2020年03月03日

『銀河帝国の崩壊-Against The Fall of Night-』アーサー・C・クラーク

 数億年の未来。銀河帝国は崩壊して宇宙に雄飛した人類、砂漠と化した地球の一角で〈侵略者〉を恐れてかろうじて生存していた。

 機械とコンピュータにより人類の生活は快適なものだったが、それら技術はすでに失われていて動作原理を知るものは誰もいない。かつては宇宙に進出したが、宇宙人の攻撃を受けて地球に閉じ込められた。生き残った人々はかつてのテクノロジーを利用してなんとか生き延びている。人類は不老不死を手に入れたが、子供が激減してしまった。そんな状況の中で現状に満足して、人々は保守的になっていった。

 過去七千年で唯一の子供であるアルビンは好奇心旺盛で、町の外に何があるのか、地球が今どうなっているのか知りたがった。


 少年アルビンはダイアスパーの人気のない場所で、碑文を見つけたことから記録保管人であるロアデンの助けを得て、ダイアスパーの秘密を知る。

ダイアスパー地下には、地球上の他の街につながる道が縦横に走っていた。その道は唯一つを除いて、すべて閉鎖されている。それがリスへの道であり、アルビンはこの道を通ってリスに辿り着いた。


 ダイアスパー以外に人は生きていないと思われていたが、リスにも人類は生き延びていた。リスの人々は他人の考えを読みとり、精神を操るすべを身につけている。ダイアスパーに存在を知られたくないリスの人々は、アルビンに記憶を消してダイアスパーに戻るか、リスに永遠にとどまるか選択させた。その直前に古代都市シャルミレンから手に入れたロボットを用いて脱出して、ダイアスパーに戻ることができた。アルビンはそこでロボットから過去の情報を引き出して、宇宙船を発見して手に入れることができた。


 宇宙船に乗って七つの太陽の世界にたどり着いて、純粋知性体バナモンドに出会った。銀河系の彼方よりバナモンドと共に地球へと帰還したアルビンは、ダイアスパーとリスの人々とバナモンドを調査して、人類にあった帝国の歴史《狂った精神》によって荒廃した世界などを知るのだった。


続編『悠久の銀河帝国』がグレゴリイ・ベンフォードによって書かれている。物語が書かれた年代も、作家としての資質も違うので、『銀河帝国の崩壊』を前半にした続編は違和感ありそうな気がする。未読。

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『太陽系最後の日』(Rescue Party )アーサー・C・クラーク

アスタウンディング・サイエンス・フィクション」1946年5月号掲載の短編小説。作者のデビュー作。


【あらすじ】

太陽は七時間後にノヴァと化して、太陽系全体の壊滅は避けられない運命だった。だが一隻の銀河調査船が、その星系の第三惑星に住む知性体を救うべく全速航行していた。

太陽が白色矮星となり地球が破壊される数時間前に、超光速航法で地球を訪れようとしていた。40万年前にも調査船が太陽系を訪れたが、知性が発見されず、60万年後に再調査が行われる予定だった。短期間に知性が発生する変化はしないと考えられていたが、200光年離れた惑星に地球からの電波が届いたのだ。地球に知性が誕生してると思われて、早急な調査がされる中で、太陽がわずか数時間後に爆発するのが判明した。


搭乗してきた異星人たちのミッションは地球にいる知的生命体(人類)を出来る限り救うことである。限られた時間の中で地球に降り立つが、地球人は発見できなかった。だが惑星間通信ステーションらしき施設を発見して、電波を使用して200年後に宇宙空間へ進出していると知り驚く。


爆発する太陽を背にして、銀河調査船は太陽系を脱出するが、文明を救えず落胆する。しかし惑星通信ステーション施設が太陽系の惑星を向いておらず、公転軌道面からも離れた空間を向いてたなどから、地球人を過小評価していたと思い返して、その空間に向かってみる。そこで調査団わは見たこともない大船団を目撃した。無謀にもロケットで恒星間宇宙を、地球人たちは渡ろうとしていたのだった。

《終わり》


『ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク 1  太陽系最後の日』中村融、早川書房、2009年刊行

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