濡縁におき忘れた下駄に雨がふつてゐるやうな
どうせ濡れだしたものならもつと濡らしておいてやれと言ふやうな
そんな具合にして僕の五十年も暮れようとしてゐた
木山捷平「五十年」より
そんな具合にして君の三十年も暮れようとしてゐた
そんな具合にしてお前の十年も暮れようとしてゐた
そんな具合にして誰かの一年も暮れようとしてゐた
濡縁におき忘れた下駄に雨がふつてゐるやうな
どうせ濡れだしたものならもつと濡らしておいてやれと言ふやうな
そんな具合にして僕の五十年も暮れようとしてゐた
木山捷平「五十年」より
そんな具合にして君の三十年も暮れようとしてゐた
そんな具合にしてお前の十年も暮れようとしてゐた
そんな具合にして誰かの一年も暮れようとしてゐた
「我々の日常的意識は、本当は、言語アラヤ識の深みから不断に現れてきてはまた消える、数限りないイマージュの点滅の場所であり、イマージュの充満する内部空間であるのだが、日常的意識が日常的に働いている限り、それの根源的イマージュ性は表面には現れてこない。
だが、突然、日常的意識の活躍のさ中で、ふと、現実的事物との結合を離れ、事実性から遊離したイマージュがどこからともなく現われてきて、意識一面を奇妙な色に染めてしまうことがある。
それらの本来属する場所においては決して妄想でもなければ幻想でもない。かえってそれらこそ真の意味での現実であり、存在真相の自己顕現なのである」
(井筒俊彦「意識と本質」より)
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