日本のジャズの揺籃の地にして、美空ひばりを産み、いま世界の大道芸をリードする芸能都市になろうとしている港町・横浜に、「思想としての江戸」の再生をもくろみ、平岡流「民衆芸術論」を集大成して「場末美の思想」へと昇華させる究極の都市論。
【目次】
序 秘法19番―一皿に港町の精髄が
芸能都市創成論(ひばり「東京キッド」の観点で横浜をロケハンする;「横浜みなと祭り」「ヨコハマどんたく」を批判する;TVKのハマ番組は禿頭が偉かった;「破産宣言の町」にアメリカの疲弊を見る)
横浜四天王(シャンソン語り元次郎は野毛のジャン・ジュネである;三代目彫よしは最後の芸術を生きる;北原おもちゃ館でビリーの歌を聴いた;ジャグラー水野雅広には山下公園の夜景がよく似合う)
日付のある横浜
浜ひばり江戸ひばり
(青土社1993年刊行)