上巻には主として20世紀前半に活躍した作家13人の作品を収録。突然失踪して修道僧となった社交界のヒーロー、ニューヨーク下町の人間群像、飢餓に苦しむ先住民族の長老を待つ掟―見事な人物描写を通して、20世紀前半のアメリカ社会を写しとる。
<上巻>【収録作品】
オー・ヘンリー『平安の衣』/イーデス・ウォートン『ローマ熱』/セオドア・ドライサー『ローゴームと娘のテレサ』
ジャック・ロンドン『生命の法則』/シャーウッド・アンダソン『手』/キャサリン・アン・ポーター『あの子』
ジョン・ドス・パソス『メアリー・フレンチ』/スコット・フィッツジェラルド『パット・ホビーとオーソン・ウェルズ』
ウィリアム・フォークナー『ある裁判』/アーネスト・ヘミングウェイ『なにかの終焉』/ジョン・スタインベック『人を率いる者』
アースキン・コードウェル『スウェーデン人だらけの土地』/ネルソン・オルグレン『スティックマンの笑い』
『20世紀アメリカ短篇選』(岩波文庫)<下巻>
主として第二次大戦前に活躍した作家たちの作品を収録した上巻に続いて、ウラジーミル・ナボコフからフィリップ・ロスまで、下巻は戦後に活躍した作家たちの作品を収める。極めて対照的な作品世界で興味深い。
【収録作品】
ウラジミール・ナボコフ『ランス』/ユードラ・ウェルティ『ある記憶』/バーナード・マラマッド『ユダヤ鳥』
ソール・ベロウ『父親になる男』/ジーン・スタフォード『動物園で』/カーソン・マッカラーズ『木・岩・雲』
J.D.サリンジャー『笑い男』/カート・ヴォネガット・ジュニア『バーンハウス心霊力についてのレポート』
トルーマン・カポーティ『ミリアム』/フラナリー・オコナー『ゼラニューム』/ジョン・バース『暗夜海中の旅』
ドナルド・バーセルミ『黄金の雨』/ジョン・アップダイク『別居』/フィリップ・ロス『たいへん幸福な詩』