2019年08月26日

エズラ・パウンド「舞いすがた」Dance Figure


  我が夜毎の夢に現れる

  黒い瞳の

  象牙のサンダルを履いた女よ

  お前ほどの美しさにはどのダンサーも及ばない

  お前ほどにすばしこい女はいない


  お前ほどの女を夜明けのテントの中に探したが

  見つからなかった

  お前ほどの女を井戸に集まった女の中に探したが

  見当たらなかった


  お前の腕は樹皮をはいだ若木のようだ

  お前の顔は陽を浴びた水面のようだ

  お前の肩はアーモンドのように白い

  皮をはいだばかりのアーモンドのように


  宦官がお前を守ってくれるわけでもなく

  銅の柵で守られているわけでもないが

  お前の寝床にはトルコ石や銀の細工があしらわれ

  黄金の糸で刺繍された褐色のローブが

  お前の体を包んでくれる

  おおナータット・イカナイエ 川辺の木よ


  お前の手はスゲの林を流れる小川のようだ

  お前の指は凍りついた沢水のようだ

  お前の侍女たちは小石のように白く

  お前を囲んで音楽を奏でている


  お前ほどの美しさにはどのダンサーも及ばない

  お前ほどにすばしこい女はいない


EZRA POUND エズラ・パウンド 詩集「ペルソナ」(壺齋散人訳)から




posted by koinu at 08:00| 東京 ☀| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする