2019年05月05日

仔犬の散歩跡 子供の日は散歩に行きましょう

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「むかし楊朱という人、岐れ路を見て泣いた。右か左か、いずれの路を行くべきか分らぬ。思い切って一方の路を行ってもまたその先に岐路があり、次々と新たな選択を強いられよう。いわば可能性の迷路が待ちかまえているのだ。

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 人生のおもしろさは、切りすてたと思いあきらめた可能性が時に復活し、右と左の路が意外な地点で合流することにあるのだが、しかしたいていの場合、岐路に出会った時点では先が読めない。将棋の名人のように先を見通すわけにいかないので、考えれば考えるほど、未来にひろがる無限の迷路が網の目のように心をからめとる。しかも岐れ路のいずれをえらぶかについて、人は自由なのだ。その自由が人を戸惑わせ、立ちすくませる。

むかし、岐れ路を見て泣いた男があった。」

多田智満子『犬隠しの庭』より

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posted by koinu at 05:10| 東京 ☀| 散歩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする