2020年07月01日

『二壜のソース』ロード・ダンセイニ(早川書房)

ナムヌモは肉によく合うソースで調味料の行商人は、頭切れて気味の悪いくらいズバリと真相をあてる紳士と出会う。部屋に同居すると、行商人はその紳士リンリイさんに、或る殺人事件を解いてみないかと持ちかける。


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とある村で同居していた男女の部屋から女性だけが忽然と消え失せて、彼女の資産は男のものになる。何日待っても女が戻ってこない、警察を含む周囲の人は男が彼女を殺したとの嫌疑をかけるが、部屋を探しても遺体らしきものは発見できず、遺体を焼いた形跡も残っていない。


男の行動で異変があったのは、彼女が失踪してからの数日間、家の周囲のカラマツを男は一本一本切り倒して、それを薪にした。

その薪を死体を燃やすのに使ったのでは? との推測もむなしく、薪は一つとして使われることなく家の前に積み上げられるばかりである。


行商人は男がナムヌモソースを二壜買ってくれたから、この事件に興味を持ち、リンリイさんに解決を持ちかけた。リンリイさんは行商人にいくつか質問をして、カラマツが何故1本1本切り倒されたかの真実にたどりつく――。


作品の最後の一文にたどり着くまでの構図と余韻が残る短編ミステリー。


世界短編傑作集3(創元推理文庫)収録


「二壜のソース」ロード・ダンセイニ短編集、訳/小林晋(早川書房)

〈著者紹介〉1878年生まれのアイルランド人。1905年の『ペガーナの神々』をはじめとするファンタジイ作品で名高い。イェイツなどとともにアイルランド文芸復興に取り組んだことでも知られる。1957年没。」


目次:

二壜の調味料

スラッガー巡査の射殺

スコットランド・ヤードの敵

第二戦線

二人の暗殺者

クリークブルートの変装

賭博場のカモ

手がかり

一度でたくさん

疑惑の殺人

給仕の物語

労働争議

ラウンド・ポンドの海賊

不運の犠牲者

新しい名人

新しい殺人法

復讐の物語

演説

消えた科学者

書かれざるスリラー

ラヴァンコアにて

豆畑にて

死番虫(しばんむし)

稲妻の殺人

ネザビー・ガーデンズの殺人

アテーナーの楯

posted by koinu at 15:00| 東京 ☀| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする