2019年07月06日

映画「新聞記者」が143館で公開

 内閣官房と女性記者の攻防を描いた映画「新聞記者」が143館で公開されて、「アラジン」や「スパイダーマン」とともに興行収入ランキングでトップ10入りしている。

「新聞記者」は公開から3日間で約4万9800人を集め、興行収入6232万円を上げた。都市部では満席の館もあった。

粗筋は東都新聞に「大学の新設」に関する秘密文書が匿名で届き、吉岡(シム・ウンギョン)が取材開始。内閣情報調査室の杉原(松坂桃李)は反政府的な人物のスキャンダル作りをしている。ある日、慕う先輩官僚が自殺して「大学の新設」に関わっていた。

企画から手がけた河村光庸プロデューサーは「かぞくのくに」「あゝ、荒野」などの話題作を製作して、2017年に東京新聞の望月衣塑子記者の新書『新聞記者』を読み、映画製作を決意。

「都合の悪い者」陥れる官邸のフェイクー『新聞記者』のリアル、望月記者らに聞く

https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20190705-00132919/

興収1億円突破 映画「新聞記者」への嫌がらせが止まらない

posted by koinu at 13:10| 東京 ☔| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『新聞記社』望月 衣塑子(角川新書)

空気を読まず、出すぎる杭になる。私にできるのはわかるまで質問すること 


第23回 平和・協同ジャーナリスト基金賞 奨励賞受賞


【目次】 

第1章 記者への憧れ 


演劇に夢中になったころ 

小劇場へ、母と 

人生を方向付ける一冊の本との出会い 

記者の仕事をしていた父からの言葉 

吉田ルイ子さんのあとを追って 

TOEFLの得点に愕然 

留学先での大けが 

大学のゼミで感じた核抑止論ありきのマッチョさ 

入社試験は筆記が軒並み不合格…… 

新人研修で新聞を配達 

記者になり、いきなり後悔 

ヒールにスカートの新聞記者 

県警幹部との早朝マラソン 

「今すぐ車から降りろ!」 


第2章 ほとばしる思いをぶつけて 


鬼気迫る形相で警察に挑む先輩記者 

情熱をもって本気で考えるかどうか 

贈収賄事件で警察からの探り 

県版からはみ出せ! 

読売新聞からの誘い 

極秘に手に入れた不正献金リスト 

他紙との抜きつ抜かれつ 

くやしさで検察庁幹部に怒りの電話 

抜かれたら抜き返せ 

特捜部からの出頭命令、2日間の取り調べ 

「東京新聞は書きすぎた」 

内勤部署への異動 

整理部が教えてくれたもう一つの新聞 

転職に初めて意見を言った父 

武器輸出に焦点を定める 

相次ぐ門前払いのなかで 


第3章 傍観者でいいのか? 


編集局長への直訴 

菅野完さんが持っていた受領証 

母に何かが起きている 

「ありがとう、ありがとう」 

新聞記者になったのは 

朝日新聞「政府のご意向」スクープ 

眞子さま報道の裏側で 

尊敬している読売新聞が…… 

「貧困調査」には納得できない 

事実と推測を分ける真摯さ 

和泉補佐官との浅からぬ縁 

教育基本法の改正と安倍晋三記念小学校 

自分が出るしかない 

「東京新聞、望月です」 


第4章 自分にできることはなにか 


抑えきれない思い 

男性特有の理解? 

社内での協力者と共に 

見えない権力との対峙 

興奮して迎えた会見当日 

「質問は手短にお願いします」 

「きちんとした回答をいただけていると思わないので」 

記者たちからのクレーム 

想像を超えた広がり 

声援を受けて募ったやるせなさ 


第5章 スクープ主義を超えて 


突然の激痛 

あの手この手、官邸の対応 

記者クラブ制度の限界? 

不審な警告と身元照会 

産経新聞からの取材 

もっとも印象深い事件 

冤罪事件に國井検事が登場 

日歯連事件からの因縁 

隠したいことを暴いたその先で 

スクープ主義からの脱却 

心強い2人の記者 

目を合わせない記者たち 

輪を広げるために


内容(「BOOK」データベースより)


官房長官会見に彗星のごとく現れ、次々と質問を繰り出す著者。脚光を浴び、声援を受ける一方で、心ないバッシングや脅迫、圧力を一身に受けてきた。演劇に夢中だった幼少期、矜持ある先輩記者の教え、スクープの連発、そして母との突然の別れ…。歩みをひもときながら、劇的に変わった日々、そして記者としての思いを明かす。


著者について

●望月 衣塑子:1975年、東京都生まれ。東京・中日新聞社会部記者。慶応義塾大学法学部卒業後、東京新聞に入社。千葉、神奈川、埼玉の各県警、東京地検特捜部などで事件を中心に取材する。2004年、日本歯科医師連盟のヤミ献金疑惑の一連の報道をスクープし、自民党と医療業界の利権構造の闇を暴く。経済部記者などを経て、現在は社会部遊軍記者。防衛省の武器輸出政策、軍学共同などをメインに取材。

著書に『武器輸出と日本企業』(角川新書)、『武器輸出大国ニッポンでいいのか』(共著、あけび書房)。二児の母。


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9B%E6%9C%88%E8%A1%A3%E5%A1%91%E5%AD%90

posted by koinu at 11:22| 東京 ☔| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ふくろうが鳴く?

 根津権現の境内のある旗亭で大学生が数人会していた。

 夜がふけて、あたりが静かになったころに、どこかでふくろうの鳴くのが聞こえた。

「ふくろうが鳴くね」と一人が言った。

 するともう一人が

「なに、ありゃあふくろうじゃない、すっぽんだろう」と言った。

 彼の顔のどこにも戯れの影は見えなかった。

 しばらく顔を見合わせていた仲間の一人が

「だって、君、すっぽんが鳴くのかい」

と聞くと

「でもなんだか鳴きそうな顔をしているじゃないか」と答えた。

 皆が声を放って笑ったが、その男だけは笑わなかった。

 彼はそう信じているのであった。

 その席に居合わせた学生の一人から、この話を聞かされた時には、自分も大いに笑ったのではあったが、あとでまたよくよく考えてみると、どうもその時にはやはりすっぽんが鳴いたのだろうと思われる。

 ……過去と未来を通じて、すっぽんがふくろうのように鳴くことはないという事が科学的に立証されたとしても、少なくも、その日のその晩の根津権現境内では、たしかにすっぽんが鳴いたのである。


(寺田寅彦「柿の種」岩波文庫)より

posted by koinu at 09:24| 東京 ☔| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする