『死が二人を』エド・マクベイン(ハヤカワ・ミステリ文庫)
87分署シリーズ
警察に日曜日はない。初夏のさわやかな微風も明るい陽ざしも、一旦緩急あれば刑事にはもどかしいばかりだ ── 妹の結婚式当日も、キャレラはその花婿となるトミイに電話でたたき起こされた。
彼の家を至急訪れたキャレラがそこで見たものは、なんと、小箱にうずくまる猛毒の黒後家蜘蛛だった!
しかも、”花婿に”とのカードまで添えられて……晴れの日に起きた忌わしい事件をセミドキュメント・タッチで描くシリーズの逸品。
『わが町\』ナレーション
眩い光に魅せられて人は都会に集まってくる
無数の光が輝くところに
そこには何かがあるような気がする
無数の富が、無数の幸せが、無数の喜びが
しかし、光のあるところには影がある
光が強く輝くところには、それだけ深い闇がある
美しくきらめく都会の明かりは
人の心から闇を引きずり出してしまう力をもっているのだろうか
(ラスト)
町に光と影があるように
人の心の中にも光と影がある
光の部分で人と付き合う人間もあれば
影の部分でしか人と付き合えない人間もいる
眩く輝く都会の明かりを人はどんな思いで見ているのだろう
都会を愛している人間もいれば
憎んでいる人間もいる
人を愛している人間もいれば
人を憎んでいる人間もいる
無数に輝く都会の明かりは
人の心の中ではそれぞれ別の色なのかもしれない
『わが町\』ナレーション(脚本:鎌田敏夫 ナレーター:湯浅実)
【87分署シリーズ】
- 警官嫌い(1956年)
- 通り魔(1956年)
- .麻薬密売人(1956年)
- ハートの刺青(1957年)
- 被害者の顔(1958年)
- 殺しの報酬(1958年) 2015/07/28 既読
- レディ・キラー(1958年)
- 殺意の楔(1959年)
- 死が二人を(1959年)
- キングの身代金(1959年)
- 大いなる手がかり(1960年)
- 電話魔(1960年)
- 死にざまを見ろ(1960年)
- クレアが死んでいる(1961年)
- 空白の時(1962年)
- たとえば、愛(1962年)
- 10プラス1(1963年)
- 斧(1964年)
- 灰色のためらい(1965年)
- 人形とキャレラ(1965年)
- 八千万の眼(1966年)
- 警官(さつ)(1968年)
- ショットガン(1969年)
- はめ絵(1970年)
- 夜と昼(1971年)
- サディーが死んだとき(1972年)
- 死んだ耳の男(1973年)
- われらがボス(1973年)
- 糧(1974年)
- 血の絆(1975年)
- 命果てるまで(1976年)
- 死者の夢(1977年)
- カリプソ(1979年)
- 幽霊(1980年)
- 熱波(1981年)
- 凍った街(1983年)
- 稲妻(1984年)
- 八頭の黒馬(1985年)
- 毒薬(1987年)
- 魔術(1988年)
- ララバイ(1989年)
- 晩課(1990年)
- 寡婦(1991年)
- キス(1992年)
- 悪戯(1993年)
- 87分署に諸人こぞりて(1994年)
- ロマンス(1995年)
- ノクターン(1997年)
- ビッグ・バッド・シティ(1999年)
- ラスト・ダンス(2000年)
- マネー、マネー、マネー(2001年)
- でぶのオリーの原稿(2002年)
- 歌姫(2004年)
- 耳を傾けよ!(2004年)
- Merely Hate(2005年)
- 最後の旋律(2005年)