デビューから50年以上たった今でも、精力的にライブを続け、歌い続ける沢田研二(75)。4月からは2024年のツアーがスタート予定で、またジュリーの歌声に酔いしれることができそうだ。
沢田研二の曲の中で最も好きな曲についてアンケートを実施。名曲の中で、ファンはどの曲を「ベストワン」に選んだのか。
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■【10位 あなたに今夜はワインをふりかけ 48票】 10位はB面の名曲がランクイン! 22枚目のシングル「サムライ」(1978年1月21日リリース/作詞:阿久悠 作曲:大野克夫)のB面「あなたに今夜はワインをふりかけ」(作詞:阿久悠 作曲:大野克夫 編曲:船山基紀)だった。
タイトルでもある出だしのフレーズが、沢田研二自身が出演するキッコーマン「マンズワイン」のCMにも使われ、お茶の間でも人気に。その思い出とともに好きな曲に挙げたファンも多い。
■ 9位【灰とダイヤモンド 66票】 撮影/写真映像部・高野楓菜 協力/歌謡曲BAR 44枚目シングル「灰とダイヤモンド」(1985年8月8日リリース/作詞・作曲:李花幻)が9位にランクイン。それまで所属していた渡辺プロダクションを独立し、東芝EMI(当時)に移籍しての第1弾となった作品だ。前作の「AMAPOLA」(1984年9月)から、約1年ぶりのシングルリリースとなった。 「独立してからのジュリーがいいですね。顔も声も歌も」(70代・女性) 「活動停止あけで夜ヒットで歌った時の歌声がホントに高音がきれいで美しかったから」(50代・女性) 「ジュリーから人間・沢田研二として生きていくことの決意の一曲であり、シンプルな楽曲故に沢田さんの艶っぽさが引き立っているので」(40代・男性) 心情を吐露したような歌詞に引き込まれ、その奥深さに魅力を感じた人も多いのだろう。
■【8位 ス・ト・リ・ッ・パ・ー 74票】 (1981年9月21日リリース/作詞:三浦徳子 作曲:沢田研二)。
作曲がジュリー本人で、当時流行していたアメリカ・ニューヨークロングアイランド出身のバンド、ストレイ・キャッツに代表されるネオ・ロカビリーを取り入れたといわれている。イントロのベースの音だけでも胸躍るサウンドで、いま聴いてもカッコいい。
■【7位 LOVE (抱きしめたい) 75票】
8位と1票差で7位に入ったのは、25枚目シングル「LOVE (抱きしめたい)」(1978年9月10日リリース/作詞:阿久悠 作曲:大野克夫)。8位の「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」とは一転してドラマチックなほどに切ない曲だ。 「沢田研二の表現力の高さがよくわかる曲だから。ドラマのシーンを見ているよう」
この曲の歌詞にある「袖を通さず」のように、「夜のヒットスタジオ」などのテレビ番組などで歌うときは、トレンチコートやタキシードを着ていて、タキシードは袖を通さず肩にかけていた。
「歌詞、歌声、振付、衣装等すべてが相乗効果を生み出しているから。まず、ジュリーの切なげな色気のある歌声が良い。ビジュアルとしても、最高にダンディーで皮の手袋や血の付いた包帯など、細部まで美しい。フォーマルな衣装が魅力をさらに倍増させていることは間違いない」(20代・女性) 1978年の第29回NHK紅白歌合戦では、この曲で初の大トリを務めた。当時の紅白ラストは演歌が定番で、ポップス曲だったのは極めて異例のこと。「抱きしめたい」から始まり「さよなら」の歌詞で終わる映画のシーンのような切なさが響き渡るこの曲は、名曲というより名作だ。
■【6位 カサブランカ・ダンディ 93票】 第6位は「カサブランカ・ダンディ」(1979年2月1日リリース/作詞:阿久悠 作曲:大野克夫)。 この曲が最近注目を浴びたのは、阿部サダヲ主演ドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)の第4話でのこと。70年代末〜80年代の歌謡曲をカラオケで歌う場面で、「カサブランカ・ダンディ」が登場した。
■ 第5位は22枚目シングル「サムライ」(1978年1月21日リリース/作詞:阿久悠 作曲:大野克夫 編曲:船山基紀)。
アンケートで10位にランクインした「あなたに今夜はワインをふりかけ」のA面の曲。
「片手に」の歌い出しで天に指を突き上げる姿や衣装が脳裏に焼き付いているファンが多い。
「イントロから惹かれるメロディーと片手を挙げて歌い出すインパクトのある振り、もう一瞬で世界に引き込まれます。それから始まる歌にはドラマがあり、それをジュリーのすてきな声で語られるドラマ。」
「衣装とパフォーマンスを最初に見たときに一番衝撃を受けた。落ち込んでいるときややる気が出ないときにこの曲を聴くとなぜか元気が出る」
「ハーケンクロイツという今ではあり得ない攻めすぎた衣装の下に、刺青風のキラキラ、短剣を取り出すパフォーマンス、ラストの桜吹雪など、ジュリーにしか体現できない世界観。成熟した男性としての男らしさと美しさはもちろん、歌手としての表現力も円熟しており、目と耳を奪われる一曲」
もちろん、衣装や演出だけでなく、歌に込められた魂にも魅了されている。
■ 第4位はソロ曲で初のオリコン1位を獲得した「危険なふたり」(1973年4月21日リリース/作詞:安井かずみ 作曲:加瀬邦彦 編曲:東海林修)。
別れの曲なのに、イントロから軽快のためか、「イントロのギターが印象的」「歌詞の内容とは裏腹だけど、出だしが明るく乗りがよく、気持ちが上がる!」など、ノリの良さを好きな理由にあげるファンも多い。
若いころに「危険なふたり」を聞いたことがきっかけでジュリーのファンになったという声も。
■ 第3位は「君をのせて」(1971年11月1日/作詞:岩谷時子 作曲:宮川泰 編曲:青木望)。ソロデビューシングルだけに、ファンの思いも強い。
「彼のソロデビュー曲だと思うが、もっと評価されて良い曲だとずっと思っている」
■ 第2位「勝手にしやがれ」(1977年5月21日リリース/作詞:阿久悠 作曲:大野克夫 編曲:船山基紀)は「第19回日本レコード大賞」に輝いた楽曲。「第8回日本歌謡大賞」「第10回日本有線大賞」「第10回日本作詩大賞」で大賞を、「'77あなたが選ぶ全日本歌謡音楽祭」ではゴールデングランプリに選ばれている。売り上げ記録は89.3万枚であった。
「音楽の域を超えていて色気製造機だと思います。色気を味わいたくて21年前から毎日、どんなときも聴いてしまいます」
「歌詞、メロディー、演奏、パフォーマンス全てがかっこいい」
■ 第1位はやっぱり!14枚目のシングル「時の過ぎゆくままに」(1975年8月21日リリース/作詞:阿久悠/作曲・編曲:大野克夫)。
3億円事件を題材にしたドラマ「悪魔のようなあいつ」(TBS系)の挿入歌としても使用された。沢田研二のソロシングルでは最大の売り上げとなる91.6万枚を記録。オリコン週間チャートでは5週連続1位を獲得した。
「テレビドラマの主題歌で雰囲気が、退廃的でマッチしており高校生ながら引かれた。音楽の最後の授業で好きな曲を歌って良いことになりギター片手に歌った」
ドラマの世界観とマッチした曲とジュリーの伸びやかで艶や色気のある歌声に魅了されたのは、当時の若者だけではない。令和のいまも10代、20代の心にも響いている。
「初めて沢田研二を知った曲、サビがカッコよくて1回聞いただけでコレだ! っとピンと来た。1番のサビの時の静けさから2番とラスサビの盛り上がりが好き、当時14歳の自分に響いたし、今年で10代ではなくなるが、いまだに1番好きな曲」
「最も好きな曲」を10曲並べてみて改めてわかったことは、これほどまでに人々を魅了する沢田研二はカッコいい! というひと言に尽きる。
(AERAdot.編集部)
posted by koinu at 15:00| 東京 ☁|
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