2020年05月09日

『エレンディラ』小説と映画

『無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語 』ガルシア マルケス  

 ノーベル文学賞作家 ガルシア マルケスの中編小説で、文庫本に収録されている。


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厳しい祖母と屋敷に住む純粋無垢なエレンディラの寓話。祖母の厳しいしつけと家事に追われる日々のエレンディラ。

立ったまま寝る事が普通にできるくらい疲れて、燭台を倒して住んでいた屋敷は燃え尽くしてしまう。

腹を立てた祖母は、エレンディラへ罪を償わせる。体を売らせて百万ペソ以上の損害を取り返せと、祖母には逆らわないエレンディラは体を毎日の様に売り続ける 。そんなテントには行列ができるまでになってしまう。

若い純朴な少年と出会うい、恋仲になるがエレンディラはテントに人が集まらなくなれば、また土地を移動して歩くので、ウリセス少年とはやがて会えなくなる。

程なくして未成年に体を売らせるとは何事か、と修道僧に目をつけられる。エレンディラは修道僧に連れ去られて、祖母と離れ修道院にかくまわれる。体を売り続ける毎日から離れた生活に、エレンディラは「わたし、しあわせだわ」 と自然と口にする。

だが祖母が色々と手を尽くして、エレンディラに会いに行くと、結局また祖母と一緒に暮らすことを選ぶ。

また体を売る過酷な日々に逆戻り。

いつかの少年ウリセスは、エレンディラを諦めきれず、居場所を探し来る。

エレンディラは祖母を殺す勇気があるかといい、私は家族だから無理だけどと付け加える。

ウリセスは「君のためならなんでもやるよ」と 行動に移した。まずケーキに毒を混ぜるが、祖母には全く効かない。

エレンディラは「あんたは満足に人も殺せないのね」とウリセスに冷たくいう。

次は家の中のピアノに爆弾を仕込んだが、大爆発は起こらず祖母は相変わらずだ。

ついにウリセスは肉包丁を持ち、祖母を切り殺す。その時、祖母から吹き出したのは緑色の血だった。


祖母の着ていた金の延べ棒のチョッキを手にして、エレンディラは走り出す。ウリセスが必死に呼びかけるが、全く聞こえていないようで、返事もせず 延々と走り去っていくのだった。


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https://youtu.be/wpXSlNLw0lo

映画『ERÉNDIRA エレンディラ』

ルイゲラ監督の1983年のドラマ映画。映画の脚本はガブリエルガルシアマルケスによって書かれたコメディ作品。オリジナルの脚本は1972年に出版された彼の小説 『無敵のエレンディラと彼女の無慈悲な祖母の信じられないほどの悲しい物語』の前に執筆されてる。

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ガルシア=マルケス『百年の孤独』鼓直訳(新潮社)

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『百年の孤独』(Cien Años de Soledad)ガルシア=マルケス

ガブリエル・ガルシア=マルケスの代表的な長編小説。初版は1967年に出版、日本語版は1972年に新潮社から刊行。学生の頃の愛読書を外出規制の期間に再読する。


「長い歳月が流れて銃殺隊の前に立つはめになったとき、恐らくアウレリャノ・ブエンディア大佐は、父親のお供をして初めて氷というものを見た、あの遠い日の午後を思い出したにちがいない。」

ガルシア=マルケス『百年の孤独』鼓直訳(新潮社)より


ホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラ・イグアランを始祖となる、ブエンディア一族が蜃気楼の村マコンドを創設して隆盛を迎えて、滅亡するまでの100年間が舞台となる。


コロンビアのリオアチャにあるコミュニティでは、近い血縁での婚姻が続いて、豚の尻尾が生えた奇形児が生まれてしまう。それを見てウルスラは性行為を拒否するが、それで馬鹿にされてウルスラの又従兄弟で夫のホセ・アルカディオは彼女を馬鹿にした男を殺してしまうのだった。

だが殺された男がホセとウルスラの前に現れ続けて、夫妻は故郷を離れてジャングル放浪の果て、新しい住処「マコンド」を開拓するに至る。

ウルスラは「豚のしっぽ」が生まれないように、婚姻の相手は血の繋がりのない相手に限定する家訓を残した。

様々な人間模様や紆余曲折がありつつも、「マコンド」は繁栄したが、ウルスラの残した家訓は玄孫の代に叔母と甥の恋愛結婚で破られ、「マコンド」は衰退と滅亡へと向かっていくのであった。



各章での構成

【1章】

ジプシーのメルキアデス。錬金術にハマるホセ・アルカディオ・ブエンディア。遠征の結果、マコンドが半島であることを発見するホセ・アルカディオ・ブエンディア。新手のジプシーたち。メルキアデスの死。


【2章】

マコンドの成り立ち(豚のしっぽを持つ子供が生まれることを恐れて、結婚を反対されるホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラ。ホセ・アルカディオ・ブエンディアに殺され、幽霊となってあらわれるプルデンシオ・アギラル。村を出て、マコンドを建設するホセ・アルカディオ・ブエンディアたち)。ピラル・テルネラを孕ませ、村を出るホセ・アルカディオ。ウルスラが近くの村を発見。


【3章】

ピラル・テルネラからアルカディオを引き取る。発展するマコンド。ウルスラのまたいとこと称されるレベーカが来る。伝染性の不眠症と物忘れ。メルキアデスが戻ってくる(銀版写真術)。アウレリャノの初体験失敗。家の増築。町長モスコテ。


【4章】

自動ピアノ技師ピエトロ・クレスピとレベーカの恋。アウレリャノの、レメディオスへの恋(→婚約)。ピラル・テルネラと寝るアウレリャノ(→妊娠)。

アマランタのピエトロ・クレスピへの片思い。メルキアデスの死。発狂して栗の木に縛りつけられるホセ・アルカディオ・ブエンディア。


【5章】

アウレリャノとレメディオスの結婚。ピエトロ・クレスピとレベーカの結婚式の延期。教会建設のため、チョコレートの力で空中浮遊して、喜捨を求めるニカルノ・レイナ神父。レメディオスの死。ピラル・テルネラとアウレリャノの子、アウレリャノ・ホセが生まれる。

ホセ・アルカディオの帰還、レベーカとの結婚。保守党と自由党の戦争。アウレリャノがテロリストになる(アウレリャノ・ブエンディア大佐となる)。



【6章】

残忍な支配者となるアルカディオ。アマランタに結婚を断られ自殺するピエトロ・クレスピ。自らの意思でやけどを負い、死ぬまで繃帯をほどこうとしなかったアマランタ。サンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダと2人の子供(→双子だったので3人の子供)を作るアルカディオ。自由党の敗北。アルカディオの処刑。


【7章】

銃殺をまぬがれるアウレリャノ・ブエンディア大佐。ホセ・アルカディオが不思議な死をとげる。家に閉じこもるレベーカ。ヘリネルド・マルケス大佐に町を任せ、町を出るアウレリャノ・ブエンディア大佐。ホセ・アルカディオ・ブエンディアの死。


【8章】

アウレリャノ・ホセとアマランタの許されぬ情事。アウレリャノ・ブエンディア大佐とともに町を出る、ヘリネルド・マルケス大佐とアウレリャノ・ホセ。

マコンドの町長となり手腕を発揮する、保守党のモンカダ将軍(マコンドが市へと昇格)。アウレリャノ・ブエンディア大佐が戦場で産ませた17人の子供。保守党によって殺されるアウレリャノ・ホセ。マコンドを奪還し、モンカダ将軍を銃殺するアウレリャノ・ブエンディア大佐。


【9章】

アマランタに癒やしを求めるが、求婚を断られるヘリネルド・マルケス大佐。戦争に疲れ、はなはだしい無力感にとりつかれ、マコンドに帰るアウレリャノ・ブエンディア大佐。


【10章】

瓜二つの双子、ホセ・アルカディオ・セグンドとアウレリャノ・セグンド。メルキアデスが遺した本と手書きの草稿(「百年たたないうちは、誰もその意味を知るわけにはいかない」とメルキアデス)。神父のもとで軍鶏の世話をするホセ・アルカディオ・セグンド。アコーディオンの名手となるアウレリャノ・セグンド。アウレリャノ・セグンドの長男をお坊さんに育てる決心をするウルスラ。ペトラ・コテスの不思議な力で家畜がやたらと仔を産む。魚の金細工を作る仕事に没頭するアウレリャノ・ブエンディア大佐。空前の好景気。マコンドの川を整備し、筏を停泊させるホセ・アルカディオ・セグンド。信じがたいほどの美貌の、小町娘のレメディオス。カーニバルで起きたパニック。カーニバルの女王、フェルナンダ・デル=カルピオと結婚するアウレリャノ・セグンド。


【11章】

「いずれ女王になる」といわれて育った、フェルナンダ。フェルナンダとの結婚後もペトラ・コテスとの愛人関係を続けるアウレリャノ・セグンド。表彰を拒否するアウレリャノ・ブエンディア大佐。集まった17人の大佐の息子たち(消えない額の十字)。崩れかけた家で生き続けていたレベーカ。アウレリャノ・トリステがマコンドに鉄道を引く。


【12章】

マコンドにやってきた新発明(電球、活動写真、円筒式蓄音機、電話、鉄道)、新しい人々、バナナ会社。小町娘のレメディオスの信じがたいほどの美貌、シーツに抱かれて空へと姿を消す。

次々と殺される、灰の十字を持つ17人の大佐の息子たち。反乱をあきらめる、年老いたアウレリャノ・ブエンディア大佐。


【13章】

目が見えなくなり老いぼれる気配を見せないウルスラ。神学校へと発つホセ・アルカディオ。クラビコードの学校へ行くメメ。一家の采配を振るようになるフェルナンダ。ペトラ・コテスの家に入り浸るアウレリャノ・セグンド。食べくらべで死にかけるアウレリャノ・セグンド。4人の尼僧と68人の級友を連れて戻るメメ(72個のおまる)。ふたたび姿を見せだすホセ・アルカディオ・セグンド。アウレリャノ・ブエンディア大佐の死。


【14章】

アマランタ・ウルスラが生まれる。クラビコードの勉学を終えるメメ。父アウレリャノ・セグンドと娘メメの愉快な友だち付合い。顔も知らない医者との手紙で、テレパシーによる手術の準備をすすめるフェルナンダ。死神のお告げ通り、自分の経かたびらを織りあげた後に死ぬアマランタ。メメと恋に落ち、撃たれて寝たきりとなるマウリシオ・バビロニア(黄色い蛾)。


【15章】

フェルナンダによって修道院へ入れられるメメ。籠に入れられて川に浮いていたということにされて育てられる、メメとマウリシオ・バビロニアの息子、アウレリャノ。バナナ会社のストライキを計画するホセ・アルカディオ・セグンド。駅前の広場での、軍隊による三千人の死体を乗せた、二百両連結の列車。兵隊たちには姿が見えないホセ・アルカディオ・セグンド。


【16章】

振り続ける雨(4年11ヶ月と2日)。顔も知らない医者との文通に夢中になるフェルナンダ。ヘリネルド・マルケス大佐の死。フェルナンダがぶちまける忿懣と、家中の物をこわすアウレリャノ・セグンド。石膏像に入っていた大金を探して、家を破壊するアウレリャノ・セグンド。雨が止んで、10年間の旱魃が始まる。


【17章】

ウルスラの死。レベーカの死。テレパシーによる検査を受け、ペッサリーを手に入れるフェルナンダ。ブリュッセルに遊学するアマランタ・ウルスラ。同時刻に死ぬ、双子のホセ・アルカディオ・セグンドとアウレリャノ・セグンド。


【18章】

メルキアデスの部屋にこもり、羊皮紙の研究に没頭するアウレリャノ。消滅するメルキアデス。ブエンディア家に食べ物を送り続けるペトラ・コテス。家を出るサンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダ。ひとりでに動き回る、屋敷の物。虫に食われた女王の衣装を着るフェルナンダ。フェルナンダの死。ホセ・アルカディオの帰宅。ウルスラが隠し続けた大金がついに見つかる。アウレリャノ・ブエンディア大佐の17人の子供のうちのひとりアウレリャノ・アマドルが、警官に射殺される。金貨めあての子供たちに殺されるホセ・アルカディオ。


【19章】

夫ガストンを連れて帰宅するアマランタ・ウルスラ。屋敷の修繕に熱中するアマランタ・ウルスラ。退屈のあまりマコンドに航空便を開設しようとするガストン。アマランタ・ウルスラに惹かれつつ、ニグロマンタと恋仲になるアウレリャノ。4人の友人を得るアウレリャノ。4人のうちのひとり、ガブリエル(註:作者がモデルらしい)は、ヘリネルド・マルケス大佐の曾孫だった。ピラル・テルネラの経営する淫売屋を見つけるアウレリャノたち。アウレリャノに身体を許すアマランタ・ウルスラ。


【20章】

ピラル・テルネラの死。故郷へ帰ったカタルニャ生まれの学者のすすめに従い、マコンドを去る4人の友人たち。ブリュッセルへ帰るガストン。情事に夢中になるアウレリャノとアマランタ・ウルスラ。豚のしっぽを持つ赤ん坊アウレリャノを産んだ後に出血で死ぬアマランタ・ウルスラ。蟻の大群によって運ばれる、死んだ赤ん坊アウレリャノ。ついに解読されるメルキアデスの羊皮紙、ブエンディア一族の百年の歴史が書かれたものだった。自らの出生の秘密を知るアウレリャノ。暴風によってなぎ倒されて廃墟となるマコンドであった。


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Marquez,Gabriel Garcia(1927-2014)

コロンビアの小さな町アラカタカに生まれる。ボゴタ大学法学部中退。自由派の新聞「エル・エスペクタドル」の記者となり、1955年初めてヨーロッパを訪れ、ジュネーブ、ローマ、パリと各地を転々とする。

1955年処女作『落葉』を出版。1967年『百年の孤独』を発表、ベストセラーとなる。以後『族長の秋』(1975年)『予告された殺人の記録』(1981年)『コレラの時代の愛』(1985年)『迷宮の将軍』(1989年)『十二の遍歴の物語』(1992年)『愛その他の悪霊について』(1994年)など刊行。1982年度ノーベル文学賞を受賞。


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『疲れない体をつくる免疫力』安保 徹(知的生きかた文庫) より

免疫学の世界的権威が教える「体の中」の掃除法。

「交感神経とは、おもに昼間に働きます。人が活動する時や運動をしている時に活性化し、『元気はつらつ』『やる気まんまん』の状態をつくり出す神経と考えればよいでしょう」

1「体を温める」習慣→「41度のお風呂」に入る 

2「脳を元気にする」習慣→まず、「1日30分歩く」 

3「心を鎮める」習慣→息を「大きく吸い、大きく吐く」 

4「疲れを取る」習慣→普段より「30分早く寝る」


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[目次]1章 まず「免疫力を高めるコツ」を知る;2章 今ある「疲れ」を撃退する法;3章 「免疫力を高める」生き方をしよう;4章 疲れない体をつくる「熟睡法」;5章 週末で「免疫体質」に変わる法;6章 安保式「免疫法」で病気を防ぐ!


安保徹 新潟大学大学院医歯学総合研究科教授(国際感染医学講座・免疫学・医動物学分野)。

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=322590

□体温平熱が36.0℃〜37.0℃なら健康

1、熱心に体を温める。

2、深呼吸する。

3、野菜、キノコ、海藻を食べる。

4、何事も感謝の気持ちを忘れない。

以上の対策で体内のミトコンドリアが活性化される。

■体の冷えは自律神経を乱す大敵で(相互に作用)、運動と共に末梢神経を刺激する「爪もモミ」を推奨する。

■ストレスはホルモンの低下と連結しており、どちらが原因であっても、交感神経過多となって免疫細胞の働きが偏る。

■免疫細胞は顆粒球とリンパ球に分かれて、交感神経と副交感神経に操られて、バランスを取る事が免疫力を維持する。

顆粒球が増えすぎると常在菌まで活性酸素で攻撃して炎症をおこす。リンパ球が過多だと喘息とアレルギー体質になる。

バランスの中庸が取れるのは、体温が36.5~37℃の時である。

■「いびき」は交感神経が緊張しすぎて、体が酸素不足になっている兆候。「鼻水が粘性」になるのは交感神経が緊張して、分泌現象が抑制されて、さらさら鼻水が正解。

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