2019年06月30日

ペンギンタロット21+0の物語

こんな面白すぎるカードは見るだけでも幸せになれる
TAROT図形学より、視覚からも分りやすく覚えられます

新しいアテンション(注意)と上昇力を前向きに促すために作られたカードです
◆ペンギンタロット21+0の物語 全カード図解 
http://koinu.cside.com/NewFiles/21+0.html
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オリジナルの日本語解説紙付き。 
限定800部、パッケージ内側部分にはシリアルナンバーが記載されています。 
付属品: オリジナルの日本語解説紙 
http://pentacle.jp/?pid=108373386
カードサイズ:65×130mm  枚数:22枚
Amazonで販売中
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「ペンギンタロット」履歴紹介。
眺めているだけで楽しいサイトなので、是非興味のある方は是非。
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『大都会隠居術』荒俣宏編 隠居名人たちの隠居小説、エッセイを多数収録。

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第1ステップ 都会隠居術事始め世の煩わしさから逃れる
大岡昇平、永井荷風、谷崎潤一郎、水木しげるほか

第2ステップ 都会に潜む悦楽女子供に分らぬ世界へ 江戸川乱歩、内田百間、幸田露伴、岡本かの子ほか

第3ステップ それぞれの隠居たち心朽ちた聖者の伝記を読む宇野浩二、古今亭今輔、千早柊一郎ほか

第4ステップ 骨董、味道の悦楽 平成あこがれのご隠居たち 宇野千代、青山二郎、北大路魯山人ほか

第5ステップ そして、死との対面 都会での死に方を知る 稲垣足穂、ピーター・S・ビーグル、ボリス・ヴィアン

永井荷風「短夜」(みじかよ)「短夜」は現世の波にもまれるばかりで、真の男女の情交を味わえずにいる男たちへの、最大の慰めといえる。編者はこれを読み返すたびに全身がわななく。涙があふれてくる。都会隠居にぜひとも必要なのは、肉体の交わりを忘れさせるほど心打つ物語を、果てしなく語ってくれる伴侶なのである。

「繊細な然し鋭いお前の爪先で弛んでしまった私の心の絲を弾け。」

「幽霊船長」こと鮎川信夫は私生活について完全な秘密主義を貫いて、連絡先は母の家、晩年は甥の家と徹底していた。1986年10月17日に世田谷区成城の甥・上村佑の家に郵便物を受け取りに行って、甥家族とスーパーマリオブラザーズしている時に、脳出血で倒れて搬送先の病院で死去した。焼かれて骨になってから、幽霊船長の晩年日録には次旨の言葉を知らされた。

「人生(ライフ)は単純なものである。人がおそれるのは、畢竟一切が徒労に帰するのではないかということであるが、人生においては、あらゆる出来事が偶発的(インシデンタル)な贈与(ギフト)にすぎない。そのおかえしに書くのである。正確に、心をこめて、書く。――それがための言葉の修練である」

人生における一切は「偶発的な贈与にすぎない」、更に「そのおかえしに書くのである」という驚くべき信念を秘めていた鮎川信夫。詩人の残した言葉に絶句するのだった。


 荒俣 宏編『大都会隠居術 』 序文

老人になるとは、要するに心朽ちることであります。


世のありさまの裏おもてをすべて知りつくし、もはやいかなる対象に対しても青春の活きいきとした夢を託さぬことであります。現世のあらゆる部分で実行されている厳密なルールをもった人生ゲームから、あっさり降りてしまうことであります。


そして、そのあとにようやく心静かな自由が訪れる。生きながら死んでいることの喜ばしさよ。まるで、浮世のわずらいから解き放たれた幸福な魂のように。

いやそれどころか、わが日本では、自らすすんで心朽ちた老いの境地に至るための習俗があったのであります。何を隠そう、これすなわち、隠居であります。


隠居なることばの意味は、伝統的には、家督を子孫に譲って自ら第一線をしりぞくことと解されるようであります。世に隠れて暮らすのですから、社会的には、文字どおり「生きている死者」となるわけです。しかし封建社会にあっては、むしろ、老境に達したから身を引くというのではなく、次世代の成長をもって自らは現世を脱し、「次の人生」にはいることを意味していたのです。つまり、「定年」による隠居ではなく、あとの憂いがなくなったところで次の人生にチャレンジしていく、というような積極的姿勢に立つ引退であります。その意味では、かつての隠居は、子育てが終わり、さてこれからが人生本番と、キラキラ輝いている中年婦人たちの姿に近かったわけであります。換言すれば、社会生活を営むよりも上に、もう一つ別の「生きざま」があったことになります。中国風にいえば、仙人になる道、企業でいえば、相談役か顧問、アカデミズムでいえば名誉教授。名称は何でもよろしいが、隠居は文字どおり解放を意味していたのです。(荒俣 宏)


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光文社の叢書刊行はアンソロジーシリーズ“文学の森”に企画も続いている印象で全10冊の構成になっていた。

(1)筒井康隆編『夢探偵』

(2)種村季弘編『放浪旅読本』

(3)山田詠美編『せつない話』

(4)青木雨彦編『会社万葉集』

(5)荒俣宏編『大都会隠居術』

(6)立松和平編『わたしの海彦山彦』

(7)池田満寿夫編『私の大学』

(8)加藤幸子編『子どもの発見』

(9)佐佐木幸綱編『肉親に書かずにいられなかった手紙』

(10)田辺聖子編『わがひそかなる楽しみ』


山田詠美さんの(3)は文庫化され第二集も編まれた。読書好きであれば興味を惹かれるのは、(1)(2)(5)だろうか。

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種村季弘 編『放浪旅読本』(光文社)

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1989「〔光る話〕の花束」というシリーズの第2巻は絶品である。アンソロジーは書物をたくさん読みこなさないと不可能な編集作業。対談でも次々と繰り出される文学作品の数々に、選者としての眼差しが感じられる。ともすれば「放浪旅」という凡庸なテーマに、次のように六段階での旅への構成と好奇心を齎らす内容は流石ですね。



【収録内容】

T    旅への誘い

旅上(萩原朔太郎)/放浪への誘い(森敦)/港の感傷(結城昌治)/仙台屋台誌(村上善男)/リュックの中味(高田宏)/旅枕(向田邦子)/勉強記(坂口安吾)/

U   芸能道中

浅草花屋敷(武田百合子)/夕焼けと山師(辻まこと)/売り絵師の話(池内紀)/たのしいドサまわり(駒田信二)/学校といふ浮浪者(長谷川伸)/ニューヨークは今日も大変だ!-抜粋(篠原有司男)/

V   逃避行

陽は西へ-抜粋(色川武大)/摩天楼(島尾敏雄)/百人斬りの守神健次(森川哲郎)/日光円蔵の墓(子母沢寛)/追剥団(野尻抱影)/

W   無銭道中

世界放浪記-マレーの巻(金子光晴)/宗不旱の白骨(高木護)/いろは長屋(添田唖蝉坊)/突貫紀行(幸田露伴)/なめとこ(高橋新吉)/

X   冒険

海ゆかば(宮本常一)/チベット滞在記-抜粋(多田等観)/森(土方久功)/木曽より五箇山へ(柳田国男)/

Y   コスモポリタン

大連ふたたび(清岡卓行)/異沢とダダ大泉黒石・辻潤(大谷利彦)/ブラジル生活の早取写真(堀口九万一)/遅れてはきたけれど(細川周平)/履歴書-抜粋(南方熊楠)


アンソロジーとして抜群な内容で、これは文庫本にならないのだろうか。種村季弘さんは『東京百話』(ちくま文庫)などに代表される稀代アンソロジストで、多岐に渡るジャンルの広さが特徴である。


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ヘボな詩集や音楽を聴いているより、豊かな魂を感じる憩い。
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筒井康隆【夢アンソロジー】2冊

筒井康隆編『夢探偵』光文社


夢を見ることは人間であることの条件。現代日本の傑作小説と貴重な日記17編とで夢のふしぎな力を探る。文学の前衛に立つ編者によるアンソロジー。「夢」を復権する傑作小説、日記17編。


【収録作品】

 お爺さんの玩具  内田百

 音楽論  清岡卓行 

 夢、覚え書  武田百合子 

 願望  星新一 

 阿波環状線の夢  安部公房 

 夢  澁澤龍彦 

 夢飛行  小泉八雲 

 法子と雲界  筒井康隆 

 鞄の中身  吉行淳之介 

 孤島夢  島尾敏雄 

 夢の殺人  石川淳 

 夢三態  八木義徳 

 夢の底から来た男  半村良 

 雀  色川武大 

 私の夢日記  横尾忠則 

 夢日記  正木ひろし 

 夢の検閲官  筒井康隆


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1989年に光文社から刊行された夢テーマのアンソロジーで、「〔光る話〕の花束」シリーズの第1巻。

編者の筒井康隆さんが「おれの大好きな作品である」という「夢の底から来た男」は、以前アンソロジーに入れることが出来なかったらしく全編掲載されている。創作だったり夢への考察であつたり、夢日記であったりするが、夢は抑圧された欲求や過去への憧憬など、精神の丸裸だったりするので、バラエティ過ぎてばらばらな書物になってしまう可能性がある。しかし「夢」への解剖と構成は「夢の検閲官」で試みられるように、手ばさき見事な俎板に乗せられて読者の席に運んで来られる。



光文社から1980年11月刊行されたこの前編となる、傑作というべきアンソロジーもあった。


『いかにして眠るか』筒井康隆・編


本書を、眠れぬ人、眠りたい人、睡眠に興味を持つ人、夢に興味を持つ人、寝ること(横たわる意味の)が好きな人に捧げる。編者自身も、なろうことなら一日中寝ていたい怠け者である。サラリーマン時代には、朝、起きることができず困った経験がある。さらに大学時代の卒業論文のテーマは夢であった。本書を編集する資格のある人間ではないかと思うがいかがであろうか。

さらにまた、眠れなくて困った経験も数多く持っている。ところで最近、その不眠症に対するこのような発言にしばしばお目にかかる。

「眠れなくて困る、などという人がいるが、人間は眠らずにいられるものではない。眠れなければ起きていればよろしい。そのうちに必ず眠くなる。無理に眠ろうとしなくてもよい」不眠に対する、なんたる無理解であろうか。この人はどのような生活をしているのであろう。もちろんぼくも含め、われわれが眠れなくて困る時は、翌朝に重大事をひかえているときである。だからこそ心配で眠れないのであって、無理に眠らなくてもいいのんびりした状態の時には、そもそも眠くなるなどという事態に遭遇したりはしない。
筒井康隆・編「いかにして眠るか」序文)


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【収録内容】

ベンチリー(訳:浅倉久志)「HOW TO SLEEP」

北畠美代「堀たゑ子様へ」

安部公房「睡眠誘導術」

星 新一「不眠症」

三木 卓「ねむる」

ヒルティ(訳:小池辰雄)「眠られぬ夜のために(序言)」

山口 瞳「睡眠」

筒井康隆「寝る方法」

モンテーニュ(訳:関根秀雄)「睡眠について(『随想録』より)」

島崎敏樹「意識のたそがれ」

井上光晴「木曽宿にて」

金子光晴「冬眠」

チェスタトン(訳:別宮貞徳)「ごろ寝の楽しみ」

サヴァラン(訳:関根秀雄・戸部松実)「眠りについて 食飼の休息睡眠および夢に及ぼす影響」

チェーホフ(訳:神西 清)「ねむい」

堀 辰雄「眠れる人」

生島治郎「ゆたかな眠りを」

デメント(訳:大熊輝雄)「夜明かしする人、眠る人〈第2章〉」


◆1988年/光文社文庫

図版収録された「HOW TO SLEEP」はDVD『マルクス兄弟・オペラは踊る』映像特典になって「眠る方法」という邦題で収録されて、映像を観ることができる。

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