2020年06月13日

『ポンペイ夜話』ゴーチエ

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紀元79年8月24日ヴェスヴィオ山の噴火で、ポンペイは一瞬で死の都となった。

ナポリ近郊へ遺構見学に、フランス人の学生たちが旅行にやってくる。その3人のうちオクタヴィヤンは博物館なものに強く興味を引かれた。溶岩に包まれて、乳房の輪郭などが艶めかしく浮き出た女性の押し型。この女性はどんな人だろうと想像すると胸が高鳴る。

その日の夜に、突然不思議な感覚に襲われて、壊滅する以前のポンペイへ跳ぶのだった。あの押し型の女性はアッリア・マルチェッラという。時の皇帝ティトゥス帝から解放された、奴隷ディオメデスの娘だった。理解できないまま不思議に身を委ねるオクタヴィヤンと彼女は、一夜をともにしようとする。時を超えた愛撫と交接。

「信仰は神をつくり、愛は女をつくり、誰からも愛されなくなったとき、はじめて人はほんとうに死ぬのです」

力強い祈りは、千年以上の距離をなくす。

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ピエール・ジュール・テオフィル・ ゴーチエ(Pierre Jules Théophile Gautier,1811830 - 18721023日)フランスの詩人・小説家・劇作家。文芸批評、絵画評論、旅行記も残した。

posted by koinu at 09:42| 東京 ☔| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする