2021年02月10日

『ランボー全詩集』アルチュール・ランボー 著(河出文庫・鈴木創士 訳)

「このまま進んでも、あるのは世界の果てだけだ」

史上、最もラディカルな詩群を残して砂漠へ去り、いまだ燦然と不吉な光を放つアルチュール・ランボーの新訳全詩集。

生を賭したランボーの「新しい言語」が鮮烈な日本語でよみがえる。

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「黄金時代」

世界は悪辣だ。

驚くまでもないことさ!

生きろ、そして暗い不運を

火にくべてしまえ。


「永遠」

また見つかった! 

何が? 永遠。

太陽に混じった

海だ。


鈴木創士(スズキ ソウシ)

1954年生まれ。著書に『アントナン・アルトーの帰還』『中島らも烈伝』『魔法使いの弟子』。訳書に『神の裁きと訣別するため』(共訳)『狂人の二つの体制』(共訳)『歓待の書』『ロデーズからの手紙』。

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『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』

1921年にピュリッツァー賞を受賞したイーディス・ウォートンの小説の映画化。第66回アカデミー賞で5部門にノミネートされて、衣装デザイン賞を受賞した。 


巨匠マーティン・スコセッシ監督が描く絢爛豪華な愛の物語
ニューヨーク社交界の厳しい掟は、禁じられた二人の関係を決して許さなかった 


【あらすじ】

1870年代、ニューヨーク。 

社交界の若き紳士ニューランドは、名家の令嬢メイと婚約を交わし、 

洋々たる将来を築こうとしていた。 

そんな矢先、メイの従姉妹で夫から逃れてヨーロッパから帰国した 

伯爵夫人エレンが彼の前に姿を現す。 

しきたりを重んじる上流社会の人々は彼女の奔放な行動に批判的だが、 

ニューランドは婚約者メイにはない彼女の新鮮な魅力に心を揺さぶられる。 

やがて、二人は密やかな恋に激しく身を焦がし、 

互いの存在こそが人生のすべてだと確信する。 

しかし、社交界の厳しい掟はこの禁じられた関係を決して許さなかった 


【解説】19世紀末のニューヨークの社交界を舞台に、許されぬ恋に 魂を燃やした男女の姿を描いた恋愛映画。女性として初めてピューリッツァー賞を受賞したイーディス・ウォートンの同名小説(新潮文庫)を、「グッドフェローズ」のマーティン・スコセッシが、ジェイ・コックスと共同で脚色して映画化。製作は「最後の誘惑」のバーバラ・デフィーナ、撮影は「グッドフェローズ」のミハエル・バルハウス、音楽は「ケープ・フィアー」のエルマー・バーンスタイン、編集は「レイジング・ブル」のセルマ・スクーンメイカーと、スコセッシ作品の常連が揃い、衣装は「インドシナ」のガブリエラ・ペスクッチ、美術はフェリーニ作品でおなじみのダンテ・フェレッティが担当した。主演は「ラスト・オブ・モヒカン」のダニエル・デイ・ルイス、「バットマン リターンズ」のミシェル・ファイファー、「ドラキュラ(1992)」のウィノナ・ライダー。「愛と哀しみのボレロ」のジェラルディン・チャップリン、「から騒ぎ」のロバート・ショーン・レナードらが脇を固め、ナレーションを「ミスター&ミセス・ブリッジ」のジョアン・ウッドワードが務めている。

1993  ロマンス/ドラマ  2時間 19

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イーディス・ウォートン(1862-1937)の短編『ローマ熱』(1934年の作品)

『ローマ熱』イーディス・ウォートン


少女時代から幼なじみのふたり。

ふっくらとして血色がよいのがMrs. Sladeと、気弱に見える方がMrs. Ansleyである。

ニューヨーク上流階級出身どちらも早々に夫を亡くして、娘を連れてローマを訪れている。スレイド夫人にとっては、今は亡き夫と出会い、ローマは婚約をした思い出の土地。


月夜の晩に娘たちが夜遊びに出かけてから、レストランのテラス席でおしゃべりをする。表面上は仲がいいのだけれど、スレイド夫人はどこかアンスリー夫人を見下して何かにつけていらいらしている。

若い頃はその美貌が評判でパーティーの花だったスレイド夫人に、その引き立て役に徹していたアンスリー夫人であった。今スレイド夫人はアンスリー夫人が羨ましくてたまらない理由は娘にあった。スレイド夫人の娘ジェニーは完璧ながら良い子すぎてつまらないところがある。ゴージャスだったスレイド夫人の若い頃に比べると、見劣りする。


アンスリー夫人の娘のバーバラは快活で少し危なっかしいが、大輪のバラのような美人。ローマ滞在中に若いイタリア人の公爵とお近づきになり、婚約も間近というところ。バーバラと一緒にいるとジェニーは引き立て役でしかない。この娘たちはスレイド夫人とアンスリー夫人がそっくり入れ替わってしまったような存在である。


これがスレイド夫人のイライラを誘い、アンスリー夫人より優位に立ちたくて、長年秘密にしていたことを打ち明けてしまう。

今は亡き夫デルフィンは、若くハンサムで人気者だった。すでにアリダ(現スレイド夫人)と付き合ってはいたものの、グレイス(現アンスリー夫人)も密かにデルフィンに恋をしていた。

アリダはこっそりデルフィンのふりをして「二人きりで会いたい。夜にコロッセオに来てくれ」とグレイス宛に手紙を出す。デルフィンに恋するグレイスはコロッセオに向かい、病弱なのに長時間ひとり夜風にさらされて待ちぼうけて、ひどい風邪を引き寝込んでしまう。グレイスが寝込んでいる間に、アリダはさっさとデルフィンとの婚約をとりまとめてしまった。

だがスレイド夫人はアンスリー夫人の大事な思い出である、恋していた相手からもらった最初で最後の手紙をぶち壊すことには成功したのだが、思わぬ反撃が待ちうけていたのだった。


[友達だったけれど、本当はあなたは私のことがずっと嫌いだったのよね」FIN


【関連図書】

『アメリカ短編ベスト10』平石貴樹

『Sモームが薦めた米国短篇』小牟田康彦

20世紀アメリカ短篇選』(岩波文庫)


イーディス ウォートン(Edith Wharton)1862 - 1937 米国の作家。ニューヨーク生まれ。旧名イーディス・ニューボールド ジョーンズ。

名門の家に生まれ、ヨーロッパ風の教育を受け小さい頃より創作をしたといわれる。結婚後、ニューヨークの社交界で暮らし、1907年以降パリに住み、国際人として暮らした。’13年に離婚。ニューヨークの上流社会を題材とする作品を次々に発表し、第一作「歓楽の家」(’05年)は社交界で成功しようとした女性の破滅を描き、「汚れなき時代」(’20年)で女性として初のピューリッツァ賞を受賞した。他に自伝「ふりかえって」(’34年)などがあり、’24年にはアメリカより小説上の功績に対して金メダルを授与され、晩年にはアメリカン・アカデミー会員にもなった


イーディス・ウォートン(1862-1937)の短編『ローマ熱』(1934年の作品)を訳しています。

http://f59.aaacafe.ne.jp/~walkinon/romanfever.html

posted by koinu at 08:08| 東京 ☀| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする