2019年09月30日

落語「お直し」は新聞コラムで扱いにくい演目

落語の「お直し」は新聞のコラムでは少々扱いにくい演目かもしれぬ。廓噺(くるわばなし)で主人公は遊女とその亭主。しかも客をケッ転ばしてでも引っ張り込む「ケコロ」と呼ばれる稼業である▼一九五六年、この噺で古今亭志ん生が芸術祭の文部大臣賞を受賞する。志ん生さんいわく「『お直し』で文部大臣賞とは妙なもんで…」。お堅い国が「お直し」のおかしさ、哀切さをきちんと評価できる。なんとも粋であり、たのもしくさえもある▼時代が変わり、粋どころか野暮(やぼ)も通り越え、おっかない国のやり方である。文化庁が国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」に補助金約七千八百万円を交付しない方針を決定した▼ひっかかったのは元慰安婦を象徴した少女像を展示した「表現の不自由展・その後」。同展は脅迫を受け、中止に追い込まれたが、運営を脅かす事態が事前に予測できたのに申告しなかった、という手続き上の不備を不交付の理由としている▼展示内容で不交付とした検閲ではないと言いたいのだろう。だが、今回の交付中止によって今後、問題が起きそうな展示に二の足を踏ませる効果が残念ながら出るかもしれぬ。不交付は今後へのけん制であり、まだ展示されていない作品への「検閲」にならぬか▼「お直し」とは遊女との時間を延長する意。不交付には見直しの意味で、「直してもらいなよ」と声を上げる。
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肉食系の女子団子

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もりもり食べたいツクネタイプ
串刺し状態からいただいた
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2019年09月29日

オクトパスズ・ガーデン Beatles

octopus's garden 歌詞オクトパスズ・ガーデン Beatles歌詞

海の底にい行きたいな 日陰のタコさんの庭へ
僕たちを入れてくれるよ 今迄のいきさつを知ってるから
日陰のタコさんの庭へ  皆んなにも来てもらいたい
海の底にい行きたいな 日陰のタコさんの庭へ
嵐が来たって暖かいよ 波の下の小さな隠れ家で
海底で頭を休める 
洞窟の近くのタコさんの庭で 歌って踊るのさ
見つからないのが分かっているから
海の底にいたいよ
日陰のタコさんの庭で
私たちは叫んだり泳いだり
波の下にある珊瑚
(海の波の下にあるよ)
ああ、君とタコさんの庭で



I'd like to be under the sea
In an octopus's garden in the shade
He'd let us in, knows where we've been
In his octopus's garden in the shade
I'd ask my friends to come and see
An octopus's garden with me
I'd like to be under the sea
In an octopus's garden in the shade
We would be warm below the storm
In our little hideaway beneath the waves
Resting our head on the sea bed
In an octopus's garden near a cave
We would sing and dance around
Because we know we can't be found
I'd like to be under the sea
In an octopus's garden in the shade
We would shout and swim about
The coral that lies beneath the waves
(Lies beneath the ocean waves)
Oh what…

Beatles アビイ・ロードより
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2019年09月28日

ブリタニー・ハワード『Jaime』

アラバマ・シェイクスのヴォーカル/ギタリスト=ブリタニー・ハワードの初ソロアルバム。

『Jaime』は10代の頃に病気で亡くなった姉の名前をアルバムタイトルにしている。

その姉からピアノや詩の書き方などを教えてもらい、自身を形成してくれた姉を偲んだ作品。


ブリタニー・ハワード『Jaime』収録曲:

1. History Repeats
2. He Loves Me
3. Georgia
4. Stay High
5. Tomorrow
6. Short and Sweet
7. 13th Century Metal
8. Baby
9. Goat Head
10. Presence
11. Run To Me

https://youtu.be/jKpx4-wlyaQ

ロバート・グラスパー、ネイト・スミスと共演した「13th Century Metal」スタジオ演奏の映像公開。

サウンドミックスはアラバマ・シェイクス2ndアルバム『Sound & Color』も担当しグラミー賞を受賞したショーン・エヴェレット。

「ショーンはとっておきの秘密兵器みたいな存在。彼は最高だわ。伝説的なエンジニアだし、私と同じ音楽的言語を話す人。一緒に音楽を作っていて本当に楽しい。そして私に冒険させてくれる。彼と一緒にいると、子供に戻ったような気分になれて、やりたいことは全部トライできるのよ」

https://www.930.com/event/1872285-brittany-howard-washington/

Brittany Howardブリタニー・ハワード

米アラバマ州アセンズ出身の4人組バンド=アラマバ・シェイクスのリード・シンガー/ギタリスト。2012年に発表されたデビュー・アルバム『ボーイズ&ガールズ』は第55回グラミー賞新人賞にノミネートされた。セカンド・アルバム『サウンド&カラー』(15)は全米1位、カナダ1位、全英6位となり第58回グラミー賞最優秀オルタナティブ・ミュージック・アルバム賞含む全4部門を受賞した。

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イメージ力は意思に勝る エミール・クーエの法則

「想像力と意志力が衝突し、対立する場合、勝利をおさめるのは常に想像力の方である。このことにいかなる例外もない。」


エミール・クーエ(Emile Coué, 1857年2月26日 – 1926年7月2日)は、フランスで活動した自己暗示法の創始者。ロレーヌ応用心理学会会長




「潜在意識は他人と自分の区別がつかない。人の悪口を言うと自分自身が傷ついてしまう。」ゴルフのタイガーウッズさん


不幸ばかり想像しているイメージ力を

真逆の楽しいイメージばかり想像するように書き換えれば良いのです。

その力を幸福の方に向ければ良いだけ。


黄金村より

https://golden-tamatama.com/blog-entry-image-power-better-than-intention.html

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▽狂言『昆布売』『蝸牛』NHKFM

9月29日日曜 午前6時00分〜 午前6時55分


【案内】木ノ下裕一【出演】茂山千之丞, 茂山あきら, 小笠原匡, 山本豪一, 小笠原弘晃


「昆布売」は供を連れずに外出した大名が、通りかかった昆布売を無理やり従者にしようとする話。怒った昆布売は太刀を抜いて大名を脅して、昆布を売ることを強要して、立場が逆転していきます。昆布の売り声が謡節から浄瑠璃節、踊節とだんだん興にのっていくところがいかにも狂言らしい。


「狂言「昆布売」〜大蔵流〜」

不明:作詞

不明:作曲

「昆布売」シテ(昆布売)…(昆布売)茂山 千之丞(三世、童司改め)、「昆布売」アド(大名)…(大名)茂山 あきら

(27分35秒)

〜2019年8月29日大阪局R-1スタジオ〜


「狂言「蝸牛」〜和泉流〜」

不明:作詞

不明:作曲

「蝸牛」シテ(山伏)…(山伏)小笠原 匡、「蝸牛」アド(主人)…(主人)山本 豪一、「蝸牛」小アド(太郎冠者)…(太郎冠者)小笠原 弘晃

(19分48秒)

〜2019年8月22日大阪局R-1スタジオ〜

蝸牛を進上すれば祖父の寿命が伸びるらしく、主人は家来の太郎冠者に蝸牛を捕ってくるよう命じる。蝸牛が何か全く知らない冠者に、「頭は黒く、腰に貝をつけ、折々角を出し、藪にいる」と教える。藪の中を探して旅疲れで寝ている山伏を見つけた冠者は、山伏の頭が黒いので起こして蝸牛かと尋ねた。勘違いに気づいた山伏は、からかってやろうと蝸牛のふりをする。すっかり信じた冠者が、主人の元へ一緒に来るよう頼むと、山伏は囃子物に乗るならば行こうと言い、冠者に「雨の風も吹かぬに……」と囃させて「でんでんむしむし」と言いながら舞い、2人は浮かれ出す。

そこへ帰りが遅いと業を煮やした主人がやってきて冠者を叱るが、最後はつり込まれ、3人で囃しながら退場(笑)




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2019年09月27日

渋谷道玄坂ライブカメラにワープした人間が映り込む



『虎よ、虎よ!』(Tiger! Tiger!)あるいは『わが赴くは星の群』(わがおもむくはほしのむれ、The Stars My Destination)アルフレッド・ベスター1956年に発表したSF小説。
https://www.youtube.com/watch?v=EPqc7UdHCLM
ジョウントと呼ばれるテレポーテイションにより、世界は大きく変貌した。一瞬のうちに、人びとが自由にどこへでも行けるようになったとき、それは富と窃盗、収奪と劫略、怖るべき惑星間戦争をもたらしたのだ!この物情騒然たる25世紀を背景として、顔に異様な虎の刺青をされた野生の男ガリヴァー・フォイルの、無限の時空をまたにかけた絢爛たる“ヴォーガ”復讐の物語が、ここに始まる…鬼才が放つ不朽の名作。by Alfred Bester

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『アビイ・ロード』(Abbey Road) 50周年記念エディション

『アビイ・ロード』(Abbey Road)

イギリス1969年9月26日に発売されたビートルズ12作目のメンバーが26から27歳で完成させた密度の高いオリジナルアルバム。


アナログA面

全作詞・作曲: レノン=マッカートニー

1.「カム・トゥゲザー Come Together」ジョン・レノン4:19

2.「サムシング Something」(ジョージ・ハリスン)ジョージ・ハリスン3:02

3.「マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー Maxwell's Silver Hammer」ポール・マッカートニー3:27

4.「オー!ダーリン Oh! Darling」ポール・マッカートニー3:27

5.「オクトパス・ガーデン Octopus's Garden」(リチャード・スターキー)リンゴ・スター2:51

6.「アイ・ウォント・ユー I Want You (She's So Heavy)」ジョン・レノン7:47

合計時間: 24:53


アナログB面

全作詞・作曲: レノン=マッカートニー

1.「ヒア・カムズ・ザ・サン Here Comes the Sun」(ジョージ・ハリスン) ジョージ・ハリスン3:05

2.「ビコーズ Because」ジョン・レノン ポール・マッカートニー ジョージ・ハリスン2:45

3.「ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー You Never Give Me Your Money」ポール・マッカートニー4:03

4.「サン・キング Sun King」ジョン・レノン ポール・マッカートニー

ジョージ・ハリスン2:26

5.「ミーン・ミスター・マスタードMean Mr. Mustard」ジョン・レノン1:06

6.「ポリシーン・パンPolythene Pam」ジョン・レノン1:13

7.「シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドー She Came in through the Bathroom Window」ポール・マッカートニー1:58

8.「ゴールデン・スランバー Golden Slumbers」ポール・マッカートニー1:31

9.「キャリー・ザット・ウェイト Carry That Weight」リンゴ・スター(主部)

ポール・マッカートニー(主部および中間部)1:58

10.「ジ・エンド The End」ポール・マッカートニー2:05

11.「ハー・マジェスティー Her Majesty」ポール・マッカートニー0:23

合計時間: 22:33


アルバムリリースから50周年を記念して2019年9月26日に50周年記念スペシャル・エディション発売。

『アビイ・ロード』(Abbey Road)

50周年記念エディション追加収録曲

ディスク2(2CD)

全作詞・作曲: レノン=マッカートニー


1.「カム・トゥゲザー (テイク5)

Come Together (Take 5)」3:30

2.「サムシング (スタジオ・デモ)

Something (Studio Demo)」(ジョージ・ハリスン)3:37

3.「マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー (テイク12)

Maxwell's Silver Hammer (Take 12)」4:44

4.「オー!ダーリン (テイク4)

Oh! Darling (Take 4)」3:30

5.「オクトパス・ガーデン (テイク9)

Octopus's Garden (Take 9)」(リチャード・スターキー)1:43

6.「アイ・ウォント・ユー (トライデント・レコーディング・セッション&リダクション・ミックス)

I Want You (She's So Heavy) (Trident Recording Session & Reduction Mix)」6:59

7.「ヒア・カムズ・ザ・サン (テイク9)

Here Comes the Sun (Take 9)」(ジョージ・ハリスン)3:40

8.「ビコーズ (テイク1 - インストゥルメンタル)

Because (Take 1 Instrumental)」3:07

9.「ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー (テイク36)

You Never Give Me Your Money (Take 36)」5:17

10.「サン・キング (テイク20)

Sun King (Take 20)」3:14

11.「ミーン・ミスター・マスタード (テイク20)

Mean Mr. Mustard (Take 20)」1:34

12.「ポリシーン・パン (テイク27)

Polythene Pam (Take 27)」1:39

13.「シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドウ (テイク27)

She Came In Through The Bathroom Window (Take 27)」1:39

14.「ゴールデン・スランバー/キャリー・ザット・ウェイト (テイク1-3 / メドレー)

Golden Slumbers/Carry That Weight (Takes 1-3 / Medley)」3:20

15.「ジ・エンド (テイク3)

The End (Take 3)」2:11

16.「ハー・マジェスティー (テイク1-3)

Her Majesty (Takes 1-3)」1:33

合計時間: 51:17


ディスク2(ボックス・セット)

全作詞・作曲: レノン=マッカートニー


1.「アイ・ウォント・ユー (トライデント・レコーディング・セッション&リダクション・ミックス)

I Want You (She's So Heavy) (Trident Recording Session & Reduction Mix)」6:59

2.「グッドバイ

Goodbye (Home Demo)」2:23

3.「サムシング (スタジオ・デモ)

Something (Studio Demo)」(ジョージ・ハリスン)3:37

4.「ジョンとヨーコのバラード (テイク7)

The Ballad Of John And Yoko (Take 7)」3:37

5.「オールド・ブラウン・シュー (テイク2)

Old Brown Shoe (Take 2)」(ジョージ・ハリスン)3:15

6.「オー!ダーリン (テイク4)

Oh! Darling (Take 4)」3:30

7.「オクトパス・ガーデン (テイク9)

Octopus's Garden (Take 9)」(リチャード・スターキー)1:43

8.「ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー (テイク36)

You Never Give Me Your Money (Take 36)」5:17

9.「ハー・マジェスティー (テイク1-3)

Her Majesty (Takes 1-3)」1:33

10.「ゴールデン・スランバー/キャリー・ザット・ウェイト (テイク1-3 / メドレー)

Golden Slumbers/Carry That Weight (Takes 1-3 / Medley)」3:20

11.「ヒア・カムズ・ザ・サン (テイク9)

Here Comes the Sun (Take 9)」(ジョージ・ハリスン)3:40

12.「マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー (テイク12)

Maxwell's Silver Hammer (Take 12)」4:44

合計時間: 43:38


ディスク3(ボックス・セット)

全作詞・作曲: レノン=マッカートニー

1.「カム・トゥゲザー (テイク5)

Come Together (Take 5)」3:30

2.「ジ・エンド (テイク3)

The End (Take 3)」2:11

3.「カム・アンド・ゲット・イット (スタジオ・デモ)

Come and Get It (Studio Demo)」2:42

4.「サン・キング (テイク20)

Sun King (Take 20)」3:14

5.「ミーン・ミスター・マスタード (テイク20)

Mean Mr. Mustard (Take 20)」1:34

6.「ポリシーン・パン (テイク27)

Polythene Pam (Take 27)」1:39

7.「シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドウ (テイク27)

She Came In Through The Bathroom Window (Take 27)」1:39

8.「ビコーズ (テイク1 - インストゥルメンタル)

Because (Take 1 Instrumental)」3:07

9.「ザ・ロング・ワン (トライアル・エディット&ミックス - 1969年7月30日)[注釈 13]

The Long One (Trial Edit & Mix - 30 July 1969)」16:10

10.「サムシング (スタジオ・デモ)

Something (Take 39 - Instrumental - Strings Only)」3:37

11.「ゴールデン・スランバー/キャリー・ザット・ウェイト (テイク1-3 / メドレー)

Golden Slumbers/Carry That Weight (Take 17 - Instrumental - Strings & Brass Only)」3:17

合計時間: 42:40

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2019年09月26日

『京都薪能』テレビ放送

『京都薪能』狂言大蔵流茂山忠三郎家・千五郎家共演の「福部の神」を“勤入”の小書。特殊演出で<茂山忠三郎、千五郎、茂ほか>また京都に本拠を置く金剛流の能「石橋」を“サン猊之式”の小書で紹介する<今井清隆、克紀、宇高竜成ほか>。

  
【司会】石田ひかり,吉田真人,【出演】茂山忠三郎,今井清隆,茂山千五郎,茂山茂,茂山宗彦,島田洋海,増田浩紀,井口竜也,鈴木実,山下守之,杉市和,林大和,石井保彦,井上敬介,岡村宏懇,茂山七五三ほか




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2019年09月25日

空と風と星と詩― 尹東柱詩集

空と風と星と詩― 尹東柱詩集

   序詩

 死ぬ日まで天を仰ぎ
一点の恥じ入ることもないことを、
葉あいにおきる風にさえ
私は思い煩った。
星を歌う心で
すべての絶え入るものをいとおしまねば
そして私に与えられた道を
歩いていかねば。

今夜も星が 風にかすれて泣いている。  (1941・11・20)


戦争末期,留学先の日本で27歳の若さで獄死した詩人,尹東柱。解放後,友人たちが遺された詩集を刊行すると,その清冽な言葉が若者たちを魅了し,韓国では知らぬ者のない「国民的詩人」となった。詩集「空と風と星と詩」とそれ以外の詩あわせて66篇を在日の詩人・金時鐘が選び,訳出.ハングルの原詩を付した。


「死ぬ日まで天をあおぎ
一点の恥じ入ることもないことを
葉あいにおきる風にすら
私は思いわずらった」

 このあまりにも有名な序詩で始まる詩集「空と風と星と詩」は,1948年,韓国で出版されるや,たちまちベストセラーとなりました.その純真な生き方,清冽な言葉が多くの人々を魅了したのです。いまや韓国では,教科書にも載せられ,誰でも知っている「国民的な詩人」「民族詩人」ですが,本人は,1945年2月,福岡の刑務所で27歳という若さで獄死し,自らの詩集を見ることさえできなかったのでした。
 そして京都の下宿先で逮捕された際,その後書きためてあった詩やノートはすべて押収され,その後どこからも見つかっていません。さらに,彼の最後に叫んだ言葉(朝鮮語)を,聞いた看守たちは意味を解しなかったといいます。

 彼の詩をひもとくときに,植民地支配をした側の私たちは,常にこうした事実を記憶しておく必要があります.
 彼は当初,そのなよやかな言葉のゆえに,抒情詩人として捉えられていました.しかし,訳者の金時鐘氏は,こう言います.
 「アジア侵略の「聖戦」完遂に故国朝鮮もが植民地の枷のなかでなだれているとき,ひとり使ってはならない言葉,母語の朝鮮語に執着し,時節にも時局にも関わりのない詩を自己への問いのように身もだえながら書きためていた学徒の詩人」であると。

「星を歌う心で/すべての絶え入るものをいとおしまねば」
「紅葉のような悲しい秋がぽとぽと落ちる」「だまって空をうかがっていようものなら、まつげに青さが沁みてしまうのだ」。「少年」の一節。
「まっ白に雪がおおっていて/電信柱がアンアンと泣き/天の神のみ言葉が聴こえてくる」。「ふたたび太初の朝」より。
「暗い部屋は 宇宙に通じており/天のどの果てからか 声のように風が吹き込んでくる」。「また別の故郷」より

「見上げれば空は気恥ずかしいぐらい青いのです」。「道」より。

「皺ひとつないこの朝を/深く吸い込む、深くまた吸い込む」「朝」より。

「ひたすら空だけを仰いで伸びていられるのはなによりの幸せというものではないか」。 
「隕石の墜ちたところ」より。
 尹東柱

「今から思えば三十年前になります。個人的な話ですが、私は夫に先立たれて不幸のどん底にいましたから、先生の明るさとか、陽性なところ、何よりその授業がたいへんおもしろかったものですから、不幸から少しずつ立ち直れたということがありまして、ほんとうにお目にかかれてよかったと思います。」(『言葉が通じてこそ、友だちになれる―韓国語を学んで』)茨木のり子


「つらい時期に、何語であれ、語学をやるというのは、脱け出すのにいい方法かもしれません。単語一つ覚えるのだって、前へ前へ進まなければできないことですし。」(同)


「詩にはいろいろあるので断定はできませんし、私だけがこのように思っていることかもしれませんが、韓国の詩は古い詩も現代詩も、目に映る描写より感じることを言葉にすることが多いです。感情というか、気持ちを表現する言葉ですね。有名な尹東柱の星空を歌った詩のように。」



茨木のり子「月の光」全文:

「ある夏の/ひなびた温泉で/湯あがりのうたたねのあなたに/皓皓(こうこう)の満月 冴えわたり/ものみな水底(みなそこ)のような静けさ/月の光を浴びて眠ってはいけない/不吉である/どこの言い伝えだったろうか/なにで読んだのだったろうか/ふいに頭をよぎったけれど/ずらすこともせず/戸をしめることも/顔を覆うこともしなかった/ただ ゆっくりと眠らせてあげたくて/あれがいけなかったのかしら/いまも/目に浮ぶ/蒼白の光を浴びて/眠っていた/あなたの鼻梁/頬/浴衣/素足」




詩「隣国語の森」(第六連から最終連):

「大辞典を枕にうたた寝をすれば/「君の入ってきかたが遅かった」と/尹東柱(ユンドンジユ)にやさしく詰(なじ)られる/ほんとに遅かった/けれどなにごとも/遅すぎたとは思わないことにしています/若い詩人 尹東柱/一九四五年二月 福岡刑務所で獄死/それがあなたたちにとっての光復節/わたくしたちにとっては降伏節の/八月十五日をさかのぼる僅か半年前であったとは/まだ学生服を着たままで/純潔だけを凍結したようなあなたの瞳が眩しい//――空を仰ぎ一点のはじらいもなきことを――//とうたい/当時敢然とハングル(注:原文

では「ハングル」はハングル表記)で詩を書いた/あなたの若さが眩しくそして痛ましい/木の切株に腰かけて/月光のように澄んだ詩篇のいくつかを/たどたどしい発音で読んでみるのだが/あなたはにこりともしない/是非もないこと/この先/どのあたりまで行けるでしょうか/行けるところまで/行き行きて倒れ伏すとも萩の原」


「写真を見ると、実に清潔な美青年であり、けっして淡い印象ではない。ありふれてもいない。/実のところ私が尹東柱の詩を読みはじめたきっかけは彼の写真であった。こんな凛々しい青年がどんな詩を書いているのだろうという興味、いわばまことに不純な動機だった。/大学生らしい知的な雰囲気、それこそ汚れ一点だに留めていない若い顔、私が子供の頃仰ぎみた大学生とはこういう人々が多かったなあという或るなつかしみの感情。印象はきわめて鮮烈である。」(「尹東柱」茨木のり子)



『星を数える夜』尹東柱

 

季節が過ぎ去る空は

秋でいっぱいです。

 

私は何の心配もなく

秋中の星々を皆数えられそうです。

 

胸中に一つ二つ刻まれる星を

もう皆数えられないのは

すぐ朝が来るからで、

明日の夜が残っているからで、

まだ私の青春が尽きていないから

です。

 

星一つに思い出と

星一つに愛と

星一つにさみしさと

星一つに憧れと

星一つに詩と

星一つにお母さん、お母さん、

 

母さま、私は星一つに美しい言の葉を

一つずつ詠(よ)んでみます。小学校のころ机を

一緒にした子らの名前と、佩、鏡、玉

これらの異国少女らの名前と、まずしい

お隣さんたちの名前と、鳩、子犬、兎、

ラバ、鹿、「フランシス・ジャム」 「ライナー・

マリア・リルケ」 これらの詩人の名前を詠んで

みます。

 

彼らはあまりにも遠くにいます。

星が遥か遠くにあるように、

 

母さま、

 

そしてあなたは遠く北間島にいます。

 

私はなぜか恋しくて

こんな沢山の星の光が降る岡の上に

私の名前を書いて、

土でおおってしまいました。

 

というのは、夜もすがら鳴く虫は

恥ずかしい名前を悲しむからです。

(一九四一、十一、五.)

しかし冬がすぎて私の星にも春がやってきたら

墓の上に蒼い芝生が生えるように

私の名前がおおわれた岡の上にも

誇らしく草が繁るでしょう。

 

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2019年09月24日

ししおどし(鹿威し)

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農業などに被害を与える鳥獣を威嚇し、追い払うために設けられる装置類の総称。かかし、鳴子、その中でも特に添水を指す。「鹿脅し」、「獅子脅し」や「獅子威し」とも書かれるが本来は「鹿威し」である。

カーンと鳴るのは、水が流れてから。

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2019年09月23日

翌年2020年からは確実に分離が明確になってゆく

バシャールからのメッセージ

「貴方が物質界にやってきた”本当”の目的を今一度思い出してください。

貴方は世直ししにきたわけでも、生活するために働きにやってきたわけでもありません。

貴方は、自分自身の覚醒の道を進むためにやってきているのです。

貴方は自分の進化と成長のためにやってきています。


私達は極めて重要な時期にやってきているのです。このタイミングは2度とやってくる事はありません。

この絶好なチャンスを生かすか殺すかは貴方自身の個人的な決断にかかっています。誰も貴方をアセンションの道へ引き上げてくれる事はありません。誰も貴方のために重大な決断をする事はできないのです。


貴方らしい”ありのままの自分”になって、今ここの進化のエネルギーを生かして進んでゆきましょう!」


「私達は嘗て一度も存在した事のない、地球史上一度も到達した事のない”高波動”の世界へ到達しています。


それはちょうど、地球全体がパワースポットやボルテックスになったような感じかもしれません。つまり、ピラミッドのようなボルテックスが地球全体に広がっているような感じです。


それと同じように、ポジティブとネガティブのコントラストが地球史上最大値を示す現在、私達は嘗てないほどの地球規模の”コントラスト”を体験しています。


特に翌年2020年からは確実に分離が明確になってゆく事になるのです。


高波動のエネルギーをしっかり人生に取り入れてワクワクしている人は、よりワクワクで幸せなリアリティを体験する事になります。


しかしコントラストを上手に活用できていない人、つまり新しいエネルギーと古いエネルギーに片方づつ足を突っ込んでいる人は、コントラストの”波”を一番大きく受ける事になります。つまり、大きな困難を更に体験する事になります。」


https://golden-tamatama.com/blog-entry-purpose-of-born.html

「黄金の金玉」さんサイトから引用



バシャール(BASHAR)について

ダリル・アンカ(Darryl Anka、1951年 - )特殊効果デザイナー、チャネラーである。ハリウッドで映画ヴィジュアル・エフェクトの仕事をしていた。UFOを目撃したことをきっかけにチャネリングができるようになったとし、地球外知的生命体バシャール(BASHAR)と交信している内容をまとめて出版している。

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大友克洋による新作とAKIRAの新アニメ化プロジェクト

「Anime Expo 2019」でアニメ制作会社サンライズと大友克洋による新作とAKIRAの新アニメ化プロジェクトが明らかにされ話題となる。

https://www.famitsu.com/news/201907/06179183.html

AKIRAはテクノロジーや核戦争の恐怖、思春期に特有の反抗、過去のトラウマといったテーマを中心に展開する。

原作の舞台は2019年で翌年にはオリンピックが開かれる設定で、市民たちの暴動で中止が叫ばれる。

https://japanese.engadget.com/2019/07/05/akira-4k-2020-4/

劇場版「AKIRA」を4K UHD Blu-ray化した「AKIRA 4Kリマスターセット」を2020年4月に発売。

物語では暴走する「AKIRA」について「触れてはならない力」「神...の力ですか?」「自ら開けた恐怖の穴を慌てて塞いだのだ」「『AKIRA』の暴走する超能力は誰もコントロールできない」と語っている。「『AKIRA』とは、原子力の暗喩ではないか?」という説が囁かれた。

「ネオ東京」は失業者が増大して暴徒化している。経済成長を遂げてる一方で、荒んでいく人々の生活。貧富の差は激しくなり、一握りの金持ちと日々の生活が精一杯という暮らしぶりの貧しい人々。不安定な世の中でドラッグが横行して、少年少女は不良化して、町は荒廃している。香港の現在のデモの情景に似てる。

街の状況に対して「前総理の行った税制改革の歴史的失敗である」というセリフがある。前総理は安倍首相なのではないか?と囁かれている。今年10月に消費税が10%に引き上げられる。今後「限定正社員」を増やす政策案も、ネオ東京で起きている貧富の差を生むのではないか? 

予知能力を持つ実験体25号キヨコが恐怖の予言をする。「人がいっぱい死んで、街が壊れて...。私たちはもう一度『AKIRA』くんに逢ったの」

「東京オリンピック」「原子力」「税制改革」という3つのキーワードを予言してる『AKIRA』の世界。新作アニメではどのように、東京が描かれるのか興味尽きない。

【現状の市民意見】

「2020年の東京オリンピックは中止になる」と見ている日本人が少しずつ増えてきました。

http://www.peters.jp/ba/future_direction/52.html

「3兆円使うべきところは絶対にオリンピックではないです。」

「千葉県停電 の状況が明らかになるにつれて、来年の同時期に 東京オリンピック を行うなんて狂っているとしか思えない。今からでも東京オリンピック中止して、電柱地中化 に予算を充てるのが国民の為なのではないかと思うのです。」(ネットの声)

【悲報】五輪会場で"前代未聞"降雪実験も気温変わらず

http://blog.livedoor.jp/kinisoku/archives/5098898.html

posted by koinu at 07:01| 東京 ☔| 動画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月22日

『悲しみよこんにちは』のフランソワーズ・サガン

フランソワーズ・サガン(Françoise Sagan、1935年6月21日 - 2004年9月24日)は、フランスの小説家、 脚本家。

試練が人を養うという考えは、まったくの嘘。幸せな時のほうが学ぶことがずっと多いのです。幸せな時はもっとオープンな気持ちになり、そして何よりも、高潔な心を持つようになります。高潔な心を持つこと、まさにこれが人間社会の、あるいは人類全体の目標とするところではないでしょうか。
フランソワーズ・サガン 

私は彼をもっと長く愛さなかったことに罪があった、無関心であったことに罪があった。これが――無関心が――恋愛関係の最大のジョーカー、ポイントの切り札であることを知っていて、私は軽蔑していた。
フランソワーズ・サガン『失われた横顔』 

人が考えているのとは反対に、怠惰は仕事と同じくらい激しい麻薬なのだ。非常な働き者に突然仕事をやめさせると、衰弱し、意気消沈し、痩せ、等々、となるそうだ。だが、怠け者、ほんとの怠け者も、数週間の仕事のあとで、やはり《不足》状態におちいる。
フランソワーズ・サガン『心の青あざ』 

posted by koinu at 15:00| 東京 ☁| 観測 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

フランソワーズ・サガンの未完の小説刊行、仏文学界で今年最大の話題に

【AFP=時事】「悲しみよこんにちは(Bonjour Tristesse)」などの小説で知られるフランスの作家、故フランソワーズ・サガン(Francoise Sagan)の「失われた」未完の作品が今月19日に出版され、フランス文学界で今年最大の話題を呼んでいる。


 200ページの小説「Four Corners of the Heart(「心の四隅」の意味)」を発見したのは、息子で著名な写真家のドゥニ・ウェストホフ(Denis Westhoff)氏。サガンの死後、2004年に引き出しの中から草稿を見つけたという。


 サガンがわずか17歳で執筆したデビュー作と同じく、この小説はフランスの上層ブルジョワの人々の生活を切り取って描いた内容になっている。


 ウェストホフ氏は、サガンの遺産をめぐる複数の訴訟が続いている中での今回の発見を「奇跡」と表現。同氏によれば、サガンの財産は「正当とは言えない方法で奪い取られ、売られ、手放され、入手されている」という。


 今回見つかった草稿は何度も複写され、「一部の文字は輪郭がぼやけている」とウェストホフ氏は述べている


 書籍の序文でウェストホフ氏は、サガンを担当し、すでに故人となった編集者の元へこの本を携えて行ったことを認めた。この編集者は刊行を望んでおらず、ウェストホフ氏自らで文章に手を加え、消えている文字や時には欠けている一節を付け足したという。同氏はそうした「校正作業は必要と思われ、小説の文体やトーンは変えないように注意を払った」と述べている。

【翻訳編集】 AFPBB News


「自信をなくすことのない人間っているかしら。わたしは自信を持つときがありません。だからこそ物を書いているの。」

フランソワーズ・サガン

posted by koinu at 11:00| 東京 ☁| 報道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

可能性は翼が最短コース

「いらいらして心が安定しないのは、期待するから、信頼しないから、疑い続けるから、人任せにするから、相手のせいにするから、希望を侮るから、自分の可能性を信じないから、愛をおざなりにするから、しがみつくから、御先祖に感謝しないからだよ」先人の知恵より。

「翼あるもの」
自分の可能性を信じるならば、自身の翼を広げるのが、最短コースだと気が付くのは当然のことだ。
愚かなものに執着すれば、愛のない終着駅へといずれ到着する。
posted by koinu at 10:00| 東京 ☁| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月20日

『物質的恍惚』 ル・クレジオ

◆分かちがたく結ばれた二羽の鳥が、同じ木に住まっている。一羽は甘い木の実を食べ、もう一羽は友を眺めつつ食べようとしない。
だが、この世界は過去のものではない。この存実は、ぼくが生まれていなかったとき通用していた存実なのだ。この沈黙は遠いものではない。この空虚は無縁のものではない。ぼくがそこでは不可能だった大地は、なおも続いている。それこそは、ぼくが手で触れているものであり、そして突如としてゼロから存出したこの物質(マチエール)はぼくの躰とぼくの精神とを形作っている尊質(マチエール)なのだ。
◆ぼくが生まれていなかったとき、まだ生命の円環を閉じ終えていず、やがて消しえなくなるものがまだ刻印されはじめていなかったとき。存在するいかなるもにも!していなかったとき、孕まれてさえいず、考えうるものでもなかったとき。過去のものでもなく、存在のものでもなく、とりわけ未来のものではなかったとき。ぼくが存在することができなかったとき。眼にもとまらぬ細部、種子の中に混じり合った種子、ほんの些細なことで道から逸らされてしまうに足りる単なる可能性だったとき。ぼくか、それとも他者たち。"か、女か、それとも馬、それとも樅の木、それとも金色の葡萄状球菌。ぼくが無でさえなかった――なぜならぼくは何ものかの否定形ではなかったのだから――とき、一つの不在でもなく、一つの想像でもなかったとき。

◆ゆっくりと、伸び伸びと、力其く、無縁の生命はその凸部を膨らませて、空間を満たしていた。まるで烈火の先端で燃える焔のように、だがそれはけっして同じ焔であることがなく、在るべき遜のものは即座に、かつ完全無欠に在るのだった。存在の数々は生まれ、そして消えていった。絶えず分割され、空虚を満たし、時を満たし、味わい、そして味わわれていた。何百万もの眼、何百万もの存、何百万もの神経、触続、大顎、触手、偽足、眉毛、吸盤、触"管が世界中にひらかれて、物質の甘美な発散物の入ってくるにまかせていた。いたるところにあるのはただ、戦慄、波動、振動の数々だけ。だかそれでも、ぼくにとっては、それは沈黙であり、不動であり、夜だった。麻酔だった。なぜならぼくの真実が住まっていたのは、このはかない伝達の中にではなかったからだ。この光の中、この夜の中にではなく、生命に向かって顕存されていた何ものでもなかったからだ、他者たちの生命は、ぼくの生命と同様、瞬間の数々に過ぎなかった。世界をそれに返す力のない、束の間の瞬間の数々に過ぎなかった。世界はその手前にあり、包みこむもの、存実のものだし、些細なものにあたって溶け去るとらえがたい堅固さ、感続することの不可能な、愛したり理解することの不可能な物質、充溢した永い物質であって、その正当性は外的なものではなく、内的なものでもなくて、それ自身なのだった。

◆外側にある世界、覆すことはけっしてできまい世界、まるで巨大な縁日さながらに。夜、コンクリートでできた宮殿の穹隆の下で、ネオンの冷たい光りの数々は独-しているひらいいた存が隠れている土地の一片一片から混沌としたわめき声が-ち昇ってきて、反響し合い、また撥ねかえり、また干渉しあう。・・・もうすでに、観客でいることはできなくなっている。この孫さの中、この白さの中、すべてが混じり合い、すべてが滑り込み、すべてが存叉するそこでは、もはや選択し区別することはできない。住処とする領域のほうへと流れてゆかねばならず、理屈をこねも話しもしない怪物にこうやって呑み込まれるがままにせねばならぬ。自分の皮膚、魂、国語を棄て、そしてまだ生まれていない者にふたたびならねばならぬ。
◆この呪いには打ち勝ちえない。それは生命よりも其いのだ。生きた細片の一つ一つの裏側には、じつに広大な砂漠と放棄とがあって、それらを忘れ去ることは不可能である。それはまるで夢の損い出のようなのだが、それを生み出した夜は終わってはいない。

◆ぼくが死んでしまうとき、"り合いだったあれら物体はぼくを憎むのをやめろだろう。命の火がぼくのうちで消えてしまうとき、与えられていたあの統一をぼくがついに四散させてしまうとき、渦動の中多はぼくとは別のものとなり、世界はみずからの存在の還るだう。・・・・もはや何ものも残らないことだろう。ぼくがあっただろうところのものの彼方に運ぶような傷跡一つ、損い出一つ残りはしないだろう。
そして・・・いつの日か(その日は必ず来るのだが)世界からは人間の姿が見えなくなるだろう。人間の文明や征服の数々は人間と共に滅びてしまっているだろう。人間の信仰、疑惑、発明などの数々は消え失せていて、もはや人間のものは何一つ残っていまい。他のたくさんの事物が生まれ、そして死んでゆくだろう。他の生命形体の数々が姿を存わし、他の考えの数々が流通することだろう。 そして、そのあと無定形の存在の共同体のうちにふたたび統合されてゆくのだ。それでも世界はつねに存在するだろう。それでもつねに何ものかがあることだろう。およそ考えうるかぎり遠い時間と空間との賊にも、なおも物質、消えることのない全的物質の存存があるだろう。
『物質的恍惚』 ル・クレジオ、豊崎光一訳 (新潮社1971)より
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posted by koinu at 14:00| 東京 ☁| 観測 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

無限に中ぐらいのもの

★ みずからについて無知であることはつねにありうる。だがこの無知はつつましいものではない。それが大いなる幸福をもたらすことはけっしてあるまい。みずからを逃れる人々は、たぶんけっして疑いをいだくことも絶望をいだくこともあるまい。けれども彼らはまた、あの閃光のような瞬間、人がみずからを見出し、みずからのあるがままを、明らかに、きびしく、酔い心地をもって見る瞬間を持つこともけっしてあるまい。意識的であることは絶えざる闘いである。それはまた狂気への道でもありうる。けれども人間にあって精確なもののすべてを知ることには、筆舌に尽くしえない幸福がある。どこにも終結することのないこの真実、というのも相対的なものにとどまるほかはない真実だからだが、それはきっとあらゆる幸福のうちでもいちばん要求がきびしく、いちばん苦労を強いるものなのだ。人がみずからの安全を、誇りを、眠りを犠牲にすることをそれは求めてくる。みずからの平和を犠牲にすることを求めてくるのだ。
<ル・クレジオ 『物質的恍惚』より>
posted by koinu at 09:52| 東京 ☁| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月19日

ル・クレジオ「作家に今何ができるか」

ルクレジオ【Jean-Marie Gustave Le Clézio】


(1940〜 ) フランスの作家。太陽・海・子供といった要素を使い、新たな小説の可能性を追求する。長編「調書」「巨人たち」、短編集「モンドーおよびその他の物語集」など。


J・M・G・ル・クレジオ単独インタビュー  作家に今何ができるか

「週刊読書人」2016年1月15日発行の紙面に掲載された記事

目 次

第1回 EUでもっと難民を受け入れるべき

2018年7月26日

第2回 なぜ若者たちを止められなかったか

2018年7月26日

第3回講演会 『青年を書く 老年を書く』レポート(1)

2018年7月26日

第4回講演会 『青年を書く 老年を書く』レポート(2)

2018年7月26日

第5回講演会 『青年を書く 老年を書く』レポート(3)

2018年7月26日

第6回講演会 『青年を書く 老年を書く』レポート(4)

2018年7月26日

posted by koinu at 13:00| 東京 ☁| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『STUDIO VOICE』アジア特集第3弾、中国SF『三体』作者や韓国文学にも注目

We all have Art.
次代のアジアへ−−明滅する芸術(アーツ)

過去も未来も、伝統も革新も、都市も田舎も、富裕も貧困も、外部も内部も。 アーティストたちはぐらぐら揺れうごく時代に、社会に、生活に、自己に翻弄されながら、 しかしそのさきに新たな実践を見出し、未来を切りひらこうと試行錯誤する。 
動きつづけることでしか創造は生まれない。 創造することでしか可能性は生まれない。 光っては消え、消えては光る。 ちらつく視界の向こうには、私たちの知らない世界がぼんやりと浮かびあがっている。 
この号で「アジア三部作」は最終章を迎える。 これで「終わり」ではない。 
この明滅する松明を手にし、次代のアジアへと進んでいくのだ。 
https://www.cinra.net/news/20190903-studiovoice

■特別抄録:ル・クレジオ『ビトナ、ソウルの空の下』 翻訳_中地義和 
・鳩に託された夢 文_中地義和 

■「集まること(コレクティブ)」の技法──インドネシアのアートコレクティブが照射するコミュニティの未来 
・「集まること」の、そのさきへ|文_リアル・リザルディ 
・つくりつづけるために「集まる」|インタビュー●ruangrupa 
・「エコシステム」を支えるものたち|インタビュー●GHH/Serrum 
・ジョグジャカルタには何も見るものがない|文_シャフィアトゥディナ 

■「科学」と「幻想」のあいだで──中国SFはどこから来て、どこへ向かうのか 
・わたしたちは、宇宙を目指さなければならない。|インタビュー●劉慈欣(リウ・ツーシン)|取材・文_樋口恭介 
・SF都市成都・『科幻世界』編集部をたずねて 
・SFスタートアップ 八光分文化は、中国SFに新たな火を灯すのか? 

■台湾パフォーミングアーツ、教育とプラットフォームをめぐるふたつの対話 
──日本と台湾をつなぐプロデューサー・新田幸生が尋ねた台湾舞台芸術の震源地 

■失い、ゆえに創造する──チョッケツする東南アジアの映画人(フィルムメーカー)たち|企画_空族[富田克也+相澤虎之助] 

[カンボジア編] 
・それぞれの再起動(リブート)|インタビュー●802Films/Tiny Toones/Anti-Archive 
・記憶を記録する|インタビュー●ボパナ視聴覚リソースセンター 
[ラオス編] 
・新たなラオス映画史はここからはじまる|インタビュー●Lao Art Media 
・闘わないやり方で|インタビュー●Lao New Wave Cinema 

■なぜ「新しく生まれる」のか?──「新生空間」が韓国若手アーティストにもたらしたもの|文_紺野優希 

■硝煙のヴェール──タイ深南部の紛争地帯・パタニーに勃興したアートシーンを訪ねて|文_小鷹拓郎 

■書かれる声──あるいは韓国文学が対峙しつづけるマグマ 
・相克と鬱憤|対談●キム・ヨンス × チェ・ウニョン 
・韓国文学探訪記|インタビュー●韓国文学翻訳院/文芸誌『Littor』/書店コヨソサ|取材・文_吉川浩満 
・詩は民のあいだに|キム・ヘスン/イ・ジャンウク/チョン・ハナ|選出・訳・解説_吉川凪 
・空と風と星と詩|文_多胡吉郎 
・茨木のり子と韓国詩|文_斎藤真理子 

■パララックス・ビュー──マニラ、生活、天候、15年 
・8月のマニラ、ふたつのパン、少しさきの未来からきたお粥|インタビュー●Goto Lechon Know/Load na Dito/Tessa Maria Guazon/SILVERLENS|文_長谷川新
・アーバン・プア・フィリピーノの戦略|インタビュー●リーロイ・ニュー 
・死なないで生きていくための|インタビュー●ターニャ・ヴィリャヌエヴァ 

■香港──濡れた路面に咲く菜の花の、海 
・月歩の果て、銀幕(スクリーン)の映しゆくもの|インタビュー●オリヴァー・チャン・シゥクン/ウォン・ジョン/ジュン・リー|取材・文_藤本徹 
■中国、写真をめぐるいくつかの実践──2010年代以降の表現・批評・出版・催事|写真_No.223 
・小さな生活を観察し、大きな環境と対話する|インタビュー●No.223|文_松本知己 
・写真から映像へ|文_王歓 
・〈Jiazazhi Press〉主宰・言由(ヤンヨー)が見た中国インディペンデント出版の10年|文_言由 
・中国アートブックシーンの2大レーベル〈Same Paper〉と〈Bananafish Books〉の方法論 

■ベトナム大都市のビジュアルカルチャー|企画・編集・デザイン_Rhetorica[太田知也+瀬下翔太] 
・視線の脅威と路上の撮影|インタビュー●トゥアン・アンドリュー・グエン 
・蒸発するベトナム、アーカイブへの意志|インタビュー●Art Labor Collective 
・閉じた檻から抜けだして|インタビュー●GM creative/the yellow pot 
・インディペンデントの矜持|インタビュー●ダン・タン・ロン 
・“対比"の街、ホーチミン|インタビュー●ヘニング・ヒルベルト 
http://www.studiovoice.jp/order

■コラム 
Alternative Art Practice from Asia 10の事例 
1「声」の文化とチベット文学|文_星泉 
2失われた「漫画」を取りもどすための20年|文_Mangasick 
3「閉ざされた国」に映画を、再び|文_清恵子 
4ヤスミン・アフマドがマレーシア映画に残したもの|文_エドモンド・ヨウ 
54つの変化が示すベトナム映画の現在形|文_坂川直也 
6中国初の外資系出版社ができるまで|インタビュー●石川郁子 
7ミクロな文字が生む物語|文_福冨渉 
8リソグラフは、「コミュニケーション」する|インタビュー:O.OO/Corners 
9『攝影之聲』と台湾写真にまつわる2、3の事柄|文_李威儀 
10「デザイン」が必要とされるようになった10年|インタビュー●A Black Cover Design 

■Introduction: RUNUP4 
・インドシナのこと|写真・文_園健 
・Relatives Voice|インタビュー_徳利 写真_伊丹豪 

■in fragments 
CONVERSATION●森永泰弘×井口寛×大石始/村山悟郎×シンスンベク・キムヨンフン 
COLUMN●ロバート・ミリス/大島托/土居伸彰 
EVENT●エリック・クー×ブリランテ・メンドーサ×ガリン・ヌグロホ 
ILLUSTRATION●グ・ヒョンソン/沖真秀 
posted by koinu at 08:00| 東京 ☀| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする