『飢餓海峡』水上勉の推理小説。
1962年1月から1962年12月まで週刊朝日に連載、加筆して1963年に朝日新聞社刊行。その後に新潮文庫で刊行、2005年に河出書房新社にて刊行。
映画『飢餓海峡』1965年製作
【撮影】ロケは東京、下北半島、北海道、舞鶴の各地で行われる。映画撮影には現代の日本人全体がおかれている"飢餓"の状況を描くには、従来の方法でダメだと思い、流麗な画面ではなく、苦渋に充ちた画面を求めた。16ミリで撮影されたモノクロフィルムを35ミリにブロー・アップさせた「W106方式」を開発。ザラザラとした質感や、現像処理で動く銅版画のような画調をもたらす「ソラリゼーション」など、小型映画によく見られた実験的手法を積極的に導入する。
映像は日本映画のウェット感とは一線を画した、渇いた硬質の印象となる。
【スタッフ】
製作:大川博 脚本:鈴木尚之
監督:内田吐夢 音楽:冨田勲
《出演》
樽見京一郎/犬飼多吉:三國連太郎
杉戸八重:左幸子
弓坂吉太郎刑事・元刑事:伴淳三郎
味村時雄刑事:高倉健
杉戸長左衛門:加藤嘉
本島進市:三井弘次
本島妙子:沢村貞子
ほか