらかされ しおれていきます。
そんなようすを みていた 1わの ふくろうが・・・
不毛な争いを続ける農夫とカラスたち。ただ相手に勝つことだけに夢中になって、現実的な解決や改善からはどんどん遠ざかります。
そんな農夫とカラスの知恵比べを見て、ふくろうは、「のうふと からすと、ばかなのは どっちかね」と思います。
ふくろうは静かに語る。
「はなしあいに ておくれは ないよ」
「ことばには まほうの ちからが ある」
作者:レオ・レオーニ(Leo Lionni)
(1910〜1999年)
1910年、オランダのアムステルダムに生まれる。
イタリアで広告関係の仕事をした後、1939年に渡米。
絵本作家として、また国際的なデザイナーとして活躍。
主な絵本に『あおくんときいろちゃん』(至光社)、『スイミー』『フレデリック』(好学社)、『いろいろ1ねん』 『どうするティリー?』 『チコときんいろのつばさ』(あすなろ書房)など。