2017年06月15日

『カルデア神託』とゾロアスター教義解釈

 「カルデア神託」とは、実際にはギリシア語で書かれた詩形式のもので、その内容はピタゴラス派の説に近いものである。

たとえばコンスタンチンノープルの「アカデメイア」で占星術を講義したミカエル・プセロスは、「ヘルメス文書」と共にこの『カルデア神託』を重視した。またこの伝説は、近代の神智学にも受けつがれた。アニー・ベサント女史はその著「古代の英知」の中で、『カルデア神託』をもって、ゾロアスター教の真相を明らかにするものと述べている。


新プラトン派の哲学者は『カルデア神託』を通じて、ゾロアスターを崇拝し、彼をプラトンに結びつけようとした。ピタゴラスがバビロンで「マギ」からゾロアスターの教義を授かったという伝説もある。 新プラトン派のゾロアスター崇拝はかなり後まで続き、15世紀のフィレンツェに「プラトンアカデミー」を設立したプレトンなどにも見られる。プレトンの設立した「プラトンアカデミー」は、メディチ家の庇護を得て大いに発展した。それはルネサンス哲学におけるプラトンの復興の基礎を作った。

ここで注意すべきは、ルネサンスのプラトン主義が、ヒューマニズムの基礎の上に立って、キリスト教とプラトンの説との一致を図ったことである。そして彼らは、この両者の一致を可能にするものが、ゾロアスターの教えにあると思い込んだ。パトリツィなどもその一人で、彼は自らの主著「宇宙に関する新哲学」の中で、キリスト教をゾロアスターの教義に結び付けている。しかし彼らの理解するゾロアスターとは、『カルデア神託』のゾロアスターなのである。

岡田明憲「ゾロアスターの神秘思想」(講談社)より



 ヘレニズム的形態としてトルコで生まれた『カルデア神託(カルデアン・オラクル)』。この書はゾロアスターがミスラから得た知識という形式で、ユリアノスが降神術による啓示によるもの。内容はズルワン主義、プラトン主義、グノーシス主義、ヘルメス主義などの影響がある降神術と高等魔術に関して体系的に述べた最古の書物。


『カルデア神託』では至高存在は「父=深淵=始原=知=一者=善」という「父/力/知性」3つの存在に展開して現れる。

「力」は女性的存在で「父」と「知性」を媒介。


「知性」は「父=知」に対する第2の知性で、イデアに基づいて世界を形成する創造神。


 ズルワン主義の「両性具有のズルワン」/「父ズルワン/アナーヒター/ミスラ」へ相当。

世界は直観的知性による「浄火界」、天球に相当する「アイテール界」、物質的世界である「月下界」の3つから構成。それぞれ「超宇宙的太陽」「太陽」「月」によって支配。


知的諸階層にはその階層を統合する「結合者」がいる。3つの世界のそれぞれにも「秘儀支配者」がいる。後者は「超宇宙的太陽」「太陽」「月」と同じ霊的実体。そして「天使」「ダイモン」「英雄」が神と人の間に階層をなして存在して、人間を天上に引き上げる働きをしている。

「イウンクス」道具が魔術に重要となる。うなり音を発するコマのように音を変化させて、魔術の目的に合った天上の様々な霊的な力に共鳴して働かせる。「イウンクス」は地上の道具であり天上の存在である。天上の「イウンクス」はイデアとして、神と地上世界を媒介する存在となる。
『カルデア神託』の魔術は神像や人間に神を降ろして、聖化したり質問したりする降神術。神格同調する動物・植物・鉱物とともに「イウンクス」同調の波動を発する呪文など発するヘレニズム的技法。カルデア人の理解するゾロアスター教義とは『カルデア神託』に解釈しているゾロアスターの範疇に存在している。
posted by koinu at 21:00| 東京 🌁| 歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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