2020年09月21日

『良心・第一義』夢野久作

 良心


財産を私有する勿れ

心念を私有する勿れ

汝の全霊を万有進化の流れと

共鳴一致せしめよ

常に無限なれ

万古に清朗なれ

良心は一切の本能が互いに統制し、自他の共鳴を完全にして、人文の進化を極致に導き来り、導きつつあり、導き行かんとする人類共通の最重大の本能也。

 本能の集合体也



  第一義


人間の思う事は皆妄想である

哲学でも宗教でも唯物思想でも何でも

人類文化は全部妄想の文化である

現代文化は第二義の文化である

この文も又……である

自然物は皆第一義の花を咲かし

第一義の実を結んでいるのに

人間ばかりは第二義の花と実を誇りとし

これがために第一義の真と美を犠牲にし

軽蔑している

汝が汝を支配する時

汝は死物となる

支配せず

支配せられざる汝は

生きた汝である

自然の汝である。

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「長者番付」といく高額納税者リストの注目された時があった

かつて「長者番付」と呼ばれる高額納税者リストの注目された時代があった。戦後初の発表は1947年。芸能人部門には浪曲師が並んだ▲明治初期に生まれた浪曲は戦意高揚の波にのって人気を博し、43年には浪曲師約3000人。落語家が今、900人弱であることを思うと浪曲盛況のほどがうかがえる▲その隆盛も今や昔。浪曲師は約80人にまで減少した。ただ、気を吐く若手や女性は少なくない。玉川奈々福(たまがわななふく)さんもその一人。80年代後半に上智大学で国文学を学び、卒業して筑摩書房の編集者となる。井上ひさしたちと交流する中、自分に語れるものがないことに気付く▲それを探して日本浪曲協会に三味線教室の門をたたいたのが94年。その後、浪曲師となり、退社までの20年間、二足のわらじを履いていた。スタジオジブリ・アニメの浪曲化にも挑戦し、2年前には欧州、中央アジアで公演した。「MTK(もっと玉川奈々福を関西に呼ぶ会)」というファンクラブもある▲そんな彼女が今、挑むのは空手家、岡本秀樹の生涯である。70年に単身シリアに渡り、ゼロから空手を指導。2009年に亡くなるまでに中東・アフリカ地域の空手人口を約200万人に育てた。破天荒を貫いた彼の評伝にあったある言葉に奈々福さんはしびれた。「非常識の中に可能性を探す方が楽しいじゃないですか」▲24日の新作披露に向けアラビア語や空手の指導も受けた。常識を離れて可能性を模索する奈々福さん。その姿に岡本を見る思いがする。
【毎日新聞】日曜版より
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