2020年05月01日

【若山三郎 春陽文庫】

【若山三郎 春陽文庫】
お嬢さんと腕力学生 お嬢さんは意地っぱり お嬢さんは喧嘩好き 
お嬢さんの冒険 お嬢さんはお目が高い
お嬢さんは恋愛主義者 青春会議  大空に乾杯 若社長
ドンと一発!  店求愛作戦 おこりんぼ大将
お嬢さんと等社員  天国は青春にあり 男ならやってみろ
お嬢きんごめんあそばせ お嬢さんは婚約中 お嬢さんは江戸っ子娘 
お嬢さんの恋愛修業 お嬢さんとドラむすこ 青春へまっしぐら 
お嬢さんはガンコ者 青春バンザーイ! おてんばお嬢さん
青春をやりぬこう お嬢さん社長 お嬢さんとちゃめ紳士
お嬢え延線智 お嬢さんに乾杯 青春に賭けろ 恋人おてんば娘 青春大作戦 
けんか青春記者 お嬢さん待ってます 台風お嬢さん ちぢかりお嬢さん
けとばした青春 パーフェクト青春 お嬢さんは適齢期 青春をふっ飛ばせ
結婚への招待状 湯けむり大将 それゆけ青春
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若山三郎 わかやま・さぶろう

1931年、新潟県生まれ。明治大学中退。日本製鋼嘱託通訳、西松建設嘱託通訳を経て、約10年間、在日米軍特殊通訳を務めた。

その体験を元に31歳で書いた本作品は「ユーモア文学新人賞」佳作入選作。

それ以前の1956(昭和31)年には「第九回講談倶楽部賞林房雄奨励賞」を小説『国際仲人』で受賞。

在日米軍の特殊通訳を辞した後は作家活動に専念。著作数は優に200を超える。

春陽堂から文庫化されたお嬢さんシリーズ”“青春シリーズは広く知られ、貸本時代からのファンも多い。


初期の代表作としては『青雲の門』『大望の塔』『開運の橋』の三部作(のちに『ドカンと一発!』と改題され春陽文庫に収録)、吉永小百合主演で映画化された『大空に乾杯!』など。


後期代表作は故郷新潟県新発田出身で大倉財閥の祖、大倉喜八郎の生涯を描いた力作『政商〜大倉財閥を創った男〜』(学研文庫)があるほか、近年は企業の創業者に材を得た創業者列伝等に健筆を振るっている。

(社)日本文芸家協会会員。日本作家クラブ副理事長。 

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『はりきりスピード娘』城戸禮

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雑誌「女学生の友」に連載された物語の単行本化。護身術にたけて、オートバイを乗りまわす鮎子が主役の活発女子もの。爽快なスピード感は、のちに三四郎シリーズに開花される。

〔浪速書房〕昭和34 刊行320

〔春陽文庫〕昭和39刊行240頁二段組


『はりきりスピード娘』

      1

「おはよう、パパ。ジミー号の調子はどうなの?」
 朝日のようやく当たりはじめた縁例から、庭先でバラの手入れをしている、父の藤井庄兵衛に鮎子が声をかけた。
 「ああ、おはよう。そうだな、ジミー号よりひばり号のほうがいいと思うが、松吉に聞いてごらん。掃除してるはずだからね」
 ふり向いて父がいう。この庄兵衛はとても早起きで、午前四時少し過ぎると、さっさと寝床を離れ、工場を見まわって、それから趣味のバラの手入れをはじめるのだった。
 「あら、チビ松がもう起きてるの。危ないもんね。そうじしながら居眠りしてるんじゃないん」
 「おお、そうだっけな、それでオートバイがいるんだね」
 鮎子は1日おきに、鹿島道場に早朝稽古に行く。そこは星道の道場だが、道場主の鹿島先生が護身術の名人で、それを習いに通うのである。
 
「そうよ。パパご自慢の自家用車がないと、学校に間に合わないんですもんね」
 道場には午前六時に着き、それから二時間ほど汗みずくで稽古をして、学校に飛んでいくので、自家用車、つまりオートバイでないと、遅刻してしまうからであった。
 「熱心だね、ずいぶん。だが夢中になると、勉強にさしつかえるから、いいかげんにするんだよ」
 「ダイジョービよ。いくら上手くなっても、パパを投げたりしないわ。ホッホホ」
 「べソを抱えて、さながらリスのようにかかしら」
 鮎子がいたずらっぽく笑った。
 年齢は15で、ここから7、8キロ離れた桜が丘中学の三年生だが、すらりとした背に、かわいい顔だちをしていて、その名のとおり、まるでアユのように元気がよく、学校じゅうの人気者であった。
 「わからんぞ。松吉はまったくよく寝る。黙っていたら、2日ぐらい平気だからね。ハッハッハ」
 鮎子の母は三年まえになくなり、現在は父親と少年工の松吉と、それに家事手伝いのおキンばあさんの四人で、父親の経営するオートバイ製作工場の裏てにある、六部屋ほどの家に住んでいるのだった。

 「冗談じゃないぞ、あの子に投げられたら、わしは壊れてしまう。わしが作るオートバイほど、頑丈じゃないからな。」
 庄兵衛は苦笑した。生まれっき体が弱かったのを心配して、小学校一年のときから、鮎子に一回身術を習わせはじめたら、不思議にメキメキ丈夫になり、背もだんだんと伸び、いまや学校の女生徒たちの中ではいちばん大きい。技のほうも驚くほど上達して、鮎子がやるつもりなら、父親など軽く投げ飛ばされてしまう。いや父親だけでなく、100人近くいる工場の人たちの中の、力自慢の若者たちでも、うっかりすると逆手、逆手ととられて降参するほどであったからだった。
(豪快アルバイト学生より)

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『はりきりスピード娘』 
   目  次
豪快アルバイト学生
すごい離れわざ
悪者のだくらみ
美少女の怒り
たいへん小僧
怪力の用心棒
娘てんぐと小てんぐ
ね ら う 大 男
びっくり早わざ
快男児の逆襲
怪物ゴリラ男の出現
乗りこむオオカミの巣 
電光早わざ娘
あやうし正義のふたり
さっそう! 美少女と快男児

城戸きどれい 1909東京都生まれ。貸本小説のベストセラー作家。昭和30年の「大学三四郎」を皮切りに、快男児三四郎を主人公とした人気シリーズを数々発表。貸本小説の「明朗」ものといわれるジャンルのベースができあがる。

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城戸禮の春陽文庫シリーズ

三四郎シリーズのタイトルと、その目次を見ただけで内容が一望できる。

『よしきた三四郎』城戸禮
【目次】
オオカミはおれに任せろ
美女への借金
けんか好き張り手娘          
麻薬団への挑戦
不敵、げんこつ快男児 
悪狼群への逆襲
必殺無鉄腕
なぐり込み山ネコ娘 
暗黒街を駆ける男 
悪狼群への挑戦
あばれ鉄腕快男児 

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貸本文化の発祥地が大阪か神戸か、調べていたら、『貸本小説』末永昭二(アスペクト2001年)という本に、貸本ベストセラー作家「城戸禮」が詳しく紹介されていた。日活映画の脚本やアクション小説を、月産700枚も書いてた売れっ子作家だった。今では貸本小説も作家名も知る人は少ない。インターネットで検索しても、数年前まで殆どかかるサイトがなかった。

それで資料として数冊Amazonで購入した。150円くらいで古本販売されてたのだけど、急に高騰していたので、調べてたら昔のファンや、なんじゃそら人気が高まっているようだ。

春陽文庫の版元である春陽堂書店へ、復活を要望する声もあるらしい。どうも在庫の整理もあやしいとファンが残念そうにしてる。


{城戸禮の春陽文庫シリーズ}
かけだし三四郎  いなずま三四郎 旋風三四郎 猛襲快男児 大学の快男児 
はりきりスピード娘 タックル社員愕命は 地獄へ賭けた竜巻三四郎
流星一二四郎 拳豪三四郎 無鉄砲三四郎 よしきた三四郎
地獄への弾丸 熱血爆弾児 十字火撃ちの男 拳銃街を行く男 夕陽を背にして立つ男 
大暴れ快男児 大学の人気者 大学のっむじ風 爆発喧嘩社員 三代目社員 つむじ風社員
鉄拳風来坊 つむじ風男一匹 超特急三四郎 ぶつ飛ばし三四郎 はやぶさ三四郎 つむじ風鉄腕三四郎
痛快三四郎げんこつ市長伝  向こう見ず三四郎 拳銃右手に流れ者 
地下鉄三四郎 嵐を呼ぶ男三四郎 若旦那三四郎 無敵男性三四郎 
のんびり三四郎 不敵三四郎 抜き撃ち三四郎 早わざ三四郎
〔城戸禮 春陽文庫〕

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