2021年06月06日

『空が青いから白をえらんだのです』奈良少年刑務所詩集 (新潮文庫)

奇跡の詩集! 受刑者たちの言葉、切実さに、誰もが胸を打たれる――。朝日新聞、毎日新聞、など各紙誌で話題。


受刑者たちが、そっと心の奥にしまっていた葛藤、悔恨、優しさ……。童話作家に導かれ、彼らの閉ざされた思いが「言葉」となって溢れ出た時、奇跡のような詩が生まれた。美しい煉瓦建築の奈良少年刑務所の中で、受刑者が魔法にかかったように変わって行く。彼らは、一度も耕されたことのない荒地だった──「刑務所の教室」で受刑者に寄り添い続ける作家が選んだ、感動の57編。


奈良少年刑務所詩集【目次】

はじめに

くも

金色

銀色

すきな色

ぼくのすきな色

夏の防波堤

ゆめ

夢と希望と挫折

朝だ 仕事だ

ソフトボール大会

衛生夫

好きな仕事

青バッジ

言い訳にするな

強がり

生きる

言葉

時間

暑い

消えた赤い糸

生きること

妄想

ありがとう

まほうの消しゴム

つぐない

恥曝しの末路

メール

今感じること

あたりまえ

青いイルカの物語

雨と青空

お母さん

バカ息子からおかんへ

誕生日

もうしません

ごめんなさい

いつからだろう

おかあさん?

誓い

一直線

いつも いつでも やさしくて

おかん

期待

拝啓オカンへ

空白

クリスマス・プレゼント

一恵

二倍のありがとう

ぼくのママ

母の日

二人のお母さん

こんなボク

戦士交代

あなたのこども


詩の力 場の力 寮美千子

文庫版あとがき

https://ryomichico.net/


〈矯正教育の一環としての改善指導。その一つに、奈良少刑は、「社会性涵養プログラム」として、童話作家の寮美千子さんに詩を通じての指導をお願いしました。寮先生は、詩作を「生徒(受刑者)」にさせます。そこで生まれた詩を、矯正展でパネル展示したことが、多くの人に衝撃を与えます。パネルの前で立ち止まり、息を呑んで詩をみつめる人、涙ぐむ人、写真を撮る人。それらの人が口々に「詩集はないのですか?」と尋ねます。教育統括始め、授業に立ち会い感激していた教育係の教官たちが思いを持って出版にふみきったのがこの詩集です。(教官が共感したのです)〉


「ぼくのすきな色は青色です つぎにすきな色は赤色です」


何も書くことがなかったら好きな色について書くように言われた子の詩。

これに対して他の受刑者が「好きな色を二つも聞けてよかったです」と感想を述べたらしいです。


寮美千子 東京生まれ、千葉育ち。外務省勤務、コピーライターを経て1986年、毎日童話新人賞を受賞。2005年、『楽園の鳥』で泉鏡花文学賞を受賞。翌年、古都に憧れ、首都圏より奈良に移住。絵本、詩、小説、自作朗読と幅広く活躍中。主な著書に『星兎』『夢見る水の王国』『ラジオスターレストラン 千億の星の記憶』など。

posted by koinu at 14:51| 東京 ☀| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする