2021年07月29日

どぶろくの尻(山形県)

どぶろくの尻(山形県)

【あらすじ】

昔、山形の高松のある村に、源兵衛(げんべえ)という爺さまが婆さまと住んでいた。二人は大の酒好きだったが、この辺りの村では、お酒を作るとたっぷりと税金を取られるのだった。源兵衛の貧しい村では税金は払えないので、皆、こっそりとどぶろく(酒)を作っていた。


ある年の暮の事、源兵衛が山にでかけている間に、ひょっこりと酒横目(酒を取り締まる役人)が見回りにやって来た。酒横目が、源兵衛はどこか?と尋ねると、婆さまは村中に聞こえるように大声で叫んだ。「爺さまー、酒横目さまがござったよー」それを聞いた村人たちは、大急ぎで自分たちのどぶろくを隠し、おかげでどの家の酒もバレずにすんだ。


その夜、囲炉裏(いろり)の上に隠していたどぶろくのカメ(壺)を降ろそうと、源兵衛はハシゴに登った。そのカメはとても重く、婆さまに手伝ってもらおうと「けっつ(尻)をおさえてくんろ」と頼んだ。


はしごの下にいた婆さまが、「ほい、おさえたよ」と答えたため、源兵衛が手を放すと、カメは床に落ちガシャンと割れてしまった。婆さまは、カメの尻をおさえたのではなく、自分の尻をおさえていた。


源兵衛はがっかりしたが、村人たちが少しずつどぶろくを持ち寄ってくれたので、カメ2杯分も集まった。おかげで、源兵衛の家でも良い正月を祝う事ができた。


(講談社『まんが日本昔ばなし』決定版100より)


〈村のことわざ〉

みそ買う家は倉建たぬ

女房と味噌は古いほど良い

五割の金を借りても

味噌をつくれ

「何でも古いほど味わいが出て良いという伝えである。味噌も古くなると熟成されて味がよくなり、妻も長年連れ添うと円満さも増していく」

posted by koinu at 13:00| 東京 ☁| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする