2021年10月05日

『ゴルゴ13』ならぬ「ゴルゴ十三」

924日に膵臓がんのため死去した漫画家のさいとう・たかを(本名・斉藤隆夫)さんを悼んだ。陳歯科医はゴルゴ13が好き過ぎて、大阪市淀川区に所有する賃貸物件のテラスハウスに「ゴルゴ十三」と名付けたほど。【朝日新聞】103日夕刊


−−まさか、ほんまかいな!? 『ゴルゴ13ならぬ「ゴルゴ十三」 嘘のような本当の賃貸物件オーナーに直撃』(まいどなニュース、20181029日公開)


 大阪・十三に「ほんまかいな!?」と耳を疑うようなユニーク賃貸物件がある。その名も「ゴルゴ十三」(大阪市淀川区野中南)。築7年のれっきとした2階建て2LDK(63・76平方メートル)テラスハウスだ。家賃9万1000円のファミリー向け。最寄り駅の阪急「十三駅」から徒歩でなんと13分ときた。ほんまかいな!?



バカ漫画「亜江良十三の大報道」

〔朝日新聞社〕(19911225日発行)さいとう・たかを+アエラ・プロ


しかし此れには「ゴルゴ13」ならではの、裏付けもあったのだ。


『大阪淀川べりに隠された亜江良十三出生の秘密』 P.178181

 駅を降りると、足ばやに行き交う人の雑踏。サンドイッチマン。手相見。数十軒の飲み屋が軒を並べる通称「小便横丁」の店先には、「日本一安い」「ドテ焼き百五十円」と看板がかかっている。

 「十三」は、大阪の中心街・梅田から阪急電車で淀川を渡って二駅目。 電車はここで三線に分かれ、西に神戸、北へ宝塚、東は京都へと向かう。沿線はいずれも京阪神で有数の高級住宅地を形成している。


 大阪府立北野高校で日本史を教える北畑教諭(52)は、本気で怒っていた。

駅から歩いて数分のところにある北野高校は、旧制府立中学から数えて百十五年、大阪でいちばん古く、また屈指の大学進学率を誇る名門で、学会、財界に人材を輩出してきた。

先の二人の絵の大家(佐伯祐三、手塚治虫)もここの卒業生なのだ。

「森繁久弥もそうや」北畑先生はつけ加えた。

 もっと最近では、どんな有名人がいるかと尋ねると、先生はだいぶ考えた後、「まあキミぐらいやなあ、亜江良君」何を隠そう、私はこの学校の卒業生で、久々に母校を訪ねたのだった。

 「十三ちゅうのはなぁ」

 先生によると、地名の由来は、@古代条里制の十三からきた A戦国武将を供養した十三塚にちなむ B干潟が十三ヶ所あった C淀川の上流から数えて十三番目の渡しがあった、など諸説あるが、Cが有力だそうだ。

「それだけ由緒正しいちゅうことや。

なんや、キミは十三生まれいうこと、東京では隠しとるそうやないか」

 私はここ十三に生まれ、そのため十三という名をつけられた。

先祖は鹿児島県姶良郡の出とも、山口県豊浦郡の士族、江良氏の亜流ともいう。

初出『AERA1988524日号〜90515日号より


『帰国を命じた編集長に別れを告げに来た男』 P.504509


サハリンでの取材を終えた亜江良十三は、本社の強引な人事異動(本社勤務)を拒絶。

トミオカ編集長からの帰国命令を蹴り、サハリンで連絡をを絶ったまま、彼は行方不明に。

以下は、アエラ編集長(当時)である富岡隆夫氏(下記画像参照)による記事。

[前略]

「おかえりなさーい」

背後で女性記者の明るい声があがった。振り向くと、編集部の入り口に大柄な男が立っている。

ジューゾーだ。しばらく見ないうちに、眼光がずいぶん険しくなっている。そのまわりには、人垣ができ始めていた。

「なんで、あいつに人気があるんだ」

私は、人心が一人の記者に集中し、他の者の影が薄くなる事態を避ける意味からも、ジューゾーを帰国させてよかったと思った。

「たいへんだったでしょう。編集部の顔ぶれも変わったから、あなたの知らない人も多いわ」

と、みんなが、口々に労をねぎらう。   

 [中略]

男は自分を取り囲んだ人々を邪険に押しのけ、編集長席の方へずんずん歩いてきた。

「やあ、ジューゾー、元気そう……

 ジューゾーにしては、少し愛嬌が足りない。もみあげも長過ぎる。

ぬーっ、と私の前に立った男は、確かにジューゾーに似ていた。

しかし、明らかにジューゾーではない。

「キ、キミは、ゴ、ゴル……

亜江良十三記者には、一卵性双生児の兄がおり、国際的な暗殺者として活躍している、という記述が、「編集長のみ閲覧可」の人事部ファイルにあったことを思い出し、私は目を閉じた。

(『亜江良十三の大報道』より)


阪神「十三」とはなかなか説得力と、殺し屋についてリアリティがある場所ですね。大阪人だった劇画家さいとうたかを氏、さすがに詳しく描写されてます。

posted by koinu at 13:38| 東京 ☀| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする