2019年12月02日

20世紀ラテンアメリカ短編集〔岩波文庫〕

ヨーロッパの前衛,熱帯の自然,土着の魔術と神話が渾然一体となって蠱惑的な夢を紡ぎだす大地ラテンアメリカ。ガルシア=マルケス、バルガス=リョサなどはもちろん、アストゥリアス、パスなどの先行世代、アジェンデ、アレナスなどのポスト・ブームの作家まで、20世紀後半に世界的ブームを巻き起こした南米文学の佳篇16篇。


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「多民族・多人種的状況/被征服・植民地の記憶」「暴力的風土・自然/マチスモ・フェミニズム/犯罪・殺人」「都市・疎外感/性・恐怖の結末」「夢・妄想・語り/SF・幻想」の四部構成。


【収録作品】

 「青い花束」オクタビオ・パス

 「チャック・モール」カルロス・フエンテス

 「ワリマイ」イサベル・アジェンデ

 「大帽子男の伝説」ミゲル・アンヘル・アストゥリアス

 「トラスカラ人の罪」エレーナ・ガーロ

 「日 蝕」アウグスト・モンテローソ

 「流れのままに」オラシオ・キロガ

 「決 闘」マリオ・バルガス=リョサ

 「フォルベス先生の幸福な夏」ガブリエル・ガルシア=マルケス

 「物語の情熱」アナ・リディア・ベガ

 「醜い二人の夜」マリオ・ベネデッティ

 「快楽人形」サルバドル・ガルメンディア

 「時 間」アンドレス・オメロ・アタナシウ

 「目をつぶって」レイナルド・アレナス

 「リナーレス夫妻に会うまで」アルフレード・ブライス=エチェニケ

 「水の底で」アドルフォ・ビオイ=カサーレス


「なんとも危なっかしい状況だ。破局に向かいつつある夫婦のいる家に人質になった、愛情のもつれから抜け出したばかりの世話の焼ける女流作家、その家には神経の切れかかったもしくはすでに切れてしまった同郷の女性、捕えた旅行者に迫る既婚の狩猟家、聴診器を手にアバンチュールを求めてうずうずしている医者、コンプレックスと嫉妬の固まりの医者の妻、お節介な姑がいるのだ。ベルトラン・ブリエなら命を引き換えにしてでも映画を撮りたいと思うはずの、このやりたい放題、自由競争の共同体の中でただひとり、ムッシュ・ベレーだけが平然として、精神的バランスのとれた人物像を保ち続けている」アナ・リディア・ベガ


16人の作家の16本の短篇のうち7篇が既に雑誌等に掲載、以下の8篇が初訳。アジェンデ『ワリマイ』、ガーロ『トラスカラ人の罪』、モンテローソ『日蝕』、キロガ『流れのままに』、ベネディッティ『醜い二人の夜』、ガルメンディア『快楽人形』、アレイナス『目をつぶって』、ビオイ・カサーレス『水の底で』が初出となっている。

posted by koinu at 14:00| 東京 ☁| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする