2019年07月03日

明恵上人集 (改版2009年)岩波文庫

「明恵上人歌集」より


「夢の世のうつゝなりせばいかゞせむ さめゆくほどを待てばこそあれ」


「山のはにわれも入りなむ月も入れ よなよなごとにまた友とせむ」


「あかあかやあかあかあかやあかあかや あかあかあかやあかあかや月」



「明恵上人夢記」より


「夢に云はく、石崎入道之家の前に海有り。海中に大きなる魚有り。人云はく、「是鰐也。」一つの角生ひたり。其の長一丈許り也。頭を貫きて之を繋ぐ。心に思はく、此の魚、死ぬべきこと近しと云々。」


「正義房之魂とて、たこの如き躰の物の生類なるあり。家の中に動き行く。義林房、之を取りて、刀を以てこそげ、なやして池中に投ぐ。其の形、亀に似て、向ひの岸へ行くべしと思ふに、底に沈み了んぬ。」


「夢に、自らの手より二分許り之虫、〔ふと虫の如し〕懇ろに之を出せりと云々。即ち懺悔の間也。」


「初夜の行法の時、水加持作法の間に眠り入る。夢に、我が身一尺許りの小さき竜と成ると云々。」


「大磐石有り。其の石に小さき穴有り。成弁、其の中に入りて思はく、出づるに猶称はず。義林房・縁智房、先づ此の石の上面かを過ぎたり。成弁、中に在りて義林房に告げて言はく、「いかゞして出づべき。」即ち、誦文を教へて成弁に誦せしむ。其の誦文、連歌の如し。いさなきのと云々。成、之を受け之を誦するに、大きなる□氷の日に尽くるが如く、誦するに随ひ次第に消ゆ。消え畢りて頭面漸く出づ。出で已りて又消えて腰に到る。今少し残れるを、とかくなして、抜きて之を出づ。磐石の残れるはぬけがらの様にて軽薄にして捨て畢んぬ。今は皆消えなむと思ふ。


明恵上人集 (改版2009年)岩波文庫 

「今は勝れて能き人もなく、勝れて悪き人もなし。何れも同じ様にて、善悪も見えわかず。是末代の故也。」

posted by koinu at 10:00| 東京 🌁| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする