2020年04月26日

文字「五・七・五・七・七」のリズム。

○ 穂村弘さん短歌カレンダー


停止中のエスカレーター降りるたび声たててふたり笑う一月   


九官鳥しゃべらぬ朝にダイレクトメール凍って届く二月 


フーガさえぎってうしろより抱けば黒鍵に指紋光る三月 


郵便配達夫(メイルマン)の髪整えるくし使いドアのレンズにふくらむ四月


「あなたがたの心はとても邪悪です」と牧師の瞳も素敵な五月


泣きながら試験管振れば紫の水透明に変わる六月


限りなく音よ狂えと朝凪の光に音叉投げる七月


プードルの首根っ子押さえてトリミング種痘の痕なき肩よ八月


にされた眼鏡が砂浜で光の束をみている九月


錆びてゆく廃車の山のミラーたちいっせいに空映せ十月


水薬の表面張力ゆれやまず空に電線鳴る十一月


風の夜初めて火をみる猫の目の君がかぶりを振る十二月


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学生時代に図書館で現代短歌を読んだ、穂村さんが何んか書けそうだと一年カレンダーを記したもの。『短歌という爆弾』という伝説の入門書に、出会いが詳しく書いてあります。

文字「五・七・五・七・七」のリズム。外出規制の中で、これを読んだ人がまた「短歌」やれそうだ、と思ったりするのかも知れない。

posted by koinu at 11:00| 東京 ☀| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする