2019年05月24日

幻想哲学小説『創造者』ミュノーナ(蝸牛文庫)

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絹山絹子:訳 黒死館附属幻稚園:発行

カント哲学に溺れたマッド・サイエンティストに、自我の世界を究極まで拡大されると、如何なる結果が現れるか。そんな実験材料にされた男女の物語。技術とオカルティズムの破天荒な融合がここに驚くべき結末を迎える。


ドイツの幻想作家ミュノーナの幻想小説の翻訳。訳者あとがきによれば、ミュノーナは『小遊星物語』のシェーアバルトと知り合いで、カント学者でエルンスト・マルクスの友人らしい。


作者の友人アルフレッド・クービンが挿絵を担当して、図版を再現した翻訳を自主出版された。
蝸牛文庫 B6 132p 900円
只今売切れ絶版。再版を願いましょう。

ミュノーナ [Mynona] 本名ザロモ・フリートレンダー。哲学者で作家。1871年ゴランチュ(ポーゼン)にユダヤ人医師の長男として生まれる。初め医学を専攻していたが、哲学に転じて、1902年ショーペンハウアーの位置づけ並びにカント「純粋理性批判」の認識論的基礎に関する試論で学位取得。哲学の主著に『創造的中立』『フリードリヒ・ニーチェ』。
ベルリンでミュノーナ、匿名(Anonym)のアナグラムの筆名で詩や短篇を発表、ダダイストたるバーダーやハウスマンとともに雑誌『地上1915年』を計画、シュティルナーの個人主義を旗印にした雑誌『唯一者』刊行。1933年パリに亡命、闘病生活の後1946年パリに客死。「カントと道化のジンテーゼ(統合)」を自認するフリートレンダー/ミュノーナはアヴァンギャルド文学の寵児。
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『スフィンクス・ステーキ―ミュノーナ短篇集』ミュノーナ Mynona (未知谷)

ユーモアに満ちた奇想小説やファンタジーを多く収録された異色作家短篇集。


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人の体毛の生え方をオルゴールの筒に移植して、その人間固有の音楽を奏でる『性格音楽−毛のお話』。

スフィンクスを食べてしまうタイトル通りの話『スフィンクス・ステーキ』。

まったく同じ名前、同じ行動をとる40人の集団を描く奇談『謎の一団』。

砂漠に現れた巨大な卵をめぐるナンセンスな出来事『不思議な卵』など、突飛なイメージが印象に残る。

posted by koinu at 10:44| 東京 ☀| 本棚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする