2020年04月10日

『虎の威を借る狐』中国笑話

『虎の威を借る狐』
 楚の宣王が群臣にたずねた。
 「北方の国々では、わが国の宰相昭奏仙をおそれているということだが、ほんとうはどうなのか」
 誰も答える者がなかった。すると遊説家の江乙が進み出ていった。
「虎は、あらゆる獣を食い殺します。あるとき虎が一匹の狐を捕えましたところ、その狐は虎にこういいました。
 「あなたは、わたしを食べてはなりません。なぜなら天帝はわたしを百獣の王と定められているからです。あなたがわたしを食い殺すことは天帝のお心に背くことになります。もしわたしの云うことが信じられないなら、わたしがあなたの先に立って歩いてみますから、あなたは後から付いて来て、百獣がわたしを見てどうするかを御覧なさい。百獣はわたしを怖れて、みなこそこそと逃げ隠れるはずですから」
 虎は頷いて、狐と一緒に出かけました。狐と虎の姿を見ると、百獣はみな逃げだします。虎は百獣が自分を怖れているのだと気づかず、狐をおそれてそうするのだと思いました。
 ところで王の地は五千里四方、軍兵は百万。王はこれを専ら昭笑惶に委ねておいでです。北方の国々が昭笑仙を怖れますのは、実は王の軍勢を怖れているのであって、其れは丁度百獣が、狐をではなく、虎を怖れるのと同じことでございます」
    漢書(東方朔伝)

『半分わけ』
 兄弟が共同で畑を作った。収穫のときになって、兄が弟にいった。
 「半分わけにしよう。おれが上半分を取るから、おまえは下半分を取れ」
 「それは不公平じやないか」と弟がいうと、兄は、
 「そんなことはない。来年はおまえが上半分を取り、おれが下半分を取ることにすれば同じじやないか」
さて、翌年になって、弟が兄に種蒔きをせかせると、
「そう急ぐことはない。今年は芋をつくるんだから」(笑府) 
posted by koinu at 09:00| 東京 ☀| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする