2021年08月19日

Hotel California作詞の世界

Hotel California
Eagles
1977年 2月22日(シングル)
1976年 12月8日(アルバム)


暗く寂しいハイウェイ
涼しげな風に髪が揺れる
コリタス草の甘い香りがほのかに漂い
はるか前方には かすかな灯りが見える
頭は重く 視界かすむ
どうやら今夜は休息が必要だ
礼拝の鐘が鳴り
戸口に女が現れた
俺はひそかに問いかける
ここは天国? それとも地獄?
すると彼女は蝋燭に灯を灯して
俺を部屋へと案内した
廊下の向こうから 囁く声が聞こえる

ようこそホテル・カリフォルニアへ
ここは素敵なところ
お客様もいい人たちばかり
ホテル・カリフォルニアは
数多くのお部屋をご用意して
あなたのお越しをいつでもお待ちしています
ティファニー宝石のように繊細で
高級車のように優雅なその曲線美
美しいボーイたちは皆んな
彼女たちに心を奪われている
中庭では香しい汗を流して
ダンスを踊っている人々
思い出を心に刻もうとする者
すべてを忘れるために踊る者

そこで俺は支配人に告げた
「ワインを持ってきてくれないか」
すると彼は「そのようなスピリットは1969年以降一切ございません」と言う。

それでも人々が深い眠りについた真夜中でさえ
何処からともなく 声が聞こえてくる

ようこそホテル・カリフォルニアへ
ここはステキなところ
お客様もいい人たちばかり
どなたもホテルでの人生を楽しんでいらっしゃいます
許すかぎり お楽しみください
鏡を張りめぐらせた天井
グラスにはピンクのシャンペン
誰もが己の意思で囚われの身となった者ばかり
やがて 大広間では祝宴の準備がととのった
人々は 鋭いナイフを突き立てるが
誰ひとり内なる獣を殺せない

気がつくと僕は出口を求めて走りまわっていた
もとの場所に戻る通路を
なんとかして見つけなければ
すると 夜警がいった
「落ち着いて自ら運命を受け入れるのです
チェック・アウトは自由ですが
ここを立ち去ることは永久にできません」

There she stood in the doorway,
I heard the mission bell
And I was thinking to myself
‘This could be heaven or this could be Hell’

この妖しい空間は、一体何処へ繋がるのだろうか?
なかなかゾッとする会話が、なされている歌である。

Hotel California/作詞:Donald Hugh Henly,Glenn Lewis Frey 作曲:Don Felder
posted by koinu at 15:00| 東京 ☁| 音楽時間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「茶屋の娘」洪邁『夷堅志』より

「茶屋の娘」

 都には石という姓の平民が茶屋を開き、幼い娘に客のお茶を注がせた。

ある時に乞食が来て、気がふれたように衣服は垢だらけのまま茶を飲もうする。石家の娘は礼儀正しく乞食をもてなし、御茶代を要求しなかった。

一カ月余りが過ぎると、石家の娘は毎日好いお茶を選んで、乞食をねんごろにもてなした。娘の父親はこれを見ると怒って、乞食を追い払い娘を叩いた。この娘は大して気にすることもなく、却って乞食に対して忠実に仕えた。数日後に乞食はまた来ると、娘に対していった。

「あなたは私が飲み残したお茶を飲む勇気がありますか?」

 娘はお茶が不潔なのを嫌がり、少しばかり地べたに零した。すると思いがけずとてもよい香りが漂った。それで娘はすぐに残りのお茶を飲むと、気分が爽やかになり、力が湧いた。

「私は呂翁と申します。あなたは私が差し上げたお茶を全部飲み干すことはできなかった。だがあなたの願いを満足させるでしょう。富貴或いは長寿はどちらか叶うでしょう」

貧しい家の娘であったので、富貴がどんな意味か分からなかったが、ただ長寿を願うだけで、財物は足りていた。乞食が去った後、娘は状況を彼女の父母に教えた。彼女の父母は驚き喜んで、再び乞食を探しに行ったが、乞食の行方はすでに見当たらなかった。

それから娘が大きくなって、ある管営指揮使の所へ嫁ぐと、呉国の燕王の孫娘の乳母になり、称号を授かった。彼女の母乳で育った燕王の孫娘は、高遵約に嫁いで康国サマルカンドの大奥様となった。石家の娘の寿命は百二十歳だった。

 (洪邁『夷堅志』第十四話より)

posted by koinu at 09:00| 東京 ☀| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする