2020年01月18日

窓を開けることなき人生

 庸才の作品は大作にもせよ、必ず窓のない部屋に似ている。人生の展望は少しも利かない。


 機智とは三段論法を欠いた思想であり、彼等の所謂いわゆる「思想」とは思想を欠いた三段論法である。


 機智に対する嫌悪の念は人類の疲労に根ざしている。

(芥川龍之介)


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 窓の扉は開けるものとして用意されているが、その機能を知らずに壊してしまう阿保もいる。そして広い空間を観ることなく、愚鈍な行為に明け暮れてしまう。虚偽と欺瞞に満ちてしまう。彼等の過ごす空間は、広がりを魅せることなく閉幕となるだろう。

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『サイレント映画の黄金時代』ケヴィン・ブラウンロウ

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46章まで目を通してたら、アベル・ガンス監督へ本書を捧げている。4時間を超えるサイレン映画『鉄路の白薔薇 - La Roue (1923)』は、観る方も「カラマゾフの兄弟」を読破するエネルギーがいるけれど、どちらも娯楽作品として創作されている。映画メディアの進化を想うと、モノクロの無声映画には煌めく宝石のように埋没したもの、現在の映画製作では叶わない作品がザクザクとあるのが愛情たっぷり探究されている。

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ケヴィン・ブラウンロウと『サイレント映画の黄金時代』岡島尚志

1 はじめに 

2章 草創期

3章 初期のヴァイタグラフ社 

4章 実験者たち 

5章 ハリウッドのあけぼの 

6 『国民の創生』から『イントレランス』へ 

7章 監督 

8章 D・W・グリフィス 

9章 アラン・ドワン 

10章 ヘンリー・キング 

11章 メリー・ピックフォード 

12章 クラレンス・ブラウン 

13章 エドワード・スローマンの失われた仕事 

14章 ウィリアム・ウェルマン 

15章 セシル・B・デミル 

16章 ジョゼフ・フォン・スタンバーグ 

17章 キャメラマン 

18章 チャールズ・ロシャー 

19章 映画美術 

20章 『ロビン・フッド』のダグラス・フェアバンクス 

21章 映画の王道、あるいはメロドラマの呪い 

22章 シナリオ 

23章 編集――隠れた力 

24章 染色と字幕――サイレントならではの二つの技術  

25章 マーガレット・ブース 

26章 ウィリアム・ホーンベック

27章 サイレント映画のスタントマン 

28章 彼らなしでは映画は作れない 

29章 過酷な仕事 

30章 サイレント映画はサイレントにあらず 

31章 演技

32章 スター 

33章 ジェラルディン・ファラー 

34章 グロリア・スワンソン 

35章 ベティ・ブライス 

36章 壮大なる大混乱――『ベン・ハー』 

37章 製作者 

38章 ルイ・B・メイヤーとアーヴィング・タルバーグ 

39章 デイヴィッド・O・セルズニック

40章 去年の笑いいまいずこ  

41章 レジナルド・デニー 

42章 ハロルド・ロイド 

43章 バスター・キートン 

44章 チャップリン 

45章 ヨーロッパのサイレント映画 

46章 アベル・ガンス 

47章 トーキー

謝辞  


附録 サイレント期アメリカ映画人名事典


訳者あとがき  

索引(人名・映画題名)


https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336065377/


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