2019年11月02日

ビート詩人ケネス・レクスロスについて

レクスロスの部屋には蔵書のみならず、彼がカリフォルニアでの大半の作品執筆に愛用した大きくて古い木製の机が置かれている。レクスロスは『短詩集』の「一月の夜」という詩(P.185)の中でこう書いている。


「目の前の机の上に/タイプライターと紙がある」「そして私の美しい、角張った/水晶、頭蓋骨よりも大きい…..」


レクスロスは詩が心から湧き出ようとする時静かに水晶のことを想った。この水晶はレクスロスにとって一体どんな意味をもっていたのだろう。

ウィリアム・ブレイクが一粒の砂に世界を観たように、レクスロスは宇宙の絶え間ない創造のプロセスを水晶に見いだしたかのようであった。


「計りしれない/目に見えない 弾力性のあるもの/水晶は空間の子宮」(『花環の』」より「ドイツのハネムーン」p.15)


神田外語大学附属図書館 ケネス・レクスロス・コレクションより



◇ レクスロス Rexroth, Kenneth

[生]1905.12.22. インディアナ,サウスベンド

[没]1982.6.6. カリフォルニア,サンタバーバラ

アメリカ合衆国の詩人,画家,随筆家,翻訳家。ビート・ムーブメント(→ビート・ジェネレーション)初期の推進派。ほとんど独学で,若い頃はアメリカ西部をめぐって,労働組合を組織したりそこで演説をしたりして過ごした。初期の詩はシュルレアリスムの影響を受けた実験的なものであったが,その後の作品は簡素で,かつ機知と人間味あふれる情熱に富み,称賛された。詩集 "Complete Collected Longer Poems"(1962)と "Complete Collected Shorter Poems"(1966)の発表後,1974年には "New Poems"を出版。エッセーに "Bird in the Bush"(1959),"Assays"(1962),"The Alternative Society"(1970),"With Eye and Ear"(1970),"American Poetry in the Twentieth Century"(1971)などがある。翻訳も多数残し,日本語,中国語,ギリシア語,ラテン語,スペイン語の詩を英訳した。1966年小説 "An Autobiographical Novel"を発表

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ドキュメンタリー映画「エッシャー 視覚の魔術師」12月公開

トリックアートで知られるオランダ人版画家・画家マウリッツ・コルネリス・エッシャーの波乱に満ちた人生と作品/ドキュメンタリー映画「エッシャー 視覚の魔術師」12月14日公開。


絵画、広告、映画など表現者にインスピレーションを与えているエッシャーは鋭い観察者でもあった。家族へのインタビュー、収集家の証言、1000を超える書簡、日記、生前のエッシャーが暮らした街の足跡を丹念に辿りその創造力の源泉を追うとともに、3Dアニメーションを用いて、エッシャーがどのようにして漠然としたアイデアを視覚化したのか、思考のプロセスを描く。

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